概要
会計期間バリアント、会計期間のオープン/クローズについて解説する。
カスタマイズ、トランザクションコード
- OB52 – 会計期間オープン/クローズ
※PGMで実行する場合:SE38>RFOB5200
会計期間バリアント
会計期間バリアント
会計期間バリアントは、「会計伝票を転記できる日付」を管理している。伝票が転記できる状態をSAPではオープンと呼んでいる。以後、この設定を「オープン/クローズ」と呼ぶ。
オープン:伝票を入力することができる期間 クローズ:伝票を入力することができない期間
伝票登録時、転記日付に対してチェックがかかり、オープンしていない転記日付が入力されているとエラーになる。
会計期間バリアントの割当は会社コード
会計期間バリアントの割当は、会社コードに行う。なお、複数の会社コードで同じ会計期間バリアントを使うことができる。つまり、会計期間が同じグループ会社に同じ会計期間バリアントを割当し、カスタマイズの手間を省くことができる。
勘定タイプごとにオープン/クローズを設定可能
会計期間のオープン/クローズは、勘定タイプ別に設定が可能である。
設定画面では、まず全勘定タイプのオープン/クローズを制御する「+」を設定する。こちらは設定必須になっている。その他、勘定タイプごとに制御したい場合は、個別にオープンする期間を設定できる。これにより、「(暦日)5月に、5月転記の入力と4月転記の決算用に2ヶ月分をオープン。ただし、サプライチェーンは5月転記のみ入力可能」といった制御が可能になる。
ただし、「+」のオープン月と勘定タイプ個別のオープン月を満たす必要があり、「+」のオープンを6月、勘定タイプ個別のオープンを7月、といった噛み合わない設定はできなかったはず。(詳しくは試してほしい。)
※勘定タイプについて不安な方は、財務会計(FI)3-1.会計伝票-伝票タイプか財務会計(FI)3-3.会計伝票-伝票ヘッダ・明細まとめをご確認いただきたい。
期間範囲について
もう一つ、会計期間バリアントについて重要な期間範囲について解説する。会計期間のオープン/クローズは、3つ設定する箇所がある。似ているが制御している内容が違うので理解すること。ここは実際のカスタマイズ画面を見た方がわかりやすいので、後のカスタマイズ操作時にあわせて確認してほしい。
期間範囲1 | 通常の会計期間に対して制御する。日常的に気にする設定はこちら。 |
期間範囲2 | 特別会計期間に対して制御する。決算処理をする際にオープン設定を行う。 |
期間範囲3 | 管理会計(CO)から財務会計へのリアルタイム転記ができる期間を制御する。 COで登録した伝票をFI側に反映させるために利用する。 ※新総勘定元帳以降で追加された機能。 |
カスタマイズ操作方法
会計期間バリアントの登録、オープン/クローズ、および会社コードへの割当を行う。
会計期間バリアントの登録
- SPRO>財務会計>財務会計共通設定>元帳>会計年度および会計期間>会計期間>定義: 会計期間バリアント を選択する。
- 「新規エントリ」ボタン(F5)を押下する。
- バリアント「1000」(名称は任意)を入力し、保存する。
会計期間のオープン/クローズを設定:OB52
今回は、勘定タイプごとにオープン期間を設定することなく、全勘定タイプ共通の「+」のみ設定する。転記できる会計期間は2020年4月(1期)と5月(2期)とする。
- SPRO>財務会計>財務会計共通設定>元帳>会計年度および会計期間>会計期間>オープン/クローズ: 会計期間 を選択する。
- 先ほど登録した会計期間バリアント「1000」を入力し、Enterを押下する。
- 以下のデータを入力し、保存する。
A(勘定タイプ) | + |
開始勘定 | (空白) |
終了勘定 | (空白) |
開始期間1 | 1 |
年度 | 2020 |
終了期間1 | 2 |
年度 | 2020 |
会計期間バリアントの割当
- SPRO>財務会計>財務会計共通設定>元帳>会計年度および会計期間>会計期間>割当: バリアント→会社コード を選択する。
- 会社コード「1000」に対し、登録した会計期間バリアント「1000」を指定して保存する。
テーブル
テーブルID | 内容説明 | 備考 |
---|---|---|
T009 | 会計年度バリアント | |
T009B | 会計年度バリアント(期間) |
演習問題
※複数回答の設問あり。
※答えはドラッグすると見れる。
会計期間オープン/クローズの「期間範囲3」は、COからFIへのリアルタイム転記ができる期間を制御している。
A. 正
B. 誤
正解:A
会計期間バリアントは、複数の会社コードに同じ会計期間バリアントを割当できる。
A. 正
B. 誤
正解:A
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