概要
自動支払処理について解説する。機能についての説明が多いため、数回に分けて説明する。2回目は、自動支払処理に関する設定について。
実際に実機を触った方がわかりやすいので、ざっと説明に目を通し、後は実機ベースで理解することをオススメする。
カスタマイズ、トランザクションコード
- FBZP – 支払プログラム更新
- F110 – 自動支払処理
自動支払処理の設定
自動支払処理の設定(FBZP)
自動支払処理に関する設定は、トランザクションFBZPから行う。各設定のポイントは、以下のとおり。
全会社コード | 会社コードごとの設定 【主な設定】 ・支払する会社コードの設定(詳細) |
支払会社コード | 支払会社コードに対する設定 【主な設定】 ・入金、支払の最低金額 |
国別支払方法 | 国ごとに支払方法を定義し、支払方法ごとの詳細を設定する 【主な設定】 ・入金、支払のどちらか ・どの支払方法が可能か:小切手、銀行振込など ・マスタレコードの要件:口座番号必須など ・転記時の伝票タイプ |
会社コード別支払方法 | 会社コード×支払方法ごとの設定を行う 【主な設定】 ・最低支払額と最高支払額: ※100万円までは振込、100万円以上は小切手という設定が可能 ・銀行グループによる最適化:振込先の銀行に応じて利用する銀行を変える ※手数料を抑えるために、振込先と同じ銀行を使う |
銀行選択 | 支払会社コードごとに、利用する銀行を設定する 【主な設定】 ・どの銀行を優先的に利用するか(詳細) ・銀行口座 ・支払可能額 |
取引銀行 | 利用する銀行の設定 ※銀行マスタの設定(FI12)が、この画面からもできるようになっている 【主な設定】 ・銀行の住所 ・銀行口座番号、IBAN ・G/L勘定コード |
支払会社コードの設定
支払会社コードに別の会社コードを入力することで、取引をした会社コードとは別の会社コードでの支払が可能。たとえば、センダ会社コード「1000」、支払会社コード「2000」とした場合、会社コード「1000」の債務を会社コード「2000」で支払することになる。
取引銀行の決定ロジック(銀行選択の優先順序)
どの取引銀行が使用されるかは、次のロジックで決まる。
- 伝票で入力した「取引銀行ID」(支払タブ>取引銀行)
- 仕入先マスタに登録されている「取引銀行ID」(会社コードレベル>支払処理)
- 会社コード別支払方法の「銀行グループによる最適化」で決まる取引銀行
- 銀行選択の「優先順序」
振込手数料について
銀行手数料については、先方負担の場合のみカスタマイズを行う。
自社負担or先方負担については、仕入先マスタの手数料負担コード(一般データ>支払処理>手数料負担コード)できまる。
カスタマイズについては、自動支払処理の設定画面(FBZP)から以下の起動経路で実施する。
- メニューバー>編集>会社コード>銀行手数料>銀行手数料
- メニューバー>編集>会社コード>銀行手数料>勘定設定
カスタマイズ操作方法
自動支払処理の設定:FBZP
SPRO>債権管理および債務管理>会計トランザクション>銀行支払>自動銀行支払>支払プログラム用の支払方法/銀行選択(FBZP)を選択する。
全会社コードの設定
- 「全会社コード」を選択し、会社コード「1000」を選択する。
- 以下のデータを入力し、保存する。
センダ会社コード | 1000 |
支払会社コード | 1000 |
支払会社コードの設定
- 「支払会社コード」を選択し、会社コード「1000」を選択する。
- 以下のデータを入力し、保存する。
銀行入金最低額 | 1(JPY) |
銀行支払最低額 | 1(JPY) |
支払明細通知書書式 | SAPscript F110_D_AVIS |
国別支払方法の設定
- 「国別支払方法」を選択する。
- 「新規エントリ」ボタンを押下し、以下のデータを入力して保存する。
国コード | JP |
支払方法 | 1 |
テキスト | 売掛金相殺(任意) |
支払方法 | 銀行支払 |
支払方法分類 | 銀行振込 |
人件費支払方法 | ON |
支払伝票タイプ | ZP[支払記帳] |
消込伝票タイプ | ZV[支払決済] |
会社コード別支払方法の設定
- 「会社コード別支払方法」を選択する。
- 「新規エントリ」ボタンを押下し、以下のデータを入力して保存する。
支払会社コード | 1063 |
支払方法 | 1[売掛金相殺] |
最低支払額 | 1 |
最高支払額 | 99,999,999,999 |
銀行選択の設定
- 「銀行選択」を選択する。
- 会社コード「1000」を選択し、「順序」をダブルクリックする。
- 支払方法「1[売掛金相殺]」、通貨「JPY」の銀行IDに、登録した取引銀行「HB01」を入力して保存する。
- 「銀行口座」をダブルクリックする。
- 「新規エントリ」をクリックし、以下のデータを入力して保存する。
銀行ID | HB01 |
支払方法 | 1[売掛金相殺] |
通貨 | JPY |
口座ID | 1234570 |
銀行仮勘定 | AB0002[当座預金- みずほ大阪] |
- 「支払可能額」をダブルクリックする。
- 「新規エントリ」をクリックし、以下のデータを入力して保存する。
取引銀行 | HB01 |
口座ID | 1234570 |
起算日までの日数 | 999 |
通貨 | JPY |
支払可能額 | 99,999,999,999 |
取引銀行の設定
※既存の取引銀行を使用するため、新たな取引銀行の設定はなし。取引銀行の設定方法については、7-1.自動支払-自動支払処理の概要、銀行マスタを参照。
テーブル
テーブルID | 内容説明 | 備考 |
---|---|---|
T001 | 会社コード | |
BNKA | 銀行マスタ | |
KNBK | 銀行口座情報 | |
T012 | 取引銀行 | |
LFA1 | 仕入先マスタ(一般セクション) | 仕入先マスタの一般データレベルの情報を保持 |
LFB1 | 仕入先マスタ(会社コード) | 仕入先マスタの会社コードレベルの情報を保持 |
演習問題
※複数回答の設問あり。
※答えはドラッグすると見れる。
以下の文章について、正誤を答えよ。
自動支払処理の設定「全会社コード」では、センダ会社コードを指定しない場合、支払会社コードがセンダ会社コードとみなされる。
A. 正
B. 誤
正解:A
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