概要
内部指図の決済規則を自動生成(自動設定)するカスタマイズについて解説する。
カスタマイズ、トランザクションコード
- KSR2_ORC – 方針順序: 決済規則の自動生成
- KSR3_ORC – 割当: 方針順序→指図タイプ
決済と決済規則
話の前提となる決済、決済規則について簡単に説明する。すでにご存知の方は決済規則の自動設定から読み進めてもらえばOK。
内部指図の決済
内部指図に溜まった費用を他のコストオブジェクトに振替できる。これを決済という。
決済規則
決済のルールを決めたものを決済規則という。例えば、内部指図に溜まった費用の80%をA原価センタ、20%をB原価センタに振替、といったルールを作る。このルールを内部指図に設定し、決済処理を行うとルールに従って費用の振替が行われる。
決済規則の自動設定(自動生成)
方針順序:KSR2_ORC
決済規則の自動設定は「方針順序」というカスタマイズで設定される。ここでは、どのオブジェクトに決済するかを決めている。
【起動経路】
SPRO>管理会計>内部指図>実績天気>決済>決済規則の自動生成>方針順序: 決済規則の自動生成(Tr-Cd:KSR2_ORC)
画面を開くと標準で用意されている方針順序が表示される。
方針順序 | 名称 | 決済プロファイル |
---|---|---|
SAP010 | 生成なし | |
SAP020 | 収益性セグメント(100%、PER and FUL) | |
SAP025 | 収益性セグメント(100%、FUL) | |
SAP030 | 申請原価センタ(100%、PER and FUL) | |
SAP040 | 責任原価センタ(100%、PER and FUL) | |
・・・ |
行をダブルクリックすると、決済規則の中身が照会・変更できる。設定方法は普通の内部指図の決済規則と同じ。例えば、「[SAP025]収益性セグメント(100%、FUL)」だと全額収益性セグメントへ決済する設定がされている。
優先順位 | 方針 | テキスト | 率(%) | 決済タイプ |
---|---|---|---|---|
1 | 02 | 収益性セグメントへの決済 | 100.00 | [FUL]全額決済(※) |
※決済タイプは、[FUL]全額決済、[PER]期間決済、[PRE]仮決済、から選択。
割当:KSR3_ORC
方針順序は指図タイプに割当する。つまり、内部指図の決済規則が自動生成される設定の紐付きは、内部指図>指図タイプ>決済規則、という関係性である。
【起動経路】
SPRO>管理会計>内部指図>実績天気>決済>決済規則の自動生成>割当: 方針順序→指図タイプ(Tr-Cd:KSR3_ORC)
設定画面は以下のような一覧形式。
指図タイプ | 方針順序 | 名称 | 修正可能 | ステータス |
---|---|---|---|---|
Z001 | SAP025 | 収益性セグメント(100%、FUL) | [3]上書禁止 | [CRTD]作成済 |
設定値の詳細。
項目 | 備考 |
---|---|
指図タイプ | 割当先の指図タイプ |
方針順序 | 割当する方針順序 |
修正可能 | 生成した決済規則を内部指図に設定する際、すでに決済規則が設定されていたらどうするか、だと思う。 以下から設定。 [1]未使用規則のみ上書き [2]常に上書き [3]上書禁止 |
ステータス | どのタイミングで決済規則を生成するかを制御。指図のステータスをトリガーに生成タイミングを決める。 [CRTD]作成済 [REL]リリース済 [TECO]技術的完了 |
設定が完了すると、指図タイプのカスタマイズ画面(指図タイプ>汎用パラメータ>方針順序決済規則 の箇所)に表示される。
カスタマイズ操作方法
カスタマイズ画面は以下。
- SPRO>管理会計>内部指図>実績天気>決済>決済規則の自動生成>
- 方針順序: 決済規則の自動生成
- 割当: 方針順序→指図タイプ
ステータスを[CRTD]作成済 に設定していれば、内部指図の登録(Tr-Cd:KO01)から内部指図を登録すると、決済規則が自動で設定される。
テーブル
テーブルID | 内容説明 | 備考 |
---|---|---|
TKB10SLC | STEC を自動生成するための設定 | 内部指図の決済規則を自動設定するためのカスタマイズ「方針順序」の設定内容を保持。 |
T003O | 指図タイプ | |
T003P | 指図タイプテキスト | |
TKO03 | 指図ステータス | |
TKO04 | 指図ステータステキスト | |
AUFK | 指図マスタデータ | |
COBRA | 指図決済の決済規則 | |
COBK | 配賦規則 決済規則 指図決済 |
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