概要
在庫/購買管理における購買の基本的なフローを押さえる。
SAPをほとんど触ったことのない人向けに、「SAP購買についての第一歩」を理解するための内容にしている。
フロー
購買依頼→購買発注→入庫→請求書照合が基本の流れ。
購買依頼はなくてもいい。
それぞれについて説明する。
購買依頼:ME51N
製造部門が「この部品が欲しい」と購買部に依頼をかけるイメージ。
入力する項目は品目(部品)、数量、納期。
製造部門はどこから仕入れるかは気にしないため、入力項目に仕入先は入れなくてもいい。価格も考慮しない。
購買発注:ME21N
購買部が実際に部品の発注・注文をかけるイメージ。
入力する項目は、品目(部品)、数量、納期に加え、仕入先、価格も含まれる。
購買依頼伝票を元にデータ登録する場合は、購買依頼伝票に入力した品目などの情報を引き継げる。
購買依頼を元とせず、直接購買発注伝票を登録することも可能。
入庫:MIGO
発注した部品が届いたときの処理。「部品が届いたよ」をSAPに入力する。
発注伝票を元にデータを引き継いで伝票登録する。
「明細OK」をONにしないと次に進めないので注意。
また、入庫伝票の裏で自動登録される会計伝票がある。SAPは最終的に会計にデータが流れていくので、合わせて理解しておくこと。
材料 / 入庫請求仮勘定
※業務的には「材料/買掛金」としたいところだが、買掛金は次に説明するトランザクションで登録する。そのため、ここでは「仮勘定」というシステム的な勘定を使っている。
請求書照合:MIRO
届いた部品に対して支払が発生する。つまり「請求書が届いたよ」をSAPに入力するイメージ。
発注伝票、および入庫伝票を元にデータを引き継いで伝票登録する。
また、前述のとおり請求伝票の裏で自動登録される会計伝票がある。
入庫仮勘定 / 買掛金
※先ほどの入庫(材料/入庫請求仮勘定)と合わせることで、「材料/買掛金」の形になる。
トランザクションコード、テーブル
伝票登録と同時に、伝票データが格納されるデーブルを押さえておくと理解が深まる。
SAPでは多くの伝票がヘッダと明細に分かれており、それぞれのテーブルを合わせて見ることになる。
業務 | 登録 | 変更 | 照会 | 購買伝票DB ヘッダ、明細 | FI伝票DB ヘッダ、明細 | CO伝票DB ヘッダ、明細 |
---|---|---|---|---|---|---|
購買依頼 | ME51N | ME52N | ME53N | EBAN | – | – |
購買発注 | ME21N | ME22N | ME23N | EKKO、EKPO | – | – |
入庫 | MIGO | MIGO | MIGO | MKPF、MSEG | BKPF、BSEG | COBK、COEP |
請求書照合 | MIRO | MIRO、 MIR4 | MIRO、 MR8M | RBKP、RSEG | BKPF、BSEG | COBK、COEP |
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