収益性分析(原価ベースを前提)の値項目に標準原価をセットする(つまり、売上原価をセットする)方法を解説する。
カスタマイズ
トランザクションコード
- KE4U – 定義/割当: 評価方針
- KE40 – 定義: 標準原価見積へのアクセス ※原価計算キーの定義
- KEPC – 割当: 原価計算キー -> 他の特性
- KE4R – 割当: 値項目
起動経路
- SPRO>管理会計>収益性分析>マスタ>評価>
- 評価方針>
- 定義/割当: 評価方針(Tr-Cd:KE4U)
- 品目原価見積もりを使用した評価の設定>
- 定義: 標準原価見積へのアクセス(Tr-Cd:KE40) ※原価計算キーの定義
- 割当: 原価計算キー -> 他の特性(Tr-Cd:KEPC)
- 割当: 値項目(Tr-Cd:KE4R)
- 評価方針>
標準原価の評価について
概要
評価の仕組みを簡単に説明する。
例えば、製品を1つ販売したとき、請求伝票からPA伝票が自動登録される。このとき、PA伝票の値項目に原価積上した標準原価をセットすることができる。
カスタマイズ概要
まずは、カスタマイズの全体像を押さえておこう。
まず、製品を1つではなく複数販売したときは、その数量分を掛ける必要があるので、どの数量で掛け算するのかを評価方針で指定する。
次に、どの標準原価を取ってくるか。評価ポイント(実積or計画)とレコードタイプをキーに原価計算キーが決まり、原価計算キーが決まると原価計算バリアントが決まる。この原価計算バリアントで積上されたデータが取得する標準原価になる。
カスタマイズ詳細
KE4U – 定義/割当: 評価方針
評価ポイントの定義。標準原価×数量の「数量」に該当する値項目を定義する。
設定は、評価ポイント、レコードタイプ、バージョンをキーに評価ポイントを指定する。そして評価ポイントごとに数量項目を指定する。
評価ポイントは以下から選択。
- 01:実積データのリアルタイム評価
- 02:実積データの定期再評価
- 03:マニュアル計画
- 04:自動計画
レコードタイプについては、管理会計-収益性分析について(備忘録)を参照。
KEPC – 割当: 原価計算キー -> 他の特性
どの標準原価を取得するかを制御している原価計算キーの割当。評価ポイント(実積or計画)とレコードタイプごとに原価計算キーを割当する。
原価計算キーの割当は、評価ポイント、レコードタイプだけでなくプラントや、品目タイプ、日付ごとに細かく指定することができる。
KE40 – 定義: 標準原価見積へのアクセス ※原価計算キーの定義
原価計算キーの定義。原価計算キーと原価計算バリアントの紐付きを設定する。
また、どの原価計算バージョンを利用するか、どの日付の見積結果を利用するか(転記日付と一致するものか、出庫日付と一致するものか、マーク済みか、リリース済みか、など)も原価計算キーで制御する。
なお、利用するCOバージョンについては、原価計算バリアントの設定を見ればわかる。(参考:【認定試験対策】管理会計(CO)6-2.原価計算バリアント)
KE4R – 割当: 値項目
取得した標準原価を値項目に割当する。厳密には原価構成レイアウトと値項目を紐付けする。
取得した標準原価は原価構成ごとに値項目へセットできる。つまり、まるっと「売上原価100円」ではなく「材料費60円(値項目:標準原価(材料費)に割当)、加工費40円(値項目:標準原価(加工費)に割当)」といったことが可能。
テーブル・積上データの照会、その他参考
原価積上のデータ照会については、以下を参照。
原価計算バリアントについては、以下を参照。
原価構成レイアウトについては、以下を参照。
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