管理会計-利益センタ会計について(備忘録)

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概要

利益(つまり収益と費用)を管理する領域。原価センタ会計と異なり収益勘定を管理するため、コスト面だけでなく売上面の管理をすることが概念にある。また、PL勘定だけでなくBS勘定も管理できる。

そのため、部門ごとの投資効率(かけた費用にかけてどれだけ利益を上げられているのか)を管理する目的に利用される。

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マスタ

マスタトランザクションテーブル備考
利益センタKE51、KE52、KE53CEPC組織マスタ。原価センタの上位概念にあたる。
利益センタグループKCH1、KCH2、KCH3SETNODE、
SETLEAF
利益センタをグルーピングしたもの。
SETNODEに階層構造を持ち、SETLEAFに階層に紐づくマスタが保持されている。
※詳細はこちら

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トランザクション(マスタ以外)

利益センタの決定(誘導)について

利益センタの決定方法(誘導、導出などという)は、主に以下のパターン。

  • 購買伝票を登録する場合
    品目マスタから導出。品目マスタに紐づく利益センタが誘導される。利益センタは品目×プラントの組み合わせで保持されるので、品目とプラントを指定すると利益センタが決まる仕組み。
    品目マスタ(MM03)>「販売:一般/プラント」タブ、もしくは「プラント Data/保管 2」タブ>項目「利益センタ」
  • 販売伝票を登録する場合
    品目マスタから導出。購買伝票を登録する場合と同じ。
  • 費用を登録する場合
    コストコレクタに紐づく利益センタから誘導する。例えば、間接費を登録する際、原価センタに紐づく利益センタが誘導される。WBSや製造指図なども同様。
  • Exit
    上記の他にExitにより利益センタを誘導する方法もある。

付替・配賦:3KE1、4KE1

共通部門に溜まっている金額データ(収益、費用)を、他の利益センタに配賦する。SAPでは二通りの配賦方法がある。
※詳しくは、以下を参照。

利益センタブレークダウン

利益センタブレークダウンの概要

基本的に会計伝票(以後「FI伝票」)を登録した際、利益センタ会計伝票(PCA伝票)はリアルタイムで登録される。このとき、PCA伝票の利益センタはFI伝票の利益センタと同じ値が登録される。

【例】備品の購入
<FI伝票>
備品        / 現金
(利益センタ:P001)   (利益センタ:P001)

これが債権債務勘定の場合、利益センタがFI伝票に登録されず、かつリアルタイムでPCA伝票が起きない。

【例】購買伝票からの起票
<FI伝票>
商品        / 買掛金
(利益センタ:P001)   (利益センタ:-)
 ↓
<PCA伝票> ※片側のみPCA領域に連携される
商品        / -
(利益センタ:P001) 

上記の場合、月末時に利益センタブレークダウン(以後「利益センタBD」)を実行することで、買掛金データがPCA領域に連携されることになる。

【例】利益センタBDの実行
<伝票なし> ※PCA伝票は起票されず、金額データのみがPCA領域に連携される
-         / 買掛金
(利益センタ:-)    (利益センタ:P001)

利益センタブレークダウンのポイント

ポイントは3点。

まず、利益センタBDで登録される金額データの利益センタは、FI伝票起票時の相手勘定の利益センタであること。上記の例でいうと、購買伝票起票時の商品の利益センタ「P001」が該当する。これが買掛金の利益センタとなる。

2点目は、利益センタBDではPCA伝票は登録されず、金額データのみがPCA領域に連携されること。つまり、GLPCAは更新されないが、GLPCTは更新される。GLPCTで対象のデータを確認する場合は、業務トランザクションコード(取引)=PRC4として検索するとヒットする。
※S/4化以降はGLPCAにもデータが入るようになっている。

3点目は、合計金額のみPCA領域に連携されること(利益センタごとの合計金額)。仮に、買掛金1,000円のFI伝票が2件あった場合、合計金額の2,000円が利益センタ領域に連携される。そのため、利益センタに連携されたデータからFI伝票や購買伝票に遡ることはできない。

トランザクションコード(プログラムID)

利益センタBDは、2ステップで実行される。

1ステップ目は、貸借対照表調整の計算(PG:SAPF180A、Tr-Cd:F.5Dでも可能)。FI伝票から買掛金、売掛金データを抽出する。抽出したデータは、DB:BFOK_A(FI 後続 BA/PC 調整:仕入先明細)、BFOD_A(FI 後続 BA/PC 調整:得意先明細)に登録される。このテーブルは、利益センタ会計へ連携する前の中間テーブルのような存在になっている。

2ステップ目は、買掛金/売掛金の転送呼出(PG:RCOPCA49、Tr-Cd:1KEKでも可能そう)。抽出した買掛金、売掛金データを利益センタ会計へ連携する処理。内部的には、先程の中間テーブルから利益センタ会計のテーブル(GLPCT)にデータが流れる。
【SPRO>管理会計>利益センタ会計>実績転記>選択済貸借対照表明細の転送>買掛金/売掛金の期首残高生成】

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テーブル

テーブルID内容説明備考
CEPC利益センタマスタデータテーブル
GLPCA実績PCA伝票明細実績PCA伝票明細。FIのBKPFのように伝票ヘッダテーブルはない。
GLPCP計画PCA伝票明細実績PCA伝票明細。実績と同じく伝票ヘッダテーブルはない。
GLPCT集計テーブル伝票の集計値テーブル。計画も実績も両方のデータを保持する。計画/実績データの切り分けは、レコードタイプやバージョンで判別する。

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その他カスタマイズ

カスタマイズTr-Cd設定内容など
番号範囲GB02【SPRO>管理会計>利益センタ会計>実績転記>基本設定: 実績>定義: 国内伝票の番号範囲】
伝票登録の採番状況を管理。伝票登録時にエラーになる場合、だいたいここで引っかかっている。
伝票レイアウト(書式)【SPRO>…】

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Q&A

PCA伝票登録時に自動登録される他の伝票を確認したい

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