【認定試験対策】管理会計(CO)5-2.利益センタ、利益センタグループ、標準階層

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概要

利益センタ会計における主要なマスタ「利益センタ」について解説する。

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カスタマイズ、トランザクションコード

  • KE51 – 利益センタ登録
  • KE52 – 利益センタ変更
  • KE53 – 利益センタ照会
  • KE54 – 利益センタ削除
  • KE55 – 一括更新: 利益センタ
  • KE56 – 会社コード割当
  • KE59 – ダミー利益センタ登録
  • KE5X – 利益センタ: マスタインデックス
  • KCH5N – 標準階層変更
  • KCH6N – 標準階層照会
  • KCH1 – 利益センタグループ登録
  • KCH2 – 利益センタグループ変更
  • KCH3 – 利益センタグループ照会

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利益センタマスタ

マスタのイメージ

利益センタは、その名の通り利益(収益と費用)を管理する組織。原価センタは費用のみの管理であったが、利益センタは収益も管理する。

利益センタは、利益責任を負う単位で作成することが一般的。事業所(店舗、営業所)や、製品部門、機能(管理、営業など)ごとに作成する。また、これらを組み合わせたマトリクスで組織を作ることも可能。

押さえておくシステム的なポイントは、次の通り。

  • 利益センタは管理領域レベルで設定する。
  • (利益センタ登録時)利益センタに割当する会社コードについて、管理領域内のすべての会社コードが初期値で割当される。
  • ロックフラグをONにすると、利益センタに対して伝票転記できなくなる(エラーになる)。不要になった利益センタに使用する。

設定項目

利益センタマスタの主な設定項目は、以下のとおり。

項目名備考
<一般データ>
利益センタ利益センタのコード値
管理領域
有効開始日利益センタマスタの有効な期間を指定
有効終了日利益センタマスタの有効な期間を指定
<基本データ>
利益センタグループ利益センタの標準階層のこと
※厳密には標準階層内の利益センタグループを指定
セグメント
<フラグ>
ダミー利益センタダミー利益センタを識別するフラグ(後述
ロックフラグONにすると、利益センタに対して伝票転記できなくなる
<会社コード>
会社利益センタに割当する会社コードを指定する。(複数選択)

マスタの誘導

誘導とは、伝票入力時などにマスタ情報を自動入力する仕組みである。たとえば、FI伝票入力時、原価センタを入力すると原価センタが属している利益センタを自動入力する、ということができる。

原価センタは、事業領域や利益センタを誘導できるようになっている。さらに、利益センタはセグメントが誘導できる。原価センタから直接誘導されているわけではないため、注意。

時間依存性について

時間依存とは、履歴管理されているということ。利益センタは、マスタが履歴管理されており「時間依存性がある」という言い方をする。

例えば、組織改編により、利益センタに割当するセグメントを変更する際に利用する。2001年3月まではセグメント「食品事業部」、4月以降はセグメント「衣料品事業部」を割当する、など。

※時間依存性のイメージは、原価センタを参照。

ダミー利益センタ

勘定割当対象の勘定に伝票転記する際、利益センタが割当されていなければ、ダミー利益センタが伝票に割当される。これは利益センタ会計の伝票は、利益センタ×勘定で管理されており、利益センタが未入力ではPCA伝票を転記できないため、ダミー利益センタで伝票登録される、というものである。

普通の利益センタとの違いは、以下のとおり。

  • 有効期間を指定しない。ダミー利益センタには、最大限の有効期間が自動的に割当される。
  • 既存の利益センタからダミー利益センタをコピーすることはできない。
  • 利益センタマスタの「制御」タブの「ダミー利益センタ」が自動でONに設定される。

ダミー利益センタのカスタマイズは以下。

  • SPRO>総勘定元帳>マスタデータ>利益センタ>登録: ダミー利益センタ(Tr-Cd:KE59)
  • SPRO>管理会計>利益センタ会計>マスタ>利益センタ>登録: ダミー利益センタ(Tr-Cd:KE59)

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利益センタグループ、利益センタの標準階層

利益センタグループ

その名の通り、利益センタをグルーピングしたもの。ただ、単にグルーピングだけでなく、利益センタグループの中に利益センタグループを持てる。つまり、階層構造を持っている

※図は原価センタだが、構造は利益センタと同じ。

なお、利益センタグループのテーブルは少し特殊で、詳細は原価センタグループ、利益センタグループ、原価要素グループのテーブルを教えて下さいを参照。

利益センタの標準階層

必須で設定しなければならない利益センタグループが、標準階層である。最上位階層の利益センタグルーピングと捉えておけばいい。なお、標準階層は管理領域に対して1つしか設定できない。

標準階層は、次の特徴を持つ。

  • 管理領域内のすべての利益センタが割当されている
  • 利益センタマスタの登録より前に、作っておく必要がある
    ※利益センタマスタ登録時に、標準階層を指定しなければならないため

原価センタの標準階層と考え方は同じだが、全くの別物であるので注意。

追加の利益センタグループ

標準階層以外に利益センタグループを利用する場合は、必要に応じて作る。こちらも、もちろん階層構造を持てる。

主に、レポーティングで複数の利益センタの合計値を見る、配賦元・配賦先を一括指定する、といった用途で使われる。

利益センタグループのバックアップ

利益センタグループには時間依存性がない。そのため、組織改編などでグループを変更する際、履歴管理できない。その代わり、接尾語という方法が用意されている。接尾語は、既存の利益センタグループに 「.」+Max4文字 を付与して階層ごとコピーする手法である。これによりグループのバックアップ機能としている。

※図は原価センタだが、構造は利益センタと同じ。

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カスタマイズ操作方法

利益センタマスタの起動経路記載に留める。

【起動経路】

  • SAPメニュー>会計管理>管理会計>利益センタ会計>マスタデータ>利益センタ>個別処理>登録(Tr-Cd:KE51)
  • SAPメニュー>会計管理>管理会計>利益センタ会計>情報管理>特殊機能>利益センタ: マスタインデックス(Tr-Cd:KE5X)
    ※利益センタの一覧を表示できる機能

利益センタマスタは登録後、「有効化」する必要があるので注意すること。有効化は利益センタのマスタ画面で有効化ボタンを押せばよい。

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テーブル

テーブルID内容説明備考
CEPC利益センタマスタ
CEPCT利益センタテキスト
CEPC_BUKRS利益センタの会社コードへの割当
SETHEADERセットヘッダとディレクトリグループの基本情報ほ保持、SETHEADERTにグループのテキスト情報を保持。
SETNODEセットの下位レベルセットグループの中にグループがある場合は、SETNODEで子グループの情報を保持
SETLEAFセット値末端のマスタを保持

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