【認定試験対策】管理会計(CO)1-2.原価センタ、原価センタグループ、標準階層

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概要

正直、以下の記事を読めば、ほぼほぼ理解できる。

本記事では、原価センタの基本的な内容に加え、上記サイトに載っていない点、試験を受けるうえで重要な点について解説する。

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カスタマイズ、トランザクションコード

  • KS01 – 原価センタ登録
  • KS02 – 原価センタ変更
  • KS03 – 原価センタ照会
  • KS04 – 原価センタ削除
  • KS01N – 原価センタ登録(一括)
  • KS12N – 原価センタ変更(一括)
  • KS13 – 原価センタ照会(一括)
  • KS14 – 原価センタ削除(一括)
  • OKEON – 標準階層変更
  • OKENN – 標準階層照会
  • KSH1 – 原価センタグループ登録
  • KSH2 – 原価センタグループ変更
  • KSH3 – 原価センタグループ照会

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原価センタマスタ

マスタのイメージ

費用を溜める箱。費用を溜める単位(管理部門、販売部門、各工場など)で作成する。

設定項目

原価センタマスタの主な設定項目は、以下のとおり。

項目名備考
一般データ
原価センタ原価センタのコード値
管理領域
有効開始日原価センタマスタの有効な期間を指定
有効終了日原価センタマスタの有効な期間を指定
基本データ
原価センタカテゴリ原価センタを分類するもの。例えば、総務部、営業部、など。
階層エリア原価センタの標準階層のこと
※厳密には標準階層内の原価センタグループを指定
事業領域
機能領域
利益センタ原価センタが属する利益センタを指定する。
伝票登録時、利益センタに紐付くセグメントが誘導される。
制御
転記ロック区分
※「実績一次原価」など
実績一次原価、計画一次原価などの原価要素ごとに登録可否を制御している。区分をONにすると、該当する原価要素に対して伝票登録が不可になる。

原価センタカテゴリ

原価センタカテゴリは、その名の通り原価センタを分類するもの。例えば、総務部、営業部、など。次のポイントを押さえておこう。

  • SAP標準で用意されている原価センタカテゴリに加えて、ユーザで追加が可能
  • 原価センタカテゴリごとに、伝票登録できる活動タイプを制御できる
    • 例えば、製造の原価センタに対して、活動タイプ「組み立て作業」の実績を入力できるが、総務部の原価センタには入力できない、といった制御が可能。※活動タイプについては、1-4.活動タイプ、活動タイプグループを参照。
  • 転記ロック区分の初期値を指定
    • 転記ロック区分は、この原価センタに対して、実績一次原価は転記可能だが、計画一次原価は転記不可、といった制御が可能。原価センタカテゴリごとに区分を設定すると、原価センタマスタ登録時に初期値としてセットされる。

マスタの誘導

誘導とは、伝票入力時などにマスタ情報を自動入力する仕組みである。たとえば、FI伝票入力時、原価センタを入力すると原価センタが属している利益センタを自動入力する、ということができる。

原価センタは、事業領域や利益センタを誘導できるようになっている。さらに、利益センタはセグメントが誘導できる。原価センタから直接誘導されているわけではないため、注意。

時間依存性について

時間依存とは、履歴管理されているということ。原価センタは、マスタが履歴管理されており「時間依存性がある」という言い方をする。

例えば、組織改編により、原価センタに割当する利益センタを変更する際に利用する。以下の例では、2001年3月までは利益センタ「第一営業部」、4月以降は利益センタ「第二営業部」を割当する場合をイメージしている。

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原価センタグループ、原価センタの標準階層

原価センタグループ

その名の通り、原価センタをグルーピングしたもの。ただ、単にグルーピングだけでなく、原価センタグループの中に原価センタグループを持てる。つまり、階層構造を持っている

なお、原価センタグループのテーブルは少し特殊で、詳細は原価センタグループ、利益センタグループ、原価要素グループのテーブルを教えて下さいを参照。

原価センタの標準階層

必須で設定しなければならない原価センタグループが、標準階層である。最上位階層の原価センタグルーピングと捉えておけばいい。なお、標準階層は管理領域に対して1つしか設定できない。

標準階層は、次の特徴を持つ。

  • 管理領域内のすべての原価センタが割当されている
  • 原価センタマスタの登録より前に、作っておく必要がある
    ※原価センタマスタ登録時に、標準階層を指定しなければならないため

利益センタの標準階層と考え方は同じだが、全くの別物であるので注意。

追加の原価センタグループ

標準階層以外に原価センタグループを利用する場合は、必要に応じて作る。こちらも、もちろん階層構造を持てる。

主に、レポーティングで複数の原価センタの合計値を見る、配賦元・配賦先を一括指定する、といった用途で使われる。

原価センタグループのバックアップ

原価センタグループには時間依存性がない。そのため、組織改編などでグループを変更する際、履歴管理できない。その代わり、接尾語という方法が用意されている。接尾語は、既存の原価センタグループに 「.」+Max4文字 を付与して階層ごとコピーする手法である。これによりグループのバックアップ機能としている。

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カスタマイズ操作方法

原価センタカテゴリの設定

  1. SPRO>管理会計>原価センタ会計>マスタデータ>原価センタ>定義: 原価センタカテゴリ を起動する。
  2. 「新規エントリ」を押下し、以下のデータを入力して保存する。
原価センタカテゴリ1
名称製造
転記ロック区分すべてOFF

原価センタの標準階層の設定:OKEON

  1. SAPメニュー>会計管理>管理会計>原価センタ会計>マスタデータ>標準階層(Tr-Cd:OKEON)を起動する。
  2. 標準階層となる原価センタグループ「[COG01]名称任意」を設定し、保存する。
  3. 標準階層「COG01」を選択する。
  4. メニューバー>グループ登録(下位レベル) を選択する。
  5. 標準階層「COG01」に属する原価センタグループ「[COG11]製造部門」を設定し、保存する。

原価センタマスタの登録:KS01

  1. SAPメニュー>会計管理>管理会計>原価センタ会計>マスタデータ>原価センタ>個別処理>登録(Tr-Cd:KS01)を起動する。
  2. 管理領域「1000」を入力し、Enterを押下する。
  3. 原価センタ「CO01」、有効開始日「2000/01/01」~「9999/12/31」を入力し、Enterを押下する。
  4. 各項目を入力し、保存する。
    • 名称に「第一工場」を入力する。
    • 原価センタカテゴリ「[1]製造」を入力する。
    • 階層エリアに原価センタグループ「[COG11]製造部門」を入力する。

原価センタグループの登録、原価センタの割当:KSH1

  1. SAPメニュー>会計管理>管理会計>原価センタ会計>マスタデータ>原価センタグループ>登録(Tr-Cd:KSH1)を起動する。
  2. 原価センタグループ「ALG11」を入力し、Enterを押下する。
  3. 原価センタグループ名称に「製造共通費配賦」を入力し、Enterを押下する。
  4. 入力した「[ALG11]製造共通費配賦」を選択し、メニューバー>編集>原価センタ>原価センタ挿入 を選択する。
  5. 先ほど登録した原価センタ「[CO01]第一工場」を入力し、保存する。

原価センタの項目を履歴管理する(時間依存性):KS02

  1. SAPメニュー>会計管理>管理会計>原価センタ会計>マスタデータ>原価センタ>個別処理>変更(Tr-Cd:KS02)を起動する。
  2. 管理領域「1000」を入力し、Enterを押下する。
  3. 原価センタ「CO01」を入力し、Enterを押下する。
  4. メニューバー>編集>分析期間 を選択する。
    →「分析時間枠 選択」のポップアップが表示される。
  5. 「その他分析期間」を押下する。
  6. 有効開始日「2001/01/01」、有効終了日「9999/12/31」を入力し、Enterを押下する。
  7. 原価センタカテゴリを変更して、保存する。
  8. 原価センタ照会(Tr-Cd:KS03など)で該当原価センタを照会する。
    有効期間「2000/01/01」~「9999/12/31」で原価センタカテゴリ「[1]製造」、有効期間「2001/01/01」~「9999/12/31」で変更後の原価センタカテゴリになっていることを確認する。

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テーブル

テーブルID内容説明備考
CSKS原価センタマスタ
CSKT原価センタテキスト
SETHEADERセットヘッダとディレクトリグループの基本情報ほ保持、SETHEADERTにグループのテキスト情報を保持。
SETNODEセットの下位レベルセットグループの中にグループがある場合は、SETNODEで子グループの情報を保持
SETLEAFセット値末端のマスタを保持

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