【認定試験対策】管理会計(CO)6-2.原価計算バリアント

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概要

原価計算における最も重要なカスタマイズ「原価計算バリアント」について解説する。積上結果が想定と異なる場合は、必ず見る設定である。試験にも必ず出題される、かつ実務でもよく使うため、各設定内容はしっかり押さえておこう。

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カスタマイズ、トランザクションコード

  • OKKN – 定義: 原価計算バリアント
  • OKKI – 定義: 原価計算タイプ
  • OKK4 – 定義: 評価バリアント
  • OKK6 – 定義: 日付管理
  • OKK5 – 定義: 数量構成決定
  • OKKM – 定義: 転送方針
  • OKYC – 定義: 参照バリアント

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原価計算バリアント

原価計算バリアントは、原価計算に必要な情報をまとめたもの。加工員の賃率はどの情報を利用するか、部品の構成や価格はどの情報を利用するか、などを決めている

原価計算における一番大元の設定であり、標準原価計算用、実際原価計算用、といった用途に応じて作成することが一般的。

<制御>タブ
原価計算タイプ積上結果を反映させる項目を制御
評価バリアント原価計算に使う金額を制御
日付管理マスタ情報をどの日付で取得するか(初期値)を制御
数量構成決定原価計算に使うBOM、作業手順を制御
転送管理既に計算した品目の積上結果を利用するかの設定
参照バリアント既に計算した品目の数量構成を利用するかの設定
<割当>タブ
原価構成レイアウト積上した原価の内訳を表示するレイアウト
※参照:6-3.原価構成、原価構成レイアウト
原価計算バージョン
管理領域通貨での
原価構成分割
会社間積上

以降、原価計算バリアントについて説明していくが、文字だけだと理解しにくいので、原価計算の全体像と結びつけながら腹落ちさせてほしい。

6-2.原価計算バリアント

原価計算タイプ

算出した原価が、品目マスタのどの項目に反映されるかを制御する。というのも、原価計算で算出した原価が反映される箇所は、固定ではない。標準原価、税法評価額、など、品目マスタ上に品目の金額をセットする項目がいくつか用意されている。原価計算タイプによって、どの項目に反映するかを制御している。

評価バリアント

評価バリアントは、部品の価格をどこから取ってくるのか、加工員の賃率(活動価格)をどこから取ってくるのか、を制御している。

設定画面上部の「評価バリアント/プラント」ボタンを押下すると、プラント別の設定ができる。

部品の価格

構成部品の価格は、購買情報マスタ、標準原価、予定原価など、同じ部品でも金額の候補がいくつもある。どの金額で積上するのかを評価バリアントで指定する。

原価積上の挙動

設定画面は、上図のような構成になっている。原価積上の挙動としては、まず優先順位1にあるデータを取得する。データがあればその金額を採用し、なければ優先順位2のデータを取得する。以降は同じ処理の繰り返し。最後の優先順位でも金額データが取得できない場合は、金額が取得できない旨のエラーが発生する。

購買情報マスタの取得

購買情報マスタから金額データを取得する場合は、方針順序に「購買履歴からの価格」を選択する。すると、画面下部に「購買情報評価による補助方針順序」が表示されるので、購買発注価格や見積価格など細かい設定を行う。

なお、購買発注価格は、実際に購買発注(Tr-Cd:ME21N)された金額データを採用する。見積価格は、購買情報マスタ(Tr-Cd:ME11)で登録された条件価格を採用する。

加工員の賃率(活動価格)

加工員の賃率は、原価センタ×活動タイプ単位で登録される。これを活動価格という。例えば、ラインA(原価センタ)で塗装(活動タイプ)をすると、時給2,000円など。このとき、この時給を今年の計画値とするのか、昨年の実績とするのか、などどの活動価格を利用するのかを指定する。
※参考:1-4.活動タイプ、活動タイプグループ

また、使用するCOバージョンもこの画面にて指定する。計画値はCOバージョンが複数あるため、どのCOバージョンを使用するかを制御している。

間接費の算出方法(原価計算表)

間接費を自動計算する場合は、「間接費」タブに原価計算表を設定する。原価計算表は間接費を算出するためのカスタマイズである。詳細については、6-4.原価計算表を参照。

日付管理

日付管理は、原価計算における日付を管理している。具体的には次の4項目に対して、原価積上時にマニュアル入力可能か、日付の初期値を管理している。

原価計算開始日積上した原価を使用開始する日付。
積上結果をリリースするには、現在日以降の日付を指定しなければならない
原価計算終了日差異計算を可能な日付。
基本「9999/12/31」固定。
数量構成日付BOM、作業手順を取得する日付。
評価日購買情報マスタ、活動価格を取得する日付。

数量構成決定 ※「数量構成あり」のみ

数量構成決定は、原価計算にどのBOMを使うか、どの作業手順を使うかを制御する。

BOMは生産管理(PP)モジュールで管理されるマスタであるが、製造BOM、販売BOMなど、BOMにも種類がある。どのBOMを原価計算に使うかを数量構成決定で制御している。

同様に作業手順も種類があり、原価計算で使う作業手順を制御している。

転送管理

転送管理は、すでに原価計算済みである品目の積上金額を、原価計算時に使用するかを制御する。プラント間転送で利用される。

例えば、A工場(Aプラント)で原価積上したデータがある時、同じ品目をB工場(Bプラント)では積上せずにA工場で積上した結果を利用する、ということ。

参照バリアント

参照バリアントは、すでに原価積上実施済みである品目の数量構成を参照するか、を制御する。同じ数量構成をしている品目の積上結果を利用する。同一品目の改定標準原価見積をする場合に利用する。

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カスタマイズ操作方法

原価計算バリアントの登録、および原価計算に必要なカスタマイズを登録・割当する。

前提条件・要件

標準原価計算用の原価計算バリアントを作成する。

  • 原価計算タイプ:積上した結果は、品目マスタの「標準原価」を項目を更新する。
  • 評価バリアント:材料費は購買情報があれば購買情報、なければ標準原価を採用する。加工費は当期の計画値を採用する。
  • 数量構成決定:原価計算用のBOM、作業手順が登録済みとする。
  • 転送管理は考慮しない。(ニーズがあれば、作成する)

メインどころの設定は、原価計算バリアントから設定できるので、今回は原価計算バリアントからすべてのカスタマイズを設定する。

なお、各カスタマイズの起動経路は以下の通り。

  • SPRO>管理会計>製品原価管理>製品原価計画>品目原価見積 (数量構成あり)>
    • 定義: 原価計算バリアント(Tr-Cd:OKKN)
    • 原価計算バリアント: コンポーネント>
      • 定義: 原価計算タイプ(Tr-Cd:OKKI)
      • 定義: 評価バリアント(Tr-Cd:OKK4)
      • 定義: 日付管理(Tr-Cd:OKK6)
      • 定義: 数量構成決定(Tr-Cd:OKK5)
      • 定義: 転送方針(Tr-Cd:OKKM)
      • 定義: 参照バリアント(Tr-Cd:OKYC)

原価計算バリアントの登録:OKKN

  1. SPRO>管理会計>製品原価管理>製品原価計画>品目原価見積 (数量構成あり)>定義: 原価計算バリアント(Tr-Cd:OKKN)を起動する。
  2. 「新規エントリ」ボタンを押下し、「[Z000]標準原価」を作成して保存する。

原価計算タイプの登録、割当:OKKI

  1. ※引き続き、定義: 原価計算バリアント(Tr-Cd:OKKN)にて設定する。
  2. 「制御」タブを選択する。
  3. 「原価計算タイプ」の横にある「登録」ボタンを押下する。
  4. 原価計算タイプ「[01]標準原価見積」を入力する。
  5. 価格更新「標準原価」、評価ビュー「制度会計評価」を選択して、保存する。

評価バリアントの登録、割当:OKK4

  1. ※引き続き、定義: 原価計算バリアント(Tr-Cd:OKKN)にて設定する。
  2. 「制御」タブを選択する。
  3. 「評価バリアント」の横にある「登録」ボタンを押下する。
  4. 評価バリアント「[Z00]標準原価評価」を入力する。
  5. 優先順位:1に、方針順序:「購買履歴からの価格」を指定する。
    →「購買情報評価による補助方針順序」が表示される。
     「購買情報評価による補助方針順序」の優先順位:1に、方針順序:「総見積価格」を指定する。
  6. 優先順位:2に、方針順序:「標準原価」を指定する。
  7. 「活動タイプ/プロセス」タブを選択する。
  8. 優先順位:1に、方針順序:「期間の計画活動価格」を指定して、保存する。

日付管理の登録、割当:OKK6

  1. ※引き続き、定義: 原価計算バリアント(Tr-Cd:OKKN)にて設定する。
  2. 「日付管理」の横にある「登録」ボタンを押下する。
  3. 日付管理「[Z000]標準原価見積日付」を入力する。
  4. 以下の初期値を入力して、保存する。
日付Manual入力初期値
原価計算開始日ON月の開始日
原価計算終了日ON最大値
数量構成日付ON原価計算開始日
評価日ON原価計算開始日

数量構成決定の登録、割当:OKK5

  1. ※引き続き、定義: 原価計算バリアント(Tr-Cd:OKKN)にて設定する。
  2. 「数量構成決定」の横にある「登録」ボタンを押下する。
  3. 数量構成決定「[Z000]標準原価数量構成」を入力する。
  4. 「BOM」タブを選択する。
  5. BOMアプリケーションに、原価計算用のBOM(作成済みの前提)を選択する。
  6. 「作業手順」タブを選択する。
  7. 作業手順の選択に、原価計算用の作業手順(作成済みの前提)を選択する。
  8. 保存する。

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テーブル

テーブルID内容説明備考
TCK01原価計算タイプ
TCK03原価計算バリアント
TCK05原価計算における評価バリアント
TCK16日付管理
TCK19数量構成決定 (個別プラント)
TCK19A数量構成決定 (プラント間)
TCK24カスタマイジングからの管理テーブル転送「転送管理」の設定内容を保持
TCK31参照原価見積「参照バリアント」の設定内容を保持
TCK32原価計算バージョン

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