【認定試験対策】財務会計(FI)3-6.会計伝票の照会

概要

会計伝票の照会方法について解説する。また、DBの見方についても解説する。今回に限らずだが、画面上の動きとデータベースの動き両方を押さえることで理解が深まるため、画面とDBを合わせて確認し、しっかり腹落ちさせてほしい。

カスタマイズ、トランザクションコード

• FB03 – 伝票照会
• FBL3N – 総勘定明細照会
• FBL1N – 仕入先明細照会
• FBL5N – 得意先明細照会
• SE16 – データブラウザ

会計伝票のテーブル

以前に軽く触れているが、会計伝票は伝票ヘッダと伝票明細でそれぞれテーブルが用意されている。DBを見るうえで重要な点や、注意すべき点を解説する。

会計伝票ヘッダ：BKPF

会計伝票のヘッダ情報が格納されているテーブル。テーブルは、会社コード、伝票番号、会計年度がキーになっている。

項目ID	名称	備考
会社コード	会社コード	テーブルのキー項目。
BELNR	伝票番号	テーブルのキー項目。
GJAHR	会計年度	テーブルのキー項目。
BLART	伝票タイプ
BUDAT	転記日付
CPUDT	入力日付	伝票を登録したシステム日付。
USNAM	ユーザ名	伝票を登録したユーザ。
・・・	・・・	・・・

会計伝票明細：BSEG

会計伝票の明細情報が格納されているテーブル。テーブルは、会社コード、伝票番号、会計年度、明細番号がキーになっている。

項目ID	名称	備考
BUKRS	会社コード	テーブルのキー項目。
BELNR	伝票番号	テーブルのキー項目。
GJAHR	会計年度	テーブルのキー項目。
BUZEI	明細番号	テーブルのキー項目。
BSCHL	転記キー
SHKZG	借方/貸方	借方か貸方か。S：借方、H：貸方。
DMBTR	国内通貨額	会社コード通貨に換算した金額。 金額は絶対値でもっているため、計算に注意。 （H：貸方に対しては、マイナスをかけること） また、通貨がJPYの場合、1/100でデータを保持しているため、 ×100に読み替えること。
WRBTR	金額	取引金額。USD建ての取引であれば、USDの金額が入る。
SKNAR	G/L 勘定	取引先コード。 仕入先コード、もしくは得意先コードと理解すればよい。 次の項目「G/L（HKONT）」とは異なるので、注意すること。
HKONT	G/L	G/L勘定コード。 ※参考：ITビジネスライフ診断書┃ 【SAP FI知識】SAKNRとHKONTのちがいは？ BSEG上の二つの勘定コード項目
・・・	・・・	・・・

S/4以降の会計伝票テーブル：ACDOCA（ユニバーサルジャーナル）

S/4以降では、会計伝票の格納テーブルがACDOCAになっている。簡単に説明するとBKPFとBSEGが合体したようなテーブルである。そのため、明細の伝票タイプを知りたいとき、BKPFとBSEGを結合させなくてもよくなった。

カスタマイズ操作方法

今回は、前回財務会計(FI)3-5.会計伝票の登録で登録した伝票を確認する。確認は、以下の5パターン行う。それぞれ目的に応じた使い分けができるようになること。

• FB03 – 伝票照会：登録した伝票を1件ずつ確認する方法。
• FBL3N – 総勘定明細照会：G/L勘定を明細レベルで一覧照会する方法。
• FBL1N – 仕入先明細照会：仕入先勘定を明細レベルで一覧照会する方法。
• FBL5N – 得意先明細照会：得意先勘定を明細レベルで一覧照会する方法。
• SE16 – データブラウザ：伝票をデータベースから確認する方法。

伝票照会：FB03

登録した伝票を1件ずつ確認する方法である。

1. 会計管理＞財務会計＞総勘定元帳＞伝票＞照会 を選択する。
2. 伝票転記時に表示される伝票番号、会社コードを入力し、Enterを押下する。
3. 転記済みの伝票が表示されることを確認する。

総勘定明細照会：FBL3N

G/L勘定を明細レベルで一覧照会する方法である。

1. 会計管理＞財務会計＞総勘定元帳＞勘定コード＞明細照会/変更 を選択する。
2. 確認したいG/L勘定コード、会社コードを入力して実行する。
3. 明細をダブルクリックし、該当の伝票明細を確認する。
4. 「概要」ボタンをクリックすると、伝票の明細がすべて確認できる。

仕入先明細照会：FBL1N

仕入先勘定を明細レベルで一覧照会する方法である。仕入先ごとの未消込明細を確認するために利用する。

1. 会計管理＞財務会計＞債務管理＞勘定コード＞明細照会/変更 を選択する。
2. 仕入先コード、会社コードを入力して実行する。
3. 先ほど登録した伝票が表示されていることを確認する。

得意先明細照会：FBL5N

得意先勘定を明細レベルで一覧照会する方法である。得意先ごとの未消込明細を確認するために利用する。

1. 会計管理＞財務会計＞債権管理＞勘定コード＞明細照会/変更 を選択する。
2. 得意先コード、会社コードを入力して実行する。
3. 先ほど登録した伝票が表示されていることを確認する。

データブラウザ：SE16

まずは、伝票ヘッダの情報を確認する。

1. データブラウザ（Tr-Cd：SE16）を起動する。
2. テーブルに「BKPF」を入力し、Enterを押下する。
3. BELNR（伝票番号）に登録した伝票番号を入力し、実行する。
4. 対象の伝票が表示される。

次に、伝票明細の情報を確認する。

1. データブラウザ（Tr-Cd：SE16）を起動する。
2. テーブルに「BSEG」を入力し、Enterを押下する。
3. BELNR（伝票番号）に登録した伝票番号を入力し、実行する。
4. 対象の伝票が表示される。

テーブル

テーブルID	内容説明	備考
BKPF	会計伝票ヘッダ	会計伝票のメインテーブル。ヘッダ情報を保持。 S/4以降は、ACDOCAテーブルに統合されている。
BSEG	会計伝票明細	会計伝票のメインテーブル。明細情報を保持。 S/4以降は、ACDOCAテーブルに統合されている。
ACDOCA	ユニバーサルジャーナル	従来のヘッダと明細(BKPFとBSEG)が合体した形のテーブル。 明細単位でレコードを保持する。
BSET	税データ
BSAD	得意先別決済明細データ
BSAK	仕入先別決済明細データ

演習問題

※複数回答の設問あり。
※答えはドラッグすると見れる。

正解：色々な方法があるため、一例としてDBから検索する方法を紹介する。

1. データブラウザ（Tr-Cd：SE16）から伝票ヘッダテーブル（BKPF）を開く。
2. ユーザ名（USNAM）に対象のユーザを入力して、実行する。

正解：D