転職する際、知人からの紹介でなければ、必ずといっていいほど面接がある。
私は、面接をする立場なので、これまで何人も面接してきた。
その中には、「面接するのに、これ考えてこなかったのかな?」というレベルの中途半端な受け答えをする人もいる。面接はその受け答えが内定に直結するので、想定される質問には準備しておくべきだろう。
今回は、そんな面接で聞かれるポイントを紹介する。
はじめに
本記事では、面接で聞かれる質問とあわせて、なぜその質問をするのか、質問の背景も解説する。
この記事を見れば、これから面接を受ける人は、どんな質問が来るのか事前に準備しておくことができる。また、事前に回答を用意しておき、面接に受かりやすくなるという短絡的なことだけではない。質問の観点から、自身を振り返る材料にしていただきたい。
すでに準備をしてきたという人も、今一度この質問に明確に回答できるか、できない場合は改めて考えてみてほしい。転職活動の役に立つはずだ。
なお、ここで紹介した質問が面接時に聞かれなくて文句を言いたくなったら、私のところへ面接に来てほしい。私は聞くので。w
転職理由、転職の経緯
まず、絶対に聞かれるのは、転職理由について。面接官の立場になるとわかるが、なぜ転職したいのかが気になるだろう。そういった普通に考えれば聞かれることは、事前に整理しておくこと。
転職の内容というよりも、転職に至るストーリーに納得できるかを聞いている。答えは一つではない、その人なりの考えを知りたいのだ。
たとえば、”プログラミングをやりたくなったが現職では扱っていない事業であるため、転職を決意した。”など。フワッとした理由で転職している場合、面接官はたとえ入社しても、何かの拍子にすぐ転職されると思ってしまう。たとえば、「人間関係が悪くなったから転職したい」と言われると、何か問題を起こしたときにすぐ辞めてしまうのではと感じてしまう。
また、追加で「前職では、できなかったことなのか」など質問が飛んでくるこもと考えられるので、そのあたりまでケアできているとなお良い。
5年後、10年後のビジョンについて
これも先程の質問と似ているが、先々のキャリアを考えているかを聞いている。たとえば、”10年後までに起業したいと考えている。スタートアップ企業である御社で成長する企業を体験し、自身が起業する際に役立てたい。”など。このように、先々の自身のキャリアを考え、そこから今の行動、転職、会社選びにつながっているか、が問われている。
加えて、「なぜうちの会社を選んだのか」といった質問も自分のキャリアを通して、今の選択肢となっていることを回答できるといいだろう。
今までの実務経験やスキルセット(特に同業種であったり、社会人歴が長い人)
同業種で転職する場合、前職でどれほどの成果を上げていたのか気になる。なぜなら同業種の場合、前職で実績を上げていれば、転職後も実績を上げる可能性が高くなるからである。これは入社した場合の期待値を測る質問である。
特に転職前の年収以上の年収で契約したい場合は、しっかりとアピールすべきである。過度に誇張する必要はないが、高い実績があれば、転職後も高い実績を上げる可能性が高くなる。つまり、その分年収を上げても釣り合いが取れると見込みやすい。
社会人歴が長い場合も同様である。社会人歴に見合った経験を積んでいるか、実績が出せているかが問われる。若い頃は「将来頑張ってくれればいいよ」が成り立つが、歳を重ねるとその将来がない(短い)。即結果を出すことが期待されているのである。
加えて社会人歴が長ければ、たとえ異業種であったとしてもマネージメント経験の有無や、苦難の乗り越え方、など業種を問わない経験値を問われることになる。
なお、異業種での転職であれば、「あなたのバリューは何か」や「あなたのアピールポイントは何か」、「うちの会社に入った場合、どのような貢献ができるか」がある。これらの質問も、入社した場合、どれくらい活躍してくれそうか、を推し量る質問である。同業種でないために、質問の角度を変えている。
まとめ
質問に対して事前に準備することは、付け焼き刃の武装をすることではない。質問の準備をする過程で自身の振り返りができることに勝ちがある。「俺はその場のノリで乗り切るんじゃい」という人も、一度じっくり考えることで新たな気付きがあったり、今までの考えがより深まったりする。
転職活動は、自分の価値観を見つめ直す絶好の機会である。転職にリスクはあっても、転職活動自体にリスクはない。この記事が振り返りの一助になれば幸いである。
コメント