【認定試験対策】管理会計(CO)2-3.管理会計伝票-二次転記

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概要

一次転記を修正する方法、二次原価要素を使った二次転記について解説する。

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カスタマイズ、トランザクションコード

  • KB11N – 原価のマニュアル再転記 入力
  • KB13N – 原価のマニュアル再転記 照会
  • KB14N – 原価のマニュアル再転記 取消
  • KB41N – 収益のマニュアル再転記 入力
  • KB43N – 収益のマニュアル再転記 照会
  • KB44N – 収益のマニュアル再転記 取消
  • KB61 – 明細再転記 入力
  • KB63 – 明細再転記 照会
  • KB64 – 明細再転記 取消
  • KB21N – 活動配分 入力
  • KB23N – 活動配分 照会
  • KB24N – 活動配分 取消
  • KB65N – 活動配分再転記 入力
  • KB66N – 活動配分再転記 照会
  • KB67N – 活動配分再転記 取消
  • KSB1 – 原価センタの実績明細照会

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転記管理(二次転記)

二次転記とは、一次転記と異なりCO伝票単体を登録する方法である。用途としては、FIから登録されたCO伝票の修正(原価センタの変更、振替)などである。

本記事では、4種類の二次転記を紹介する。

  • 原価および収益のマニュアル再転記(KB11N、KB41N)
  • 明細再転記(KB61)
  • 活動配分(KB21N)
  • 活動配分再転記(KB65N)

本記事では、マニュアルの伝票登録、かつレシーバのCOオブジェクトも手入力する方法を紹介する。自動登録やレシーバを動的に決める方法については、別で紹介する。まずは、基本形を押さえよう。

原価および収益のマニュアル再転記

原価および収益のマニュアル再転記、シンプルにCO伝票を登録する方法である。原価センタAにある費用を原価センタBに振替する際などに利用する。

押さえるべきポイント(試験に出やすい)
  • FI伝票との紐付きなし
    • FI伝票に関係なく登録するCO伝票であるため、FI伝票との紐付きはなく、FI伝票にドリルダウンすることもできない。
  • センダの残高チェックをしないため、マイナス残高になる可能性あり
    • 原価センタA→原価センタBの振替で、原価センタAに費用が計上されていなくても、伝票転記が可能。
  • 登録対象の原価要素は、一次原価要素(収益勘定を含む)のみ

トランザクションコード、SAP実機操作について

トランザクションコード

  • KB11N – 原価のマニュアル再転記 入力
  • KB41N – 収益のマニュアル再転記 入力

入力画面の項目

項目補足
センダ原価センタ原価センタ以外のCOオブジェクトも可能。内部指図、WBS要素など。
ただし、センダとレシーバは同じオブジェクトになる。
レシーバ原価センタ
原価要素収益勘定を含む一次原価要素のみ入力可能。
金額

更新テーブル

  • ACDOCA(ユニバーサルジャーナル)、COBK、COEP(CO伝票ヘッダ、明細)を更新する。
  • BKPF、BSEG(FI伝票)も更新する。※S/4以降だけかもしれない
  • COSP(一次原価合計)は更新するが、COSS(二次原価合計)は更新しない。※一次原価の勘定のみ使うため。

明細再転記

明細再転記は、FI伝票を参照してCO伝票を登録する方法である。

押さえるべきポイント(試験に出やすい)
  • FI伝票との紐付きあり
    • FI伝票を参照して伝票登録するため、FI伝票との紐付きがあり、CO伝票からFI伝票にドリルダウン可能。
  • FI伝票の金額に対してCO伝票を登録するため、センダがマイナス残高にならない
  • 既存のFI伝票は変更しない

トランザクションコード、SAP実機操作について

トランザクションコード

  • KB61 – 明細再転記 入力

入力画面の項目

項目補足
伝票番号FI伝票の伝票番号。
原価センタFI伝票から自動入力。修正先の原価センタに上書き入力する。
金額
※自動入力
FI伝票から自動入力。
原価要素
※自動入力
FI伝票の伝票番号。

更新テーブル

  • 原価および収益のマニュアル再転記と同様。

直接活動配分

直接活動配分は、活動タイプの活動量に応じて原価を振替する方法である。例えば「原価センタAに計上された労務費を、活動タイプ「稼働時間」に応じて、原価センタBとCに按分する」というように使う。レシーバには原価センタだけでなく、指図など他のCOオブジェクトも指定可能。※センダは原価センタのみ。

押さえるべきポイント(試験に出やすい)

  • 金額はセンダ・レシーバ共にデータ登録される、数量はセンダのみデータ登録される
    • 上図の例では、原価センタAに-1,000円、原価センタB、Cに600円、400円をデータ登録する。また、原価センタAの「稼働時間」に10時間が計上される。
  • 直接活動配分に使える活動タイプは、活動タイプカテゴリ「[1]マニュアル入力、マニュアル配分」を使う
    • ただし、「[1]マニュアル入力、マニュアル配分」以外でもエラーになるような制御はかかっていない。
  • CO伝票の転記は原価要素タイプ「[43]内部活動配分」の二次原価要素を使う
    • 転記に使う原価要素は、活動タイプに割当された原価要素になる。この原価要素の原価要素タイプが「[43]内部活動配分」でなければならない。※活動タイプに原価要素タイプが「[43]内部活動配分」以外の原価要素を割当するとエラーになる。

※参考:1-3.原価要素、原価要素グループ
※参考:1-4.活動タイプ、活動タイプグループ

トランザクションコード、SAP実機操作について

トランザクションコード

  • KB21N – 活動配分 入力

入力画面の項目

項目補足
センダ原価センタ
活動タイプ
レシーバ原価センタ原価センタ以外のCOオブジェクトも可能。内部指図、WBS要素など。
合計数量活動数量(時間など)のこと。
金額
※自動入力
活動単価×活動数量で計算される。
※単価は、活動単価(Tr-Cd:KP26)の変動価格・固定価格の合計値
原価要素
※自動入力
活動タイプから誘導される。

更新テーブル

  • ACDOCA(ユニバーサルジャーナル)、COBK、COEP(CO伝票ヘッダ、明細)を更新する。
  • BKPF、BSEG(FI伝票)も更新する。※S/4以降だけかもしれない
  • COSS(二次原価合計)は更新するが、COSP(一次原価合計)は更新しない。※一次原価の勘定は使わないため。
  • 数量系のテーブル(COEPL、COSL)は更新するが、活動単価系のテーブル(COST)は更新しない。

直接活動配分の再転記

直接活動配分の再転記は、直接活動配分のやり直しである。登録済みの直接活動の取消、再登録がまとめて処理できる。

トランザクションコード、SAP実機操作について

トランザクションコード

  • KB65N – 活動配分再転記 入力

入力画面の項目

項目補足
伝票番号CO伝票の伝票番号。
センダ原価センタ
※自動入力
CO伝票から自動入力。
活動タイプ
※自動入力
CO伝票から自動入力。
レシーバ原価センタ修正後のレシーバ原価センタ。
原価センタ以外のCOオブジェクトも可能。内部指図、WBS要素など。
活動数量修正後の活動数量。
金額
※自動入力
活動単価×活動数量で計算される。
※単価は、活動単価(Tr-Cd:KP26)の変動価格・固定価格の合計値
原価要素
※自動入力
活動タイプから誘導される。

更新テーブル

  • 基本的には、直接活動配分と同様
  • COEPには取消分と再登録分の明細が入る。つまり明細的には取消→再登録になっている。
  • 数量系のテーブル(COEPL、COSL)は更新しない。再転記は、数量の更新がないため。

期間範囲3について

本記事作成にあたり、S/4環境を利用して実機検証を行っている。恐らく、S/4ではACDOCAの登場により必ず期間範囲3の会計期間(Tr-Cd:OB52)を参照するようになっている。R/3以前であればCO伝票転記時、BKPFの更新を行わず、かつ期間範囲3のオープンしていない期間でも転記可能だったと記憶している。※検証でき次第、更新。

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カスタマイズ操作方法

原価のマニュアル再転記

伝票登録、照会
  1. SAPメニュー>会計管理>管理会計>原価センタ会計>実績転記>原価のマニュアル再転記>入力(Tr-Cd:KB11N)を起動する。
  2. 各項目を入力し、保存(転記)する。
    →保存時の伝票番号をメモする。
  3. CO伝票照会(Tr-Cd:KSB1など)を起動する。
  4. 伝票番号を入力し、実行する。
  5. ボタン「FI/CO 伝票」を押下し、「管理会計伝票」をダブルクリックする。
  6. フォルダマークをクリックすると、伝票明細(仕訳情報)が表示される。
    原価のマニュアル再転記で入力した原価センタ、金額、原価要素となっていることを確認する。

テーブル確認
  1. Tr-Cd:SE16Nを起動する。
  2. テーブル「COEP(CO伝票明細)」を入力し、Enterを押下する。
  3. 伝票番号に登録したCO伝票番号を入力し、実行する。
    →KSB1で照会したCO伝票が登録されていることを確認する。

明細再転記

伝票登録、照会
  1. SAPメニュー>会計管理>管理会計>原価センタ会計>実績転記>明細再転記>入力(Tr-Cd:KB61)を起動する。
  2. 以降、原価のマニュアル再転記と同様。

次に、参照元のFI伝票へドリルダウンする手順を確認しておこう。

  1. CO伝票照会(Tr-Cd:KSB1、もしくはKB62)を起動する。
  2. 伝票番号を入力し、実行する。
  3. メニューバー>環境>元伝票 を選択する。
    →入力した明細再転記画面を照会できる。
  4. メニューバー>ジャンプ>旧伝票行 を選択する。
    →参照元のFI伝票に遷移する。元のFI伝票には変更が加えられていないことを確認する。

テーブル確認
  1. 原価のマニュアル再転記と同様。

直接活動配分

伝票登録、照会
  1. SAPメニュー>会計管理>管理会計>原価センタ会計>実績転記>活動配分>入力(Tr-Cd:KB21N)を起動する。
  2. 以降、原価のマニュアル再転記と同様。

テーブル確認(CO伝票)
  1. 原価のマニュアル再転記と同様。

テーブル確認(活動数量)
  1. Tr-Cd:SE16Nを起動する。
  2. テーブル「COEPL(活動タイプ実績明細)」を入力し、Enterを押下する。
  3. 伝票番号に登録したCO伝票番号を入力し、実行する。
    →KSB1で照会したCO伝票が登録されていることを確認する。
    センダのCOオブジェクトに活動数量が登録されていることを確認する。また、レシーバには活動数量が登録されていないことを確認する。

直接活動配分の再転記

伝票登録、照会
  1. SAPメニュー>会計管理>管理会計>原価センタ会計>実績転記>活動配分再転記>入力(Tr-Cd:KB65)を起動する。
  2. 以降、原価のマニュアル再転記と同様。

テーブル確認(CO伝票)
  1. 原価のマニュアル再転記と同様。

テーブル確認(活動数量)
  1. 確認方法は、直接活動配分と同様。
    該当するエントリがないこと(活動数量データは更新なし)を確認する。

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テーブル

テーブルID内容説明備考
ACDOCAユニバーサルジャーナル従来のヘッダと明細(BKPFとBSEG)が合体した形のテーブル。
明細単位でレコードを保持する。
BKPF会計伝票ヘッダ会計伝票のヘッダデータ。
S/4以降はACDOCAのテーブルに統合されている。
BSEG会計伝票明細会計伝票の明細データ。
S/4以降はACDOCAのテーブルに統合されている。
COBKCO 対象: 伝票ヘッダ
COEPCO 対象: 明細 (期間別)CO伝票の明細(実績
COSPCO 対象: 外部転記の原価合計一次原価要素に関するCO伝票の合計値
COSSCO 対象: 内部転記の原価合計二次原価要素に関するCO伝票の合計値
COEPLCO 対象: 活動タイプ用明細 (期間別)活動数量の明細(実績
COSLCO 対象: 活動タイプ合計活動数量の合計値
COSTCO 対象: 価格合計活動価格の合計値

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