概要
固定資産管理について、年度末に実施する処理を解説する。
カスタマイズ、トランザクションコード
- ASKB – 定期記帳
 - AJRW – 会計年度変更
 - FAGLGVTR – 残高繰越
 - AJAB – 固定資産管理の年度末処理
 - OAAQ – 会社コードの年度末処理削除
 
年度末処理
年度末に実行する処理は、大きく3つある。
定期記帳:ASKB
定期記帳は、資産価額を総勘定元帳に転記するためのプログラム。
ここで、10-1.固定資産-組織構造->総勘定元帳へのデータ連携(総勘定元帳との統合)の内容を思い出していただきたい。

まず、固定資産管理で扱う金額は、減価償却と資産価額の2種類であった。資産価額のG/Lへの連携タイミングについては、定期的な連携が選択できた。この定期的なG/Lへの連携(つまりFI伝票登録)を行うのが定期記帳である。年度末処理として、資産価額のG/L連携を行うために定期記帳を実施する。
なお、S/4では定期記帳が不要になっている。これは、資産価額のG/L連携方法が、リアルタイムor直接(ほぼリアルタイム)に限られたためである。
翌年度の会計年度をオープン:AJRW
※締める年度を「当年度」、その翌年を「翌年度」と記載する。
翌年度の会計年度をオープンする処理を、会計年度変更という。プログラムは、RAJAWE00(Tr-Cd:AJRW)。
なお、S/4では、会計年度変更はFIの残高繰越(Tr-Cd:FAGLGVTR)に統合されている。
参考:S/4 HANA- New Asset Accounting – Considering Key Aspects
当年度の会計年度をクローズ:AJAB
当年度をクローズする処理を、年度末処理という。償却費の記帳漏れがないかなどのチェック処理がかかる。
また、クローズした年度を再度オープンするには、専用のトランザクションを実行する。
年度末の処理まとめ
年度末の処理を時系列でまとめると、以下のようになる。
【例】会計期間:4/1~3/31の場合
| 実日付 | オープン期間 | 処理 | 
|---|---|---|
| 2000年度3月 | 2000年度4月~2000年度3月 | 2001年度をオープン | 
| 2001年度4月 | 2000年度4月~2000年度3月 2001年度4月~2001年度3月  | ①定期記帳 ②決算処理終了 ③2000年度をクローズ  | 
| 2001年度4月 | 2001年度4月~2001年度3月 | ・・・ | 
カスタマイズ操作方法
年度末に実施する処理については、特に解説ポイントがないため、トランザクションコードの記載に留める。
- 定期記帳:ASKB ※S/4では不要
- SAPメニュー>会計管理>財務会計>固定資産管理>定期処理>定期記帳
※定期記帳に必要なカスタマイズ:SPRO>財務会計>固定資産管理>総勘定元帳との統合>総勘定元帳への定期的な取得価額転記>指定: 資産価額定期記帳の伝票タイプ 
 - SAPメニュー>会計管理>財務会計>固定資産管理>定期処理>定期記帳
 - 翌年度の会計年度をオープン:AJRW、FAGLGVTR
- SAPメニュー>会計管理>財務会計>固定資産管理>定期処理>会計年度変更
※S/4では「繰越残高 – セントラル FI(Tr-Cd:FAGLGVTR)」となっている。 
 - SAPメニュー>会計管理>財務会計>固定資産管理>定期処理>会計年度変更
 - 当年度の会計年度をクローズ:AJAB
- SAPメニュー>会計管理>財務会計>固定資産管理>定期処理>年度末処理>実行
 
 - クローズした年度の確認、クローズした年度の再オープン:OAAQ
- SAPメニュー>会計管理>財務会計>固定資産管理>定期処理>年度末処理>元に戻す>会社コード全体
 
 
テーブル
| テーブルID | 内容説明 | 備考 | 
|---|---|---|
| – | – | – | 

  
  
  
  
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