【認定試験対策】財務会計(FI)8-2.督促処理-督促処理の設定

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概要

督促処理(督促プログラムともいう)は、得意先に対して督促状を出す機能である。

督促処理は説明すべき内容が多いため、数回に分けて説明する。2回目は、督促処理に関する設定について。

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カスタマイズ、トランザクションコード

  • FBMP – 督促処理更新
  • F150 – 督促処理
  • FD02 – 得意先マスタ変更

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督促処理

督促処理の設定(FBMP)

督促処理に関する設定は、トランザクションFBMPから行う。各設定のポイントは、以下のとおり。

督促処理督促処理のコード値を定義
支払期日から何日経過すると督促状を送るかを設定
督促レベル延滞日数に応じてレベル分けできる
レベルに応じて金利計算するか設定する
費用または手数料督促レベルに応じた督促手数料を設定する
最低額督促状を出す最低額を指定する
督促テキスト督促レベルごとに督促状の内容・文面を定義する
環境その他、細かな設定(督促領域など)
※メニューバーの「環境」から設定する

次に、各設定における詳細を説明する。

督促処理
督促処理督促処理の設定の単位。
得意先マスタに割当する。
督促間隔日数一度督促した得意先に対して再度督促するまでに空ける日数。
得意先ごとに最後に督促した日が保持され、その日から督促間隔日数経つと再度督促処理の対象となる。
督促レベル督促を何段階に分けて行うか、を設定する。
督促レベルは得意先ごとに管理され、督促の度に1上がる。
督促レベルは、最大9まで設定可能
最低延滞日数この日数を超えている明細がひとつでもあれば、得意先に督促する(※)
明細毎猶予日数この日数を超えている明細に対して督促処理を実施する(※)

※最低延滞日数と明細猶予日数について

紛らわしい2つの日数について説明する。

「最低延滞日数」は得意先に督促するか否かを制御している日付、「明細毎猶予日数」を伝票明細を督促対象とするか否かを制御している日付である。

前回説明したテスト得意先マスタの話か、伝票明細の話か、という違いである。

督促レベル

督促レベルは、レベルに応じた以下の設定を行う。

延滞日数督促レベルごとの延滞日数を設定。
初期値として、レベル1は明細猶予日数がセットされる。以降、督促間隔日数ごとにレベルが上がる。手入力での日数は変更できる。
金利計算金利計算をする場合に、フラグを立てる。
常に督促督促レベルがMAXに達した後も、督促状を出し続ける場合にフラグを立てる。
通常は、督促レベルが上がる際に督促状を印刷する。
全明細印刷フラグを立てると、督促処理対象の明細に加えて、得意先に対するすべての未消込明細が督促状に印刷される。
支払期日までの日数  督促状を出す際、新たに支払期日を再設定する場合に利用する。この日数が督促処理の発行日に加算され、支払期日が更新される。「入金されていません。○○までに入金してください。」といった催促をする場合に有効。

費用または手数料

督促レベルごとに督促手数料を設定する。

督促手数料は、固定金額or督促金額に対する割合(%)で指定する。督促手数料は督促金額ごとに変えることもできる。

最低額

督促レベルごとに督促状出力の最低金額を設定する。期日超過している明細があまりに少額のために、督促対象から除外する場合に利用する。

最低額の設定は2つあり、それぞれ役割が異なる。

  • 支払期日超過明細が、督促レベルに達する最低額または割合(%)
    • 督促状を出す/出さないを判別するための最低額。固定金額or督促金額に対する割合(%)で指定する。
  • 督促レベルごとの金利を計算する際に必要とされる最低額
    • 金利計算するための最低金額。督促レベルごとの最小利息額。

督促テキスト

督促状に印刷するテキストを設定する。

環境

督促処理(Tr-Cd:FBMP)のメニューバー>環境で設定する内容について。

会社コードデータ     督促状を得意先ごとではなく、督促領域ごとに作成する場合に利用する。
たとえば、同じ得意先に部門が複数あり、個別に督促する場合に利用する。
督促処理領域前述の通り、督促領域ごとに督促する場合に利用する。
督促領域には、販売組織や利益センタを指定する。会社コード単位で督促する場合、督促処理領域の設定は不要。
督促処理キー
(督促キー)
明細に督促キーを割り当てることによって、その明細が一定の督促レベルを超えないようにする。特定の得意先は最大のレベルまではいかないようにする、といった運用に利用する。
督促ブロック理由督促ブロック(督促保留)をかけるときの区分値を設定する。

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カスタマイズ操作方法

新しい督促処理を設定する:FBMP

SPRO>債権管理および債務管理>会計トランザクション>督促処理>督促処理>定義: 督促処理(FBMP)を選択する。

SAPメニュー>会計管理>財務会計>債権管理>定期処理>督促処理(F150)を起動し、メニューバー>環境>システム設定更新 から開くことも可能。

督促処理の登録

SAP標準の督促処理0001をコピーして作成する。

  1. 「新処理」ボタンをクリックする。
  2. 以下のデータを入力する。
督促処理1000
名称4レベル、週次
  1. メニューバー>督促処理>>コピー を選択する。
  2. 督促処理に「0001」を入力し、Enterを押下する。
    →督促処理1000のデータがセットされる。
  3. 一般データを要件にあわせて変更する。(以下の項目を変更する)
督促間隔日数7
最低延滞日数3
特殊仕訳の督促処理OFF
  1. 保存する。

督促レベルの設定
  1. 督促処理1000を選択し、「督促処理レベル」ボタンをクリックする。
  2. 以下のデータを変更する。
設定項目督促レベル1督促レベル2督促レベル3督促レベル4
延滞日数291623
常に督促ON
全明細印刷ONON
支払期日までの日数5

費用または手数料の設定
  1. 「手数料」ボタンをクリックする。
  2. 通貨に「JPY」を入力し、Enterを押下する。
  3. 以下のデータを入力する。
督促レベル督促金額より(開始督促金額)督促手数料
1500200
21,000500
32,0001,000

項目「督促金額より」は、督促手数料が発生する督促金額を指定する。上記の例では、督促レベル1の場合、督促金額が500円以上だと手数料200円が発生する。

最低額の設定
  1. 「最低額」ボタンをクリックする。
  2. 通貨に「JPY」を入力し、Enterを押下する。
  3. 以下のデータを入力する。
督促レベル最低額
1300
2500
31,000
42,000

督促テキストの設定・環境の設定
  1. メニューバー>環境>会社コードデータ を選択する。
  2. 「新規エントリ」ボタンをクリックし、督促レベルON、参照会社コードに「1000」を入力し、保存する。
  3. 前画面に戻り、「督促テキスト」ボタンをクリックする。
  4. ポップアップの会社コードに「1000」を入力し、Enterを押下する。
  5. 督促テキストが表示されることを確認する。

督促処理の割当:FD02

  1. SAPメニュー>会計管理>財務会計>債権管理>マスタレコード>変更 を選択する。
  2. 得意先コード「Customer01」、会社コード「1000」を入力し、Enterを押下する。
  3. ALVメニューバー>会社コードデータ をクリックする。
  4. 「連絡文書」タブをクリックし、督促処理に「1000」を入力して保存する。

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テーブル

テーブルID内容説明備考
LFA1仕入先マスタ(一般セクション)仕入先マスタの一般データレベルの情報を保持
LFB1仕入先マスタ(会社コード)仕入先マスタの会社コードレベルの情報を保持
LFB5仕入先マスタ(督促処理データ)仕入先マスタの督促処理に関するデータを保持
KNA1得意先マスタ:一般データ得意先マスタの一般データレベルの情報を保持
KNB1得意先マスタ(会社コード)得意先マスタの会社コードレベルの情報を保持
KNB5得意先マスタ(督促処理データ)得意先マスタの督促処理に関するデータを保持

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演習問題

※複数回答の設問あり。
※答えはドラッグすると見れる。

督促処理の設定画面において、設定する内容は次のどれか。

A. 督促レベル
B. 督促期間
C. 督促ブロック理由
D. 督促手数料

正解:ACD

督促処理は、どこに割当するか。

A. 得意先マスタ
B. 仕入先マスタ
C. G/L勘定コードマスタ
D. 会社コード

正解:AB

次の文章について、正誤を答えよ。

督促手数料は、督促レベルごとに指定できる。

A. 正
B. 誤

正解:A

支払期日を過ぎて入金されていない明細に対して、未消込明細の金額が少額の場合は、督促状を出さない。どのように設定するべきか。

A. 未消込明細の金額を目視し、督促保留フラグをセットする
B. 督促の最低額を設定する
C. 督促処理の実行時に、未消込明細の金額を抽出条件(パラメータ)に指定する
D. 追加開発(アドオン)により実現する

正解:B

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