【認定試験対策】財務会計(FI)8-1.督促処理-督促処理の概要

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概要

督促処理(督促プログラムともいう)は、得意先に対して督促状を出す機能である。

システムの作りとしては、前回説明した自動支払処理に似ている。トランザクション画面も似ており、自動支払と同じような操作感で触ることができる。

督促処理も自動支払と同様、試験でも実務でも頻出する機能なので、しっかりと理解しておきたい。督促処理は説明すべき内容が多いため、数回に分けて説明する。まずは、督促処理の事前知識や、関係するマスタ、トランザクションデータについて。

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カスタマイズ、トランザクションコード

  • FBMP – 督促処理更新
  • FBL5N – 得意先明細照会
  • FD02 – 得意先マスタ変更

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督促処理

督促処理とは

得意先への請求書に対して、支払期日までに入金されなかった場合、督促状を出して支払を得意先に促したい。得意先請求書に対して、期日をチェックし、期日が過ぎている場合に督促状を出力する機能が督促処理である。

督促処理は、単に督促状を出すだけでなく、督促状を出す条件を指定できる。たとえば、期日を○○日超過した場合に督促状を出力する、請求額が○○円以下の場合は督促状を出力しない、など。

また、督促状を出した相手には、督促の状態(督促レベルという)を管理する。1度督促状を出して支払されたのか、2度督促状を出して未だ支払されていないのか、といった状況を把握できる。

督促処理の流れ

督促処理は次の4ステップで表現される。

1パラメータ入力督促の対象伝票の抽出条件を指定する
2督促処理実行スケジュール督促の対象伝票の抽出処理
※「スケジュール」という名称だが、単なる抽出処理
3提案編集(任意)抽出結果に対して、手入力による修正を行う
4督促状印刷督促状を印刷する、加えて督促状況(督促レベル)を更新する

得意先、仕入先マスタの設定

督促処理における得意先、仕入先マスタの重要な項目は、以下のとおり。督促処理に関するマスタ設定は会社コードレベルの連絡文書タブにある。

クライアントレベル
住所
言語督促状は、得意先の言語にあわせて出力される
会社コードレベル
支払条件支払期日を決めるマスタ。参考:財務会計(FI)4-5.支払条件、現金割引
支払方法何で支払をするのか(現金か、預金か、手形か、など)。入金方法が
指定されている場合、自動支払で入金されるため、通常は督促処理から
外れる。
督促処理督促方法を定義したコード値。督促におけるメインのマスタ
督促処理保留フラグが立っていると、督促処理の対象外とする
最終督促日前回の督促日。督促する度に更新される
督促レベル事前定義した督促レベル。過去に督促した明細の中で、最も高い督促
レベルがセットされる
督促担当者督促状に印刷される担当者
督促領域会社コードに複数の督促処理が存在する場合に利用する

督促対象(処理対象)の会計伝票について

督促処理に影響する会計伝票の項目は、以下のとおり。

督促領域会社コードに複数の督促処理が存在する場合に利用する
督促キー督促処理キーのこと ※前述の「督促処理」とは別
督促保留督促保留フラグが立っていると、督促の対象から除外される
支払条件支払期日に関する設定を持っているマスタ
※参照:財務会計(FI)4-5.支払条件、現金割引
最終督促日前回の督促日。督促する度に更新される
督促レベル事前定義した督促レベル。過去に督促した明細の中で、最も高い督促
レベルがセットされる

得意先・仕入先の督促レベル、伝票明細の督促レベル

督促レベル、最終督促日は、得意先・仕入先マスタと伝票明細の両方に存在する。これは、伝票明細はその明細の督促レベルを保持しており、得意先マスタはすべての明細のうち最大の督促レベルを保持している。

この得意先マスタ、伝票明細の両方に督促レベル、最終督促日が存在することを念頭に入れて後の解説をみること。これが理解できていないと後に混乱する。

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カスタマイズ操作方法

得意先マスタに督促処理を設定する:FD02

  1. SAPメニュー>会計管理>財務会計>債権管理>マスタレコード>変更 を選択する。
  2. 得意先コード「Customer01」、会社コード「1000」を入力し、Enterを押下する。
  3. 一般データ>住所タブ>通信>言語 に「日本語」をセットする。
  4. ALVメニューバー>会社コードデータ をクリックする。
  5. 「連絡文書」タブを選択し、以下のデータを入力して保存する。
督促処理0001
督促処理保留H[保留理由 H]

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テーブル

テーブルID内容説明備考
LFA1仕入先マスタ(一般セクション)仕入先マスタの一般データレベルの情報を保持
LFB1仕入先マスタ(会社コード)仕入先マスタの会社コードレベルの情報を保持
LFB5仕入先マスタ(督促処理データ)仕入先マスタの督促処理に関するデータを保持
KNA1得意先マスタ:一般データ得意先マスタの一般データレベルの情報を保持
KNB1得意先マスタ(会社コード)得意先マスタの会社コードレベルの情報を保持
KNB5得意先マスタ(督促処理データ)得意先マスタの督促処理に関するデータを保持

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演習問題

※複数回答の設問あり。
※答えはドラッグすると見れる。

督促処理のステップについて、実施する順序が正しいものはどれか。

A. 督促処理実行スケジュール→提案編集→パラメータ入力→督促状印刷
B. パラメータ入力→督促処理実行スケジュール→提案編集→督促状印刷
C. パラメータ入力→提案編集→督促処理実行スケジュール→督促状印刷
D. 督促処理実行スケジュール→パラメータ入力→提案編集→督促状印刷

正解:B

得意先マスタにおいて、督促処理に影響する項目は次のどれか。

A. 督促処理キー
B. 言語(一般データレベル)
C. 統制勘定
D. 支払条件
E. 督促条件

正解:ABD

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