概要
初期値、およびユーザプロファイルについて解説する。
カスタマイズ、トランザクションコード
- SU01 – ユーザ管理
- SU3 – ユーザプロファイル更新
- FB50 – G/L勘定伝票入力
- FB60 – 仕入先請求書入力
- FB70 – 得意先請求書入力
- FB03 – 伝票照会
初期値
初期値提案とは
伝票入力時など、自動で項目値を入力してくれる機能。入力手間の削減や、入力ミスの防止に役立つ。
初期値提案は、次の2種類がある。
ユーザ固有の初期値 | ユーザごとに設定する初期値。ユーザが利用する会社コードなど、頻繁に 変わることがない項目に対して効果的。ユーザプロファイルと呼ばれる。 |
システムの初期値 | ユーザに関係なく、システムにより自動で入力される初期値。 |
ユーザプロファイル
ユーザ固有の設定として、以下が設定できる。
ログオン言語 | SAPの言語を設定。英語でログインするとSAPメニュー、トランザクション 画面がすべて英語になる。 |
日付書式 | 「YYYY/MM/DD」、「DD.MM.YYYY」など、日付の表記について選択する。 |
小数点表記 | 小数点を「.」/「,」表記のどちらにするか、3桁区切りでカンマを入れるか、 を設定する。 |
プリンタの初期値 | デフォルトで使うプリンタを設定する。 |
パラメータ(ユーザパラメータ)について
テストには出てこないが、上記の項目以外によく使うユーザ固有の初期値としてパタメータがある。ユーザごとに項目を指定し、初期値提案する値を設定できる。たとえば、伝票入力画面の会社コードの初期値を、ユーザの属する会社コードとする際に利用される。
システムの初期値
システムで自動的に入力される初期値。ものによるが特にどこかで設定しているわけではなく、SAP標準の仕様として用意されており、かつ変更できないことが多い。
代表的なシステムの初期値は、以下のとおり。
- 伝票入力時に現在日付が転記日付として提案される。
- 一度伝票を入力すると、次の伝票の入力時には、直前の伝票に入力した会社コードが提案される。
- FB50などで伝票を入力し、直後にFB03など照会画面を開くと、直前に入力した伝票番号が照会対象として提案される。
- 仕入先請求書の伝票タイプがKRの場合、貸方明細の転記キーは31で提案される。
カスタマイズ操作方法
ユーザ固有の設定として、ユーザプロファイルの設定とパラメータの設定、システムの初期値として、伝票タイプの非表示と換算レート差異の上限設定を設定変更する。
ユーザプロファイルの設定、パラメータの設定:SU3、SU01
ユーザプロファイルの確認と、パラメータに会社コード「1000」を指定すると初期値提案として機能することを確認する。
パラメータの設定についてより詳しく知りたい方は、↓のサイトを参照。
※参考:yoiblog┃【SAP】ユーザプロファイルから初期値(デフォルト値)を設定する方法
- ユーザプロファイル更新(Tr-Cd:SU3)、もしくはユーザ管理(Tr-Cd:SU01)を起動する。
- 「デフォルト」タブを選択し、ユーザ固有のパラメータが設定できることを確認する。
- 「パラメータ」タブを選択し、SET/GET パラメータ IDに「BUK」、パラメータ値に「1000」を入力する。
- 保存する。
- 伝票照会(Tr-Cd:FB03)を起動し、会社コードに「1000」が初期値提案されていることを確認する。
会計伝票の入力画面で伝票タイプを非表示にする:FB50、FB60、FB70など
- 伝票入力画面(FB50、FB60、FB70など)を起動する。
- 「編集オプション」(Shift + F4)を選択する。
- 伝票タイプオプションで「伝票タイプ非表示」を選択する。
- 保存する。
換算レート差異の上限設定
- SPRO>財務会計>財務会計共通設定>会社コードのグローバルパラメータ>通貨>換算レート差損益上限>定義: 会社コード別の換算レート誤差上限 を選択する。
- 「換算レート誤差上限」にデータを入力する。※デフォルトは10%。
- 保存する。
テーブル
テーブルID | 内容説明 | 備考 |
---|---|---|
USR05 | ユーザパラメータ |
演習問題
※複数回答の設問あり。
※答えはドラッグすると見れる。
次の文章の正誤を回答せよ。
ユーザパラメータを利用して、伝票入力画面において会社コードや通貨などの項目の初期値を設定することができる。
A. 正
B. 誤
正解:A
次の文章の正誤を回答せよ。
G/L勘定伝票入力(Tr-Cd:FB50)を起動すると、転記日付にシステム日付が表示された。この転記日付を打ち替えて伝票登録することはできない。
A. 正
B. 誤
正解:B
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