概要
レポートの1つとなるドリルダウンレポートについて解説する。
カスタマイズ、トランザクションコード
- S_PL0_86000028 – 財務諸表: 実績/実績比較
ドリルダウンレポート
ドリルダウンレポートは、その名のとおりレポートの一種であるが、特徴として様々な切り口で分析できるようになっている。たとえば、財務諸表において、会社全体の財務諸表を初期表示し、必要に応じて事業領域ごとの財務諸表を表示する、といった分析したい切り口で細かく表示できるような仕組みが組み込まれている。また、計画/実績比較、会計年度比較などの差異分析を行うこともできる。
特性、キー数値
ドリルダウンレポートに表示される項目は、特性、またはキー数値という項目に分類される。
- 特性
分析の軸、切り口になる項目。たとえば、事業領域、利益センタ、会計年度、G/L勘定コードなど。 - キー数値
分析対象の数値。取引金額や数量など。
たとえば、G/L勘定コード残高を年度ごとに比較する場合、特性:G/L勘定コード、会計年度ごとのキー数値:取引金額を表示することになる。
また、キー数値は特性ごとに集計された数値で表示される。今の例だと、G/L勘定コード、会計年度ごとの集計された取引金額がレポートに表示される。
例:総勘定元帳のドリルダウンレポート
例として、総勘定元帳のドリルダウンレポートでは、以下の特性、キー数値を持つ。
- 特性
- 会社コード、事業領域、セグメント、利益センタ、勘定コード表、連結勘定科目、通貨、会計年度、会計期間など
- キー数値
- 貸方残高合計、借方残高合計、貸借対照表値、累計残高、繰越残高など
ドリルダウン機能、ジャンプ機能
一言でいうと、指定した特性で詳しく見ることができる機能。たとえば、会社全体の財務諸表を表示している状態から、ある事業領域の財務諸表に切り替えるなど。この指定した特性で細かく見ることをドリルダウンと呼んでいる。
また、レポートは特性で集計されたキー数値(金額)を表示しているが、そこから伝票を辿ることが可能。これをジャンプ機能と呼んでいる。発生伝票に飛ぶ機能と捉えると理解しやすいかもしれない。
カスタマイズ操作方法
ドリルダウンレポートの実行(財務諸表)
- SAPメニュー>会計管理>財務会計>総勘定元帳>情報管理>総勘定元帳レポート>財務諸表/キャッシュフロー>一般>実績/実績比較>財務諸表: 実績/実績比較(Tr-Cd:S_PL0_86000028)を起動する。
- 以下のデータを入力して、実行する。
通貨タイプ | 10 |
会社コード | 1000 |
財務諸表バージョン | 1000 |
元帳 | 0L |
レポート年度 | 2021 |
レポート期間開始 | 01 |
レポート期間終了 | 12 |
比較年度 | 2020 |
比較期間開始 | 01 |
比較期間終了 | 12 |
出力タイプ | 標準ドリルダウンレポート |
ドリルダウン(特性の追加)
- 「案内」欄の「事業領域」をクリックする。
→右側の欄に「事業領域」が追加され、一覧の金額が事業領域で絞り込みされた金額に切り替わる。 - 画面右側の「事業領域」の横の「▼」を押下する。
→次の事業領域がセットされ、一覧の金額が、該当の事業領域の金額に切り替わる。
特性の入れ替え
- 一覧上の「勘定コード」をクリックする。
- 「案内」欄の「利益センタ」をクリックする。
→勘定コードと利益センタの特性が入れ替わる。
明細にジャンプ
- 一覧上の2020年度の数値をダブルクリックする。
もしくは、「2020年度」列を選択し、メニューバー>ジャンプ>明細 をクリックする。
→G/L勘定明細照会画面 に遷移する。
テーブル
テーブルID | 内容説明 | 備考 |
---|---|---|
– | – | – |
演習問題
※複数回答の設問あり。
※答えはドラッグすると見れる。
総勘定元帳のドリルダウンレポートで表示される以下の項目のうち、特性はどれか。
A. 会社コード
B. 借方残高合計
C. セグメント
D. 事業領域
正解:ACD
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