【認定試験対策】財務会計(FI)3-2.会計伝票-転記キー、項目ステータスグループ

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概要

前回に引き続き会計伝票について解説する。本ページでは伝票明細について解説する。伝票ヘッダについては、前回の財務会計(FI)3-1.会計伝票-伝票タイプを確認してほしい。

また、次回はヘッダと明細についてまとめたページを用意するので、まずは一読してざっと理解してほしい。その後、まとめのページで理解を深めることをオススメする。

※その他、転記キーについての参考:【FI】転記キーとは?仕組みと基本設定の5項目┃ビズドットオンライン

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カスタマイズ、トランザクションコード

  • FBN1 – 会計伝票番号範囲
  • OBA7 – 伝票タイプ定義
  • OB41 – 定義: 転記キー
  • FS00 – 勘定コード 共通

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転記キー、項目ステータスグループについて

転記キーについて

転記キーは、一言で言うと明細情報を管理・制御している。具体的には、以下3点を制御している。

  1. どの勘定タイプを転記できるか
  2. 明細が借方/貸方のいずれに転記されるか
  3. 追加勘定割当の項目ステータス

1.どの勘定タイプを転記できるか

勘定タイプとは、一言で表現すると勘定の種類である。転記キーにより、転記できる勘定タイプが一つに定まる
※勘定タイプについて、詳しくは財務会計(FI)3-1.会計伝票-伝票タイプ参照。

感のいい人は、伝票タイプで転記できる勘定タイプが決まっていたことを覚えているだろう。結局、転記できる勘定タイプは、伝票タイプと転記キーによって決まる。
伝票タイプは複数の転記できる勘定タイプが決まるが、転記キーは唯一に定まる

2.明細が借方/貸方のいずれに転記されるか

これはそのままであるが、転記キーによって借方、貸方いずれに転記されるかが決まる。たとえば、SAP標準では以下が用意されている。

  • 一般転記の借方は転記キー40、貸方は転記キー50
  • 得意先請求書の借方は転記キー01、貸方は転記キー11
  • 仕入先請求書の借方は転記キー21、貸方は転記キー31

3.追加勘定割当の項目ステータス

項目ステータス、つまり明細にある項目の非表示or表示のみor必須入力or任意入力を制御している。

注意すべき点は、明細項目の項目ステータスは他の設定にも影響を受けているということ。具体的には、G/L勘定コードに登録されている項目ステータスグループの制御が効いている。次項で詳しく見ていこう。

項目ステータスグループ

項目ステータスグループは、伝票転記時の明細項目の項目ステータスを制御している。G/L勘定コードごとに割当を行う。

項目ステータスグループをまとめたものを項目ステータスバリアントという。項目ステータスバリアントは、会社コードに割り当てる。

構造としては、項目ステータスバリアント>項目ステータスグループ>各項目ステータスとなる。

会計伝票明細の項目ステータス

まとめると、伝票明細の項目ステータスは、転記キーG/L勘定コードに登録されている項目ステータスグループによって決まる。

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カスタマイズ操作方法

今回は転記キーのカスタマイズ確認、および項目ステータスグループの登録と割当を行う。実際の伝票転記はまだ先だが、伝票転記時にはどのカスタマイズが影響しているかを思い出して欲しい。

転記キーのカスタマイズ確認:OB41

転記キーについては、SAP標準の転記キーを利用することとして、既存のカスタマイズを確認するに留める。これまでに説明した、転記できる勘定タイプ借方or貸方明細項目ステータスの設定を確認する。

  1. SPRO>財務会計>財務会計共通設定>伝票>明細>管理>定義: 転記キー を選択する。
  2. 「31:請求書」が仕入先からの請求書で利用する転記キーであるが、この行を見ると貸方明細転記できる勘定タイプが仕入先となっていることが確認できる。
  3. 「31:請求書」をダブルクリックする。
  4. 「項目ステータス更新」を押下する。
  5. 伝票明細の項目ステータスが設定されていることを確認する。

項目ステータスグループの登録

今回は項目ステータスバリアントが設定済みであるとして、項目ステータスグループの登録を行う。

  1. 項目ステータスバリアントの確認
    1. SPRO>財務会計>財務会計共通設定>会社コード>登録: グローバルパラメータ を選択 を選択する。
    2. 会社コードをダブルクリックする。
    3. 会社コードに割当されている項目ステータスバリアントを確認する。
  2. 項目ステータスグループの登録
    1. SPRO>財務会計>財務会計共通設定>伝票>明細>管理>定義: 項目ステータスバリアント を選択する。
    2. 先ほど確認した項目ステータスバリアントを選択し、ダイアログ構造で項目ステータスグループをダブルクリックする。
    3. 「G067:統制勘定」を選択し、メニューバー>編集>別名コピー を押下する。
    4. 以下の情報を入力し、保存する。
項目ステータスグループZ001
テキスト統制勘定 テキスト必須
  1. 項目ステータスの設定
    1. Z001をダブルクリックする。
    2. 一般データをダブルクリックする。
    3. テキストを必須入力に変更し、保存する。

項目ステータスグループをG/L勘定に割当する:FS00

先ほど登録した項目ステータスグループを買掛金勘定に割当する。
※買掛金のG/L勘定コードが未登録の場合は、勘定コードの登録を参照し、買掛金のG/L勘定コードを登録すること。

  1. SAPメニュー>会計管理>財務会計>総勘定元帳>マスタレコード>G/L勘定>個別処理>共通 を選択する。
  2. 買掛金の勘定コードを表示し、「登録/銀行/金利」タブの項目ステータスグループに「Z001」を設定して保存する。

以上で、項目ステータスグループの登録と、G/L勘定コードへの割当が完了する。

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テーブル

テーブルID内容説明備考
T003伝票タイプ  
BKPF会計伝票ヘッダ会計伝票のヘッダデータ。
S/4以降はACDOCAのテーブルに統合されている。
BSEG会計伝票明細 会計伝票の明細データ。
S/4以降はACDOCAのテーブルに統合されている。
SKA1G/L 勘定マスタ勘定コード表レベルのデータを保持
SKB1勘定コードマスタ (会社コード)会社コードレベルのデータを保持

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演習問題

※複数回答の設問あり。
※答えはドラッグすると見れる。

転記キーは、どのレベルで登録されるか。

A. クライアントレベル
B. 会社コードレベル
C. 伝票タイプレベル
D. 勘定タイプレベル

正解:A

伝票転記時、原価センタの入力が必須になっていることに気付いた。設定を見直す場合、どこのカスタマイズを確認すべきか。

A. 転記キーの項目ステータス
B. G/L勘定に割当されている項目ステータスグループ
C. 処理別の項目ステータス
D. 会社コード別の項目ステータス

正解:AB

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