「IT業界の商流がイチ社員に関係あるの?」
そんな疑問を持たれるかもしれません。
しかし、商流は給与や、キャリア形成に関わります。
転職先の企業を検討している人も参考になりますので、是非ご覧ください。
■対象者 ・SAP業界(IT業界)に従事する業界歴1~3年の人 ・IT業界への転職を検討している人 ■この記事で理解できること ・IT業界の商流を理解できる ・転職における企業選定の判断軸が増える
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IT(SAP)業界の商流
では早速、商流を図で理解しましょう!
登場人物
まず、SAPを導入する企業をクライアントと呼ぶことにしましょう。
クライアントは、SAP導入を決めると、SAP社とライセンス契約(SAPを利用できる契約)を結びます。そして、SAP利用に伴いライセンス料をSAP社に支払います。
また、SAP導入のためにSAPの知見を持つ会社に導入を手伝ってもらうわけです。
これが一次請け企業です。一次請け企業をプライマリベンダーや、元請け企業と言うこともあります。
一次請け企業は、自社内だけでは要員が足りないため、他の会社からも要員を募集します。
これが二次請け(二次請け企業)になります。
二次請けは、更に要員募集のために三次請けに募集、四次請けに募集・・・となっていきます。
単価(報酬)について
ここで注目すべきは、その単価(報酬)です。
当たり前ですが、一次請けに近いほど高くなります。
図の例では、三次請け企業からアサインされた人は、クライアントから100万円/月の作業料をもらいますが、その内訳は、
一次請け企業:20万円
二次請け企業:10万円
三次請け企業:35万円
三次請け社員:35万円
となるわけです。
一次請け企業は中間マージンがないため、同じ作業レベルであっても高給になりやすいです。つまり、一次請け企業の社員の方が給与が良いわけです。
各社の特徴
一次請け企業(プライマリベンダー)
先ほどのとおり、一次請け企業は給与が高いです。
業務内容は、SAP導入支援がメインになりますが、それに加えてプロジェクトマネジメント、二次請け企業などの要員の管理、といった管理業務も行います。
将来、プロジェクトリーダーやPMOを目指す方は、プライマリベンダーに所属していないと厳しいでしょう。
一方で、プロジェクトにおける責任は一次請けが負いますので、プロジェクトの要員が足りない時は、稼働時間がその分長くなりがちです。尻拭い的な要素があるわけですね。
二次請け企業(三次請け以降も含む)
二次請け以降は、一次請けから遠くなるほど給与は下がります。
業務内容は、管理業務がないためSAP導入支援の仕事に注力しやすいです。コンサルならコンサル、開発なら開発をしている時間がほとんどになるでしょう。
ただし、下請けになるほど簡単な単純作業になりやすく、そうなるとスキルがなかなか身につかないので注意が必要です。
二次請け企業は中小企業が多くなり、その分会社の特色が出やすいです。
飲み会代が出たり、タクシー代や会議室代が出たりするところもありますし、社内ツールの作成や社内メネジメントに携わることもあるでしょう。
SAPアカデミーの100万を超える高額なセミナーを社費で受けられることもあります。
フリーランス
まず、何より一次請け、二次請けといった会社員と比べて圧倒的に高収入です。
業務内容は、SAP導入支援がメインになり、一次請け企業が行う管理業務とは無縁です。
ただし、案件を自分で探したり、確定申告をしたりと、フリーランスならではのタスクも出てきます。
どの企業が自分に向いているのか
ネクストアクションとして、どの企業が自分の目指すキャリアとマッチするか、考えてみましょう。
転職を検討しているのであれば、次の観点も企業選びの参考になるはずです。
一次請け企業(プライマリベンダー)
少しでも高収入を狙う人、ゆくゆくはプロジェクトリーダーやPMOを目指す人に向いているでしょう。
社内政治やしがらみを嫌う人には向いていないでしょう。
二次請け企業
「まずは技術・スキルを身に着けたい」という人、IT未経験からSAP業界を目指す人に向いているでしょう。
アットホームな雰囲気であることが多い印象ですが、そういう環境が好きな人には向いています。
ゆくゆくはPMOを目指す人は、どこかで転職ということも視野に入れておきましょう。
フリーランス
何より高収入を求める人向けです。
ただし、相応のスキルセットと経験値がないと厳しいのも事実です。
会社に縛られることなく、自由にやっていきたい人に向いているでしょう。
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