概要
決算処理の基本的な流れについて解説する。
また、決算期用に用意されたレポート残高確認書について、解説する。
カスタマイズ、トランザクションコード
- F.17 – 得意先残高確認書印刷
- F.18 – 仕入先残高確認書印刷
決算処理
まず、決算処理について法的に必要な業務と、システム的に必要な処理をまとめる。
法的要件 | システム要件 | |
---|---|---|
1 | 残高繰越 | |
2 | 得意先/仕入先の旧会計年度の会計期間クローズ 得意先/仕入先の特別会計期間オープン | |
3 | 残高確認書の送付 | |
4 | 外貨評価 | |
5 | 評価調整 | |
6 | 債権と債務の再グループ化 | |
7 | 得意先/仕入先の特別会計期間クローズ |
今回は、3の残高確認書について解説する。
残高確認書
残高確認書とは
残高確認書とは、自社と取引先(得意先・仕入先)の残高があっているかどうかを確認するための書類である。以前、財務会計(FI)9-1.連絡文書で説明した連絡文書のうちの一つ。
- F.17 – 得意先残高確認書印刷
- F.18 – 仕入先残高確認書印刷
残高確認書のカスタマイズ
- 連絡文書印刷書式名の設定
- SPRO>財務会計>財務会計共通設定>連絡文書>SAPscript ペースフォーム>割当: 連絡文書印刷の書式名
- 連絡文書書式の送信者詳細の定義
- SPRO>財務会計>財務会計共通設定>連絡文書>定義: 連絡文書のセンダ詳細
- 残高確認書の返信用アドレスの定義(どこに送り返してもらうか)
- SPRO>財務会計>債権管理および債務管理>会計トランザクション>決算処理>カウント(もしくは「件数」)>残高確認書>定義: 残高確認の返信住所
- 残高確認書の選択基準の指定(F.17に抽出条件項目を追加できる)
- SPRO>財務会計>債権管理および債務管理>会計トランザクション>決算処理>カウント(もしくは「件数」)>残高確認書>定義: 残高確認の選択基準
- 得意先/仕入先の残高確認書の準備(プログラムSAPF130D、SAPF130Kの登録)
カスタマイズ操作方法
残高確認書の登録(F.17)
- SAPメニュー>会計管理>財務会計>債権管理>定期処理>決算処理>チェック/計算>残高確認書: 印刷 を選択する。
- 以下のデータを入力して、実行する。
得意先コード | Customer01 |
一般選択 | |
会社コード | 1000 |
照合基準日 | 演習実施日 |
出力管理 | |
連絡文書のソートバリアント | K2[勘定コードによるソート] |
明細ソートキー | P1[伝票日付、参照/伝票番号] |
発行日 | 演習実施日 |
回答日 | 演習実施日の7日後 |
印刷制御 | |
(全プリンタ) | LP01 |
- 表示された一覧を確認する。
- 前画面に戻り、メニューバー>プログラム>実行して印刷 を選択して、残高確認書を印刷する。
テーブル
テーブルID | 内容説明 | 備考 |
---|---|---|
LFA1 | 仕入先マスタ:一般 | 仕入先マスタの一般データレベル(クライアントレベル)のデータを保持 |
LFB1 | 仕入先 会社コード | 仕入先マスタの会社コードレベルのデータを保持 |
LFM1 | 仕入先 購買組織 | 仕入先マスタの購買組織レベルのデータを保持 |
KNA1 | 得意先マスタ:一般 | 得意先マスタの一般データレベル(クライアントレベル)のデータを保持 |
KNB1 | 得意先 会社コード | 得意先マスタの会社コードレベルのデータを保持 |
KNVV | 得意先 販売データ | 得意先マスタの販売組織レベルのデータを保持 |
演習問題
※複数回答の設問あり。
※答えはドラッグすると見れる。
次の文章について、正誤を答えよ。
残高確認書の送信先は、得意先、仕入先マスタに設定された住所である。
A. 正
B. 誤
正解:A
残高確認書で債権、債務の残高をチェックするために利用できる方法は、次のどれか。
A. 残高確認書
B. 残高調整
C. 残高照会時に連絡文書依頼
D. 残高通知
正解:ABC
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