【認定試験対策】財務会計(FI)10-9.固定資産-臨時償却-

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概要

SAPで臨時償却を登録する際のポイントを解説する。

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カスタマイズ、トランザクションコード

  • OABU – 設定: 償却領域(臨時償却)
  • AO95 – 設定: 勘定(臨時償却)
  • ABAA – 臨時償却 入力
  • AFAB – 償却記帳

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臨時償却

臨時償却は、事故による固定資産の破損など、通常の運用に伴う償却費以外の償却費を指す。SAPで臨時償却を登録する際のポイントを解説する。

臨時償却の登録について

臨時償却の登録におけるポイントは、以下のとおり。

マニュアルで減価償却を登録する

通常償却は、償却キーや耐用年数によって予定償却費が計算され、償却記帳プログラムによってFI伝票が登録された。つまり自動で金額がシステムで計算されていた。臨時償却では、償却の金額を手入力する

償却領域ごとに臨時償却ができるかどうかを決める

カスタマイズにて、償却領域ごとに臨時償却が可能かどうかを制御している。

前回の10-8.固定資産-減価償却-の触れているので、思い出していただきたい。

【再掲】償却タイプ

償却タイプとは、償却費の種類のこと。次の4種類が存在する。通常償却臨時償却を押さえておけばよい。

  • 通常償却
    通常の消耗に起因する償却費。月々に発生する減価償却費を指す。
  • 特別償却
    国で認められている特別償却の償却費。通常の償却費に加え、資産価額に対して一定の割合で償却する。
  • 臨時償却
    資産の破損など、通常の消耗と異なる価値の減少。資産の価額が恒久的に減少する場合に利用する。
  • 生産高比例償却
    生産高比例法に伴う償却費。たとえば機械の生産数に応じて償却する場合に利用する。

償却領域ごとにどの償却タイプの償却費を計上できるか、カスタマイズで制御している。

【カスタマイズ】
 ・通常償却:「設定: 償却領域(Tr-Cd:OABN)」
 ・特別償却:「設定: 償却領域(Tr-Cd:OABS)」
 ・臨時償却:「設定: 償却領域(Tr-Cd:OABU)」

償却領域ごとに異なる償却費を入力可能

臨時償却は、償却領域ごとに異なる金額を入力できる。たとえば、帳簿価額には臨時償却1,000円を入力し、税務用には0円といった入力を行う。

償却記帳プログラムの実行によりFI伝票が作成される

臨時償却は、通常償却と同様、取引入力のタイミングではFI伝票登録はされない。取引入力時は、あくまで予定値(計画値)として登録され、償却記帳によってFI伝票が登録される

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カスタマイズ操作方法

今回の演習では、[01]帳簿償却の償却領域にのみ臨時償却を登録する。

なお、演習における資産マスタの前提は以下とする。

前提・業務想定

以下の資産を対象に償却記帳を実行する。
・資産テキスト:臨時償却確認用資産
・資産クラス:[Z100]機械
・取得金額:10,000(転記日付:2000/4/1)
4月の償却記帳を実行済、5月の償却記帳を未実施とする。

事前確認、設定:OABU、AO95

臨時償却を実施する資産に対して、カスタマイズ、各種設定を確認する。

  1. SPRO>財務会計>固定資産管理>減価償却>臨時償却>設定: 償却領域(Tr-Cd:OABU)を起動する。
  2. [01]帳簿価額の臨時償却をONにして、保存する。
  3. SPRO>財務会計>固定資産管理>減価償却>臨時償却>設定: 勘定(Tr-Cd:AO95)を起動する。
  4. 勘定設定「[Z100]機械」を選択し、以下の勘定を設定して、保存する。
    • 臨時原価の減価償却累計額勘定:機械装置償却累計
    • 臨時償却の費用勘定:減価償却費

臨時償却の登録:ABAA

臨時償却を登録する。

  1. SAPメニュー>会計管理>財務会計>固定資産管理>記帳>マニュアル価格修正>臨時償却(Tr-Cd:ABAA)を起動する。
  2. 「臨時償却確認用資産」の資産番号を入力し、Enterを押下する。
  3. 以下のデータを入力し、Enterを押下する。
伝票日付2000/05/01
転記日付2000/05/01
資産評価日2000/05/01
記帳額1,000
  1. 「領域選択」ボタンをクリックし、[01]帳簿償却のみONにする。
  2. 保存(転記)する。

償却記帳の前に、資産の状況を確認しておく。

  1. 資産エクスプローラ(Tr-Cd:AW01N)にて、資産を確認する。
    「計画価額」タブで臨時償却が「1,000(円)」であることを確認する。
  2. 臨時償却は計画値であり、FI伝票は登録されていないことを確認する。
    →取引欄の臨時償却をダブルクリックして、FI伝票に画面遷移しないことを確認する。
  3. 「記帳額」タブをクリックする。
    臨時償却が「0(円)」であることを確認する。
     画面下部の償却費のステータスが計画済(つまり未転記)であることを確認する。

償却記帳の実施:AFAB

償却記帳の実施(FI伝票の転記)を行う。

  1. SAPメニュー>会計管理>財務会計>固定資産管理>償却記帳>実行(Tr-Cd:AFAB)を起動する。
  2. 以下のデータを入力し、テスト実行する。
会社コード1000
会計年度2000
会計期間2
テスト実行ON
資産(「臨時償却確認用資産」の資産番号)
  1. 臨時償却が1,000円分処理されていることを確認する。
  2. 前画面に戻り、テスト実行をOFF、資産を空白にし、バックグラウンド実行する。
  3. ジョブ確認(Tr-Cd:SM37)で、ジョブを確認し、伝票番号を確認する。
  4. 伝票照会(Tr-Cd:FB03)などで伝票を照会する。
    減価償却費/機械装置償却累計 の仕訳が登録されていることを確認する。
  5. メニューバー>伝票関連処理>会計伝票 を選択する。
    管理会計伝票が登録されていることを確認する。
  6. 資産エクスプローラ(Tr-Cd:AW01N)にて、資産を照会する。
  7. 「記帳額」タブをクリックする。
    臨時償却が「1,000(円)」であることを確認する。
     画面下部の償却費のステータスが、2期で転記済であることを確認する。
  8. 画面左の[15]税務の償却領域をダブルクリックする。
    [15]税務では、臨時償却が登録、転記されていないことを確認する。
  9. 再度、画面左の[01]帳簿償却をダブルクリックし、転記済の2期をダブルクリックする。
    償却記帳のログ画面に遷移することを確認する。

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テーブル

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演習問題

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