概要
収益性分析の概要について解説する。まずは、全体をざっくり押さえよう。
カスタマイズ、トランザクションコード
※今回はなし
収益性分析
収益性分析では、市場セグメントに対する分析データを作成する。例えば、ある商品がどの顧客によく売れているのか、といったデータを表示する。また、会社の営業部門がどれだけ利益を出しているかをレポートする。
収益性分析(CO-PA)の概要
収益性分析の概要を、PAの目的、レポート、特徴から押さえよう。また、利益センタ会計との違いも記載するため、比較しながら理解を進めよう。
収益性分析 | 利益センタ会計 | |
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目的・提案するソリューション | 市場セグメントごとのデータ提供 売上の伸び率が高い得意先はどの会社か、など 販売管理単位ごとの貢献利益目標 営業部は目標とする貢献利益を達成したか、など 投資対効果(ROI)の測定 ある製品の販売促進はどれくらい効果があったか、など 収益、およびコスト構造の分析 商品の売上と費用の分析、商品価格の見直しが必要か、など | 利益センタごとの貢献利益を管理 自動車部門の営業利益はどれくらいか、など ROE(自己資本利益率) エンジン部門のROEはどれくれいか、など 管理会計 予実比較し、予定を超える実績を出した部門はどこか、など 社内取引、および商品・サービスの管理 社内取引の対象となった商品・サービスは何か、など |
レポートについて | 製品、得意先、会計期間、事業領域など、任意のメッシュで売上や費用、利益を表示する。 | 部門(利益センタ)ごとの貢献利益を把握するため、利益センタごとの損益を表示位する。 |
特徴 | 市場セグメントと業績数値を柔軟に定義できる -市場セグメントは、販売組織や得意先、その他製品に関連する項目を組み合わせたもの。 -見たいメッシュに合わせた項目を用意できるため、見たい粒度で市場評価が可能。 多次元レポートツールを使用して分析できる Excelのピボットテーブルのように、データの切り口を自由に入れ替えて分析できる。 勘定ベースと原価ベースの管理 CO-PAでは、総勘定元帳の粒度でデータを管理する勘定ベースと、より細かい粒度でデータを管理する原価ベースがある。 | 利益センタごとの利益を算出する 利益責任のある組織を利益センタとして割当し、利益センタごとの利益を計算する。 投資対効果を測ることができる 利益センタ会計では貸借対照表勘定を管理することができる。そのため、ROIやROAなどの投資対効果を算出できる。 |
収益性分析で作成する報告書の種類
SAPでサポートする会計法は、売上原価会計法と期間会計法がある。収益性分析は、売上原価会計法の管理に適している。収益性分析で期間会計法の管理はできない(はず)。
売上原価会計法
提供した商品やサービスの収益と原価(費用)を対応させる方法。商品やサービスごとの利益を分析することに適している。データ収集(伝票の転記タイミング)も売上と原価が対応する形で計上される。
期間会計法
組織ユニットに関する一定期間内の収益と原価を集計する方法。事業部など、組織ごとの利益を分析することに適している。収益、一次原価、在庫変更、仕掛品、資本化活動のデータを収集する。
上記のとおり、利益センタ会計は期間会計法に適している。なお、売上原価会計法と期間会計法の両方を扱いたい場合は、CO-PA(売上原価会計法)、PCA(期間会計法)とすることをSAPは提案している。
収益性分析のデータフロー
収益性分析のデータフローをざっくり把握しておこう。収益性分析は伝票登録されるパターンが多岐にわたる。かつ他モジュールから登録されることが多い。

上図では、どのモジュールでどの処理をすると、収益性伝票が登録されるのかを示している。例えば、SDモジュールから請求伝票(商品・サービスの販売に伴う請求)をしたタイミングで、CO-PAに伝票登録される。
細かくは後々説明するので、まずはざっくりどんなモジュールからデータが流れてくるかをイメージしておこう。
カスタマイズ操作方法
※今回はなし
テーブル
テーブルID | 内容説明 | 備考 |
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