概要
記前の伝票を保存する方法として、仮伝票と未転記伝票がある。いずれも転記前の情報を保存する機能であるが役割が異なるため、できることも異なっている。それぞれの違いを理解する。
カスタマイズ、トランザクションコード
- FBV2 – 未転記伝票変更
- FBV3 – 未転記伝票照会
- FBV5 – 未転記伝票変更履歴照会
- FV50 – 未転記G/L勘定入力
- FV60 – 未転記請求書入力(仕入先)
- FV65 – 未転記クレジットメモ入力(仕入先)
- FV70 – 未転記請求書入力(得意先)
- FV75 – 未転記クレジットメモ入力(得意先)
- FBV0 – 未転記伝票転記/削除(Enjoy)
仮伝票、未転記伝票
転記前の伝票を保存する方法として、仮伝票と未転記伝票がある。仮伝票は、一時的な保存をする機能でり、入力途中の伝票情報を保存するために利用する。未転記伝票は、伝票の入力者と承認者(転記者)に分けるために利用する。
仮伝票
前述のとおり、仮伝票は一時的な保存をする機能に利用する。システム的なポイントは以下のとおり。
- 保存時に伝票番号は採番されない(保存時、「仮伝票番号」を入力して保存する)
- 伝票金額、明細の金額を変更可能
- FBL3Nなどのレポートに出力できない
未転記伝票
未転記伝票は、伝票の入力者と承認者(転記者)に分けるために利用する。つまり、転記はされないが、いつでも転記できる状態であり、承認者のレビュー待ちをイメージしてもらうとわかりやすい。もちろん、承認者がレビュー時に変更できる項目もある。
- 保存時に伝票番号は採番される
- 伝票金額、明細の金額を変更可能
- FBL3Nなどのレポートに出力可能(レポートにて「未転記伝票」の出力フラグをONにする)
変更不可の項目
仮伝票、未転記伝票では、以下の項目が変更不可である。
- 会社コード
- 伝票タイプ
- 通貨コード
- (未転記伝票の場合)伝票番号
カスタマイズ操作方法
仮伝票、未転記伝票の登録方法を演習する。また、未転記伝票については承認(転記)の演習も行う。
仮伝票の登録、変更
仮伝票の登録
- FB50などの伝票入力画面で、「仮伝票保存」ボタン(F5)を押下する。
- 仮伝票番号を入力し、保存する。
仮伝票の変更(伝票入力の再開)
- FB50などの伝票入力画面で、メニューバー>編集>仮伝票選択を選択する。
- 仮伝票番号を入力し、Enterを押下する。
⇒保存した仮伝票が表示される。
未転記伝票の登録
未転記伝票の登録
- FB50などの伝票入力画面で、伝票情報を入力のうえ「未転記」ボタンを押下する。
未転記伝票の変更
- SAPメニュー>会計管理>財務会計>総勘定元帳>伝票>未転記伝票>変更(Tr-Cd:FV50)など を選択する。
- メニューバー>伝票>未転記伝票選択を選択する。
- 未転記伝票の伝票番号を入力し、Enterを押下する。
⇒保存した未転記伝票が表示される。
未転記伝票の転記
- SAPメニュー>会計管理>財務会計>総勘定元帳>伝票>未転記伝票>転記/削除(Enjoy)(Tr-Cd:FBV0)を選択する。
- メニューバー>伝票>未転記伝票選択を選択する。
- 未転記伝票の伝票番号を入力し、Enterを押下する。
⇒保存した未転記伝票が表示される。 - 「転記」ボタン、もしくはメニューバー>伝票>転記を選択し、伝票を転記する。
テーブル
テーブルID | 内容説明 | 備考 |
---|---|---|
VBKPF | 未転記伝票ヘッダ情報 | |
VBSEG | 未転記伝票明細情報 |
演習問題
※複数回答の設問あり。
※答えはドラッグすると見れる。
仮伝票の特徴として該当するものを選択せよ。
A. 伝票番号の採番がされる
B. 取引金額の変更が可能
C. レポートに出力可能
D. 通貨コードの変更が可能
正解:B
未転記伝票の特徴として該当するものを選択せよ。
A. 伝票番号の採番がされる
B. 取引金額の変更が可能
C. レポートに出力可能
D. 通貨コードの変更が可能
正解:ABC
次の文章の正誤を答えよ。
未転記伝票は、伝票の入力者と承認者を分ける運用で利用される。
A. 正
B. 誤
正解:A
次の文章の正誤を答えよ。
未転記伝票の入力には、勘定割当テンプレートと参照転記機能が利用できる。
A. 正
B. 誤
正解:B
未転記伝票を転記する際、変更できない項目を選択せよ。
A. 伝票タイプ
B. 伝票番号
C. 会社コード
D. 取引金額
E. 通貨コード
正解:ABCE
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