概要
収益性分析のテーブル構造について解説する。収益性分析では、伝票データを特性と値項目で管理しているため、他の伝票を保持するテーブルと変わったテーブル構造をしている。また、原価ベースと勘定ベースで異なるDBにデータを保存することを押さえておこう。
カスタマイズ、トランザクションコード
- KETE – 分析対象テンプレート
- KECP – 分析対象のコピー
テーブル構造
主要テーブル
収益席分析において、利用する主要なテーブルは次のとおり。原価ベースと勘定ベースで登録されるテーブルが異なる。
テーブルID | 内容説明 | 備考 |
---|---|---|
原価ベース | ||
CE0++++ | 論理明細構造 | |
CE1++++ | 実績明細テーブル | 実績伝票を保持 |
CE2++++ | 計画明細テーブル | 計画伝票を保持 |
CE3++++ | 集計テーブル | CE4++++の「収益性セグメント」ごとに 値項目を集計したテーブル(後述) |
CE4++++ | 収益性セグメント定義 | 特性ごとの集計をするため、特性の組み合わせ ごとに「収益性セグメント」を定義している(後述) |
CE4++++_KENC | 再調整 | |
CE4++++_ACCT | 勘定割当 | |
CE4++++_FLAG | 転記済特性 | |
CE5++++ | 論理セグメントレベル | |
CE7++++ | 配賦の内部ヘルプ構造 | |
CE8++++ | 配賦の内部ヘルプ構造 | |
勘定ベース | ||
CE4++++ | 収益性セグメント定義 | |
COBK | CO 対象: 伝票ヘッダ | 実績、計画どちらもこのテーブル |
COEP | CO 対象: 明細 (期間別) | CO伝票の明細(実績)。 勘定ベースCO-PAの実績伝票も保持。 |
COEJ | CO 対象: 明細 (会計年度別) | CO伝票の明細(計画)。 勘定ベースCO-PAの計画伝票も保持。 |
COSP | CO 対象: 外部転記の原価合計 | 一次原価要素に関するCO伝票の合計値。 勘定ベースCO-PAの計画の集計値を保持。 |
COSS | CO 対象: 内部転記の原価合計 | 二次原価要素に関するCO伝票の合計値。 勘定ベースCO-PAの実績の集計値を保持。 |
ACDOCA | ユニバーサルジャーナル | 従来のヘッダと明細(BKPFとBSEG)が 合体した形のテーブル。 明細単位でレコードを保持する。 |
テーブルIDの「++++」には、分析対象のコードが入る。例えば分析対象「1000」であれば、実績明細テーブルIDは「CE11000」となる。
データ構造
実績転記、計画転記
まずは、基本となる実績伝票の転記、計画伝票の転記を押さえておこう。
原価ベースのCO-PAでは、実績伝票はCE1++++(実績明細テーブル)、明細伝票はCE2++++(計画明細テーブル)に保存される。
勘定ベースでは、実績伝票はCOEP、計画伝票はCOEJに伝票データを保持している。また、S/4の勘定ベースではデータがACDOCAに統合されており、実績データが(COEPと同時に)ACDOCAに登録される。計画データについては、ACDOCA、ACDOCP(ACDOCAの計画版)いずれにも登録されない。
集計テーブルについて
- 原価ベース
原価ベースでは、まずCE4++++に「収益性セグメント(もしくは、収益性セグメント番号)」という特性の組み合わせごとに番号を付けている。例えば、会社コード「1000」、事業部「自転車事業部」、製品「自転車01」の組み合わせは、収益性セグメント「1234」という具合になっている。
そして、この収益性セグメント単位で値項目を集計したテーブルがCE3++++である。
CE3++++では、収益性セグメントに加え、期間やバージョン(計画or実績)、ごとに集計値を保持している。計画も実績も同じテーブル(CE3++++、CE4++++)を使う。
- 勘定ベース
勘定ベースは、原価センタ会計のテーブル構造をイメージするとわかりやすい。COEP(実績明細)の集計テーブルとしてCOSS(内部転記合計)、COEJ(計画明細)の集計テーブルとしてCOSP(外部転記合計)になっている。
テンプレートの分析対象
SAPではサンプルの分析対象として、テンプレートが用意されている。収益性分析の詳細なカスタマイズをせずに、デモができる。
【カスタマイズ起動経路】
SPRO>管理会計>収益性分析>構成>分析対象定義>分析対象サンプル>使用: SAP分析対象テンプレート(Tr-Cd:KETE)
また、テンプレートをコピーして分析対象を作成、ユーザの要件に合わせて適宜カスタマイズ、ということも可能。
【カスタマイズ起動経路】
SPRO>管理会計>収益性分析>構成>分析対象定義>分析対象サンプル>コピー: カスタマイジングを含む分析対象(Tr-Cd:KECP)
カスタマイズ操作方法
※今回はなし
テーブル
テーブルID | 内容説明 | 備考 |
---|---|---|
CE0++++ | 論理明細構造 | ※「++++」は分析対象のコード |
CE1++++ | 実績明細テーブル | ※「++++」は分析対象のコード 実績伝票を保持 |
CE2++++ | 計画明細テーブル | ※「++++」は分析対象のコード 計画伝票を保持 |
CE3++++ | 集計テーブル | ※「++++」は分析対象のコード CE4++++の「収益性セグメント」ごとに値項目を集計したテーブル |
CE4++++ | 収益性セグメント定義 | ※「++++」は分析対象のコード 特性ごとの集計をするため、特性の組み合わせごとに「収益性セグメント」を定義 |
CE4++++_KENC | 再調整 | ※「++++」は分析対象のコード |
CE4++++_ACCT | 勘定割当 | ※「++++」は分析対象のコード |
CE4++++_FLAG | 転記済特性 | ※「++++」は分析対象のコード |
CE5++++ | 論理セグメントレベル | ※「++++」は分析対象のコード |
CE7++++ | 配賦の内部ヘルプ構造 | ※「++++」は分析対象のコード |
CE8++++ | 配賦の内部ヘルプ構造 | ※「++++」は分析対象のコード |
COBK | CO 対象: 伝票ヘッダ | 実績、計画どちらもこのテーブル |
COEP | CO 対象: 明細 (期間別) | CO伝票の明細(実績)。 勘定ベースCO-PAの実績伝票も保持。 |
COEJ | CO 対象: 明細 (会計年度別) | CO伝票の明細(計画)。 勘定ベースCO-PAの計画伝票も保持。 |
COSP | CO 対象: 外部転記の原価合計 | 一次原価要素に関するCO伝票の合計値。 勘定ベースCO-PAの計画の集計値を保持。 |
COSS | CO 対象: 内部転記の原価合計 | 二次原価要素に関するCO伝票の合計値。 勘定ベースCO-PAの実績の集計値を保持。 |
ACDOCA | ユニバーサルジャーナル | 従来のヘッダと明細(BKPFとBSEG)が合体した形のテーブル。 明細単位でレコードを保持する。 |
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