概要
製造バージョンについて解説する。製造バージョンは、その名の通り生産管理(PP)で主に扱われるマスタである。本記事では、原価計算に関連する話を中心に解説する。
カスタマイズ、トランザクションコード
- C223 – 製造バージョン 一括処理
※登録、変更、照会を同じトランザクションで行う
製造バージョン
製造バージョンとは
製造バージョンとは、作業手順、BOM、ロットサイズを一意に組み合わせたもの。つまり、作業手順とBOMを事前に設定しておく必要がある。
また製造バージョンは、品目マスタの「MRP 4」ビュー、または「原価計算 1」ビューにて設定する。
原価積上においては、どこかで製造バージョンを指定しているわけではなく、作業手順とBOMから製造バージョンが決まる、という程度。ただし、該当する製造バージョンがないと積上時にエラーとなるため、設定は必須。
【イメージ】
作業手順 ━━━━┓
BOM ━━━━━╋━➜ 製造バージョン
ロットサイズ ━━┛
製造バージョンヘッダ
ヘッダで設定する項目は、プラントと品目くらいである。
項目 | 備考 |
---|---|
プラント | 生産を行うプラント。 |
品目 | 生産対象の品目コードを指定する。 |
製造バージョン明細
ヘッダで指定したプラント×品目単位で複数の明細(製造バージョン)を持てる。明細(製造バージョン)ごとに設定する項目は、以下のとおり。
【製造バージョン】エリア
製造バージョンに関する基本的な項目を設定する。
項目 | 備考 |
---|---|
製造バージョン | 製造バージョンのコード値。英数字最大4桁で入力する。 コード値が最小のものが、初期値として選択される。 |
テキスト | 製造バージョンの名称。 |
最小ロットサイズ、最大ロットサイズ | 製造バージョンが有効なロットサイズを範囲指定する。 製造バージョンのキー項目のひとつ。 |
有効開始日付、有効終了日 | 製造バージョンの有効期間を指定する。 原価積上時、該当の製造バージョンが有効期間内にないとエラーになる。 ※原価積上のパラメータ「数量構成日付」と比較する。 |
【タスクリスト】エリア
作業手順を設定する。作業手順のバージョンにあたるグループカウンタも指定する。
項目 | 備考 |
---|---|
タスクリストタイプ | タスクリストの種類を選択する。作業手順は「N」を指定。 |
グループ | 作業手順のコード値(ID)。作業手順登録時に割り振られる。 |
グループカウンタ | 作業手順のバージョンにあたる項目。原価計算で利用するグループカウンタを指定する。 |
【部品表/配合表】エリア
BOMを設定する。BOMのバージョンにあたる代替BOMも指定する。
項目 | 備考 |
---|---|
代替BOM | BOMのバージョンにあたる項目。BOM自体はヘッダのプラントと品目から決まるので、BOMのコード値を入力するような欄はない。 |
BOM用途 | 原価計算で利用するBOM用途を指定する。標準では[6]原価計算が用意されている。 |
カスタマイズ操作方法
【起動経路】
SAPメニュー>ロジスティクス>生産>マスタデータ>製造バージョン(Tr-Cd:C223)
テーブル
テーブルID | 内容説明 | 備考 |
---|---|---|
MKAL | 品目の製造バージョン |
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