【認定試験対策】財務会計(FI)10-11.固定資産-情報管理-

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概要

固定資産における償却費の予測、および固定資産情報の照会について解説する。

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カスタマイズ、トランザクションコード

  • AW01N – 資産エクスプローラ
  • S_ALR_87012936 – 償却シミュレーション
  • AR18N – 償却シミュレーション
  • S_ALR_87011990 – 資産台帳
  • OAV7 – シミュレーションバージョン
  • OAVI – ソートバリアント

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情報管理・照会

固定資産における償却費の予測、および固定資産情報の照会について解説する。

償却費のシミュレーション

1つの資産に対するシミュレーション:資産エクスプローラ(AW01N)

資産エクスプローラでは、資産の将来発生する償却費を照会できる。また、シミュレーション機能を使うことで、取引の登録をシミュレーションできる。たとえば、固定資産の一部除却をした場合の償却費や、償却キーなどの償却パラメータを変更した場合の償却費を照会できる。

複数資産に対するシミュレーション:償却シミュレーション(ECC:S_ALR_87012936、S/4:AR18N)

償却シミュレーションでは、複数の資産に対して、将来の償却費を照会できる。また、シミュレーションバージョンを使うことで、償却キーを変更した場合の償却費や、耐用年数を変更した償却費を照会できる。

シミュレーションバージョン:OAV7

シミュレーションバージョンは、償却シミュレーションでシミュレーションする内容を決めている。たとえば、資産クラス「機械」の償却キー「定額法」の資産に対して、償却キーを「定率法」に変更した場合、というように定義する。

資産台帳:S_ALR_87011990

資産台帳の基本

資産台帳は、資産一つ一つの取得金額、除却、振替、減価償却累計額など、様々な取引の金額を表示するレポートである。

選択画面の条件について

選択画面の条件について、少し補足する。

  • 資産台帳バージョン(S/4では「ソートバージョン」と表記)
    • 資産台帳の一覧画面の項目レイアウト、小計単位を決定している。※詳細は後述
  • 「設定」の「またはグループ合計のみ」
    • 資産台帳バージョン(ソートバージョン)の小計単位集計して表示する。
      なお、小計単位で集計した集計値のみの表示となる。

一覧画面の各取引に表示される金額について

一覧画面では、取引(取得、除却、振替など)ごとに金額が表示されるが、どの金額がどの取引で表示されるかは、伝票入力時の取引タイプによって決まる
※参考:10-4.固定資産-取得->取引タイプ

たとえば、取得取引時の取引タイプに「100」を入力していると、「100」は取得として設定されているため、資産台帳の一覧画面で「取得」の金額として表示される。

ソートバージョン:OAVI

ソートバージョンは、SAPの環境や画面によっては「ソートバリアント」と表示されている。

ソートバージョンは、資産台帳などの照会画面において、一覧画面の小計単位を決めている。たとえば、会社コード単位で小計、会社コード×原価センタ単位で小計、といったことが可能。

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カスタマイズ操作方法

今回は、次のとおり償却費のシミュレーションと資産台帳の照会を実施する。

  • 1つの資産に対するシミュレーション:資産エクスプローラ
  • 複数資産に対するシミュレーション:償却シミュレーション
  • 資産台帳の実行

1つの資産に対するシミュレーション:資産エクスプローラ(AW01N)

以下の資産を前提に、償却費のシミュレーションを行う。
10-8.固定資産-減価償却-と同じ資産を利用

前提・業務想定

以下の資産を対象に償却記帳を実行する。
・資産テキスト:償却確認用資産
・資産クラス:[Z100]機械
・転記日付:2000/4/1
・転記金額:10,000
・償却キー:[JL05]定額法5年
・耐用年数:5年
2000年度の償却記帳を実行済、2001年度の償却記帳を未実施とする。

将来に発生する償却費の照会

将来に発生する償却費を照会する。

  1. 資産エクスプローラ(Tr-Cd:AW01N)にて、資産を確認する。
  2. 会計年度を「2000」から「2001」に変更する。
    →「計画価額」タブ2001年に発生する通常償却(=予定償却費)を確認する。
  3. 「記帳額」タブをクリックする。
    →画面下部の「償却 転記済/計画」で各月に発生する計画済の償却費を確認する。

一部除却のシミュレーション

一部除却を行った場合の償却費をシミュレーションする。

  1. メニューバー>ジャンプ>シミュレーションオン をクリックする。
    →シミュレーションモードに切り替わる。
  2. 「取引 Simulation」ボタンをクリックする。
  3. 取引タイプ「[200]前年度以前に取得した資産の除却」を入力し、Enterを押下する。
  4. 以下のデータを入力し、メニューバー>補足>シミュレーション をクリックする。

伝票日付2001/04/01
転記日付2001/04/01
資産評価日2001/04/01
パーセント50

  1. 「計画画面」タブで一部除却が青字(シミュレーション)で登録されていること確認する。
    予定償却費が変わっていることを確認する。
  2. 「記帳額」タブをクリックする。
    →画面下部の「償却 転記済/計画」で各月に発生する予定の償却費が変わっていることを確認する。

償却キー変更のシミュレーション

償却キーを変更した場合の償却費をシミュレーションする。

  1. メニューバー>ジャンプ>シミュレーションオフ をクリックする。
    →シミュレーションモードをオフにして、一部除却をリセットする。
  2. メニューバー>ジャンプ>シミュレーションオン をクリックする。
    →シミュレーションモードに切り替わる。
  3. 「パラメータ」タブをクリックし、償却キーを「[JD05]定率法5年」に変更し、Enterを押下する。
  4. 「記帳額」タブをクリックする。
    →画面下部の「償却 転記済/計画」で各月に発生する予定の償却費が変わっていることを確認する。

複数資産に対するシミュレーション:償却シミュレーション(ECC:S_ALR_87012936、S/4:AR18N)

将来に発生する償却費の照会
  1. SAPメニュー>会計管理>財務会計>固定資産管理>情報管理>固定資産管理レポート>償却予測>減価償却シミュレーション(Tr-Cd:S_ALR_87012936)を起動する。
    ※S/4では、Tr-Cd:AR18Nを起動。
  2. 会社コード「1000」を入力して、実行する。
    →資産ごとの償却費を確認する。

シミュレーションバージョンの定義:OAV7
  1. SAPメニュー>会計管理>財務会計>固定資産管理>情報管理>ツール>シミュレーションバージョン(Tr-Cd:OAV7)を起動する。
  2. 「新規エントリ」をクリックし、シミュレーションバージョン「[Z1]機械:定額法→定率法」を入力して、保存する。
  3. 保存した「[Z1]機械:定額法→定率法」を選択し、画面左のシミュレーション規則をダブルクリックする。
  4. 以下をデータを入力し、保存する。
領域[01]帳簿償却
クラス[Z100]機械
償却キー(変更前)[JL05]定額法5年
償却キー(変更後)[JD05]定率法5年

償却キーを変更した場合のシミュレーション
  1. SAPメニュー>会計管理>財務会計>固定資産管理>情報管理>固定資産管理レポート>償却予測>減価償却シミュレーション(Tr-Cd:S_ALR_87012936)を起動する。
    ※S/4では、Tr-Cd:AR18Nを起動。
  2. 会社コード「1000」、シミュレーションバージョン「[Z1]機械:定額法→定率法」を入力して、実行する。
    資産クラス「[Z100]機械」の償却費が変わっていることを確認する。

資産台帳の実行:S_ALR_87011990

ソートバージョンの設定:OAVI
  1. SAPメニュー>財務会計>固定資産管理>情報管理>ツール>ソートバリアント(Tr-Cd:OAVI)を起動する。
  2. 「新規エントリ」をクリックし、ソートバージョン「[Z001]事業領域/原価センタ」を入力して、保存する。
  3. 保存した「[Z001]事業領域/原価センタ」をダブルクリックする。
  4. 以下をデータを入力し、保存する。
テーブル項目名合計
ANLAV[GSBER]事業領域ON
ANLAV[KOSTL]原価センタON

資産台帳の実行
  1. SAPメニュー>会計管理>財務会計>固定資産管理>情報管理>固定資産管理レポート>財務諸表注記>国際版>資産台帳(Tr-Cd:S_ALR_87011990)を起動する。
  2. 会社コード「1000」、ソートバージョン「[Z001]事業領域/原価センタ」、「資産一覧」をONにして、実行する。
    →資産ごとの取引金額(取得、除却、振替などの金額)が表示される。
     また、事業領域×原価センタごとに小計されていることを確認する。

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テーブル

テーブルID内容説明備考

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演習問題

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