【認定試験対策】財務会計(FI)10-4.固定資産-取得-

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概要

いよいよ固定資産に関する伝票登録を解説する。まずは、固定資産の取得について。

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カスタマイズ、トランザクションコード

  • F-90 – 仕入先からの取得
  • AW01N – 資産エクスプローラ
  • ACSET – 指定: 勘定割当対象の勘定割当タイプ
  • ABZON – 自動相殺仕訳のある取得
  • F-91 – 相殺相手勘定入力

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資産の取得登録

債務(AP)と統合している場合

債務と連携している場合は、トランザクション:F-90「仕入先からの取得」から資産の取得を登録する。たとえば、機械を未払金で購入した場合の伝票入力は以下のとおり。

このとき、仕入先請求書と同様、未払金勘定を直接入力するのではなく、仕入先コードを入力する。また、資産側についても機械勘定を直接入力するのではなく、資産マスタを入力する。すると未払金、機械の勘定で自動転記される。

在庫/購買管理(MM)と統合している場合

MMと連携している場合は、MM伝票(請求書照合など)によって会計伝票が自動で同時起票される。たとえば、商品の仕入れによって発生する伝票が登録されると、自動で会計伝票が登録される。

統合していない場合

債務や在庫/購買管理と統合していない場合は、固定資産の相手勘定に消込勘定(G/L勘定)を指定して、資産取得を登録する。

これは、別途請求書が事前に登録されている(もしくは後に遅れて登録する)ことを想定しており、請求書が固定資産の計上と切り離されている。そのため、消込勘定という仮の勘定で計上しておき、後に相殺する形になっている。

以後、債務(AP)、および在庫/購買管理(MM)と統合していることを前提とする。
また、特に前提の断りがない場合、債務からの固定資産取得と捉えて読み進めていただきたい。

伝票の入力情報

伝票入力時に、入力必須の項目は以下のとおり。

  • 取引タイプ(略:TTY):取引の種類
    • 例:取得、廃棄、売却
  • 資産評価日:固定資産の取引を行った日付
    • 例:取得日、廃棄した日付、売却日

取引タイプ

取引タイプとは、固定資産の取引の種類を表す。たとえば、取得、廃棄、売却など。取引に応じて転記する勘定を分けている。先程の例だと、取得→機械、廃棄→固定資産除却損、売却→固定資産売却損益、など。

また、資産台帳のどこに金額を表示するか指定する際に使用する。

取得価額について

取得価額の算出について、総額法正味額法の2パターンある。

  • 総額法:現金割引に関わらず、全額を取得金額とする
  • 正味額法:最大現金割引を行った金額を取得金額とする

取得価額の算出方法は、伝票タイプで制御している。正味額法を採用する場合は、以下のカスタマイズを設定すること。

【カスタマイズ】
SPRO>財務会計>財務会計共通設定>伝票>伝票タイプ>定義: データ入力ビューの伝票タイプ において「正味転記伝票タイプ」をONにする。

資産の照会:資産エクスプローラ(AW01N)

資産エクスプローラ(Tr-Cd:AW01N)は、固定資産の補助元帳上の金額を確認するための機能である。

  • 画面中央が資産の金額に関するデータ
    • 計画価額:先々に発生する予定の償却費を見込んだ数値
    • 記帳額:実際に転記済の数値
    • 比較:転記済の金額を年度で比較したり、償却領域で比較したりできる
    • パラメータ:償却に関するデータ(耐用年数など)
    • 画面下部には、資産の金額に関するデータの詳細(取引金額、各月の償却費)を表示
  • 画面左に「償却領域」が並んでいる
    • 各償却領域をダブルクリックすることで、その償却領域に転記した金額を表示する
  • 画面左下に関連するマスタ(仕入先、原価センタ、G/L勘定コードなど)が並んでいる
    • ダブルクリックすると、各マスタに飛ぶ

資産マスタの更新

最初の取得転記時に、資産マスタレコードで以下の情報が自動的にセットされる。

タブ項目備考
一般データ資本化日付資産評価日から誘導される。
一般データ初回取得日資産に関連するマスタの初回取得日が、
資産評価日から誘導される。
一般データ取得年度、取得期間転記日付から誘導される。

(発生源)
仕入先(APと統合している場合)
取得元の仕入先コードがセットされる。
償却領域償却開始日資産評価日と償却キーにより、
各償却領域の償却開始日がセットされる。

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在庫購買管理(MM)統合時の資産取得、非統合資産の取得

在庫購買管理(MM)統合時の資産取得

MMと連携している場合は、MM伝票(請求書照合など)によって会計伝票が自動で同時起票される。たとえば、商品の仕入れによって発生する伝票が登録されると、自動で会計伝票が登録される。

このとき、入庫で商品の仕入伝票を起こすか、請求書照合で仕入伝票を起こすか決められる。請求書照合で仕入伝票を起こす場合は、購買発注伝票の明細の納入管理タブにある「入庫(非評価)」フラグをONにする。

債務(AP)、在庫購買管理(MM)非統合時の資産取得

債務や在庫/購買管理と統合していない場合は、固定資産の相手勘定に消込勘定(G/L勘定)を指定して、資産取得を登録する。

業務として、以下のパターンが想定される。

  • 仕入先請求書が資産よりも先に到着した。
    • 事前に仕入先請求書(消込勘定/未払金)が登録されており、後に資産取得(機械/消込勘定)を登録する。
  • 資産はすでに納入され、使用されているが、請求書が届いていない。
    • 資産取得(機械/消込勘定)は登録済みであるが、請求書(消込勘定/未払金)が未登録の状態。

トランザクションコード:ABZON「自動相殺仕訳のある取得」を利用する。

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利益センタ、セグメントの誘導

FI伝票への利益センタ、セグメントの誘導について解説する。

まず、原価センタ、利益センタ、セグメントの構造を振り返る。原価センタに利益センタを割り当て、利益センタにセグメントを割り当てする。そのため、資産マスタの原価センタから利益センタを誘導し、利益センタからセグメントを誘導する
※参考:2-4.セグメント、利益センタ、原価センタ

FI伝票への利益センタやセグメントの誘導方法

資産マスタに利益センタ、セグメントを割当するだけでは、FI伝票に値がセットされない。FI伝票に利益センタ、セグメントをセットするには、次の作業が必要になる。

  • セグメントレポート有効化(EHP4以前)
    1. 資産マスタに原価センタ等を入力(利益センタ、セグメント項目がマスタにないため)
    2. 原価センタ等に対して勘定割当オブジェクトを設定
  • セグメントレポート有効化(EHP5以前)
    1. 資産マスタに利益センタ、セグメントを入力
    2. 利益センタ、セグメントに対して勘定割当オブジェクトを設定
      ※利益センタ、セグメントに対して直接設定する

セグメントレポートの有効化

EHP5以後に用意された機能で、有効化すると以下が変更される。

  • 資産エクスプローラで、資産マスタに割当された利益センタが表示される
  • AS01など資産を一括登録する際、利益センタおよびセグメントを手入力できる

【カスタマイズ】

  1. SPRO>財務会計>固定資産管理>総勘定元帳との統合>セグメントレポート>有効化: セグメントレポート を起動する。
  2. セグメントレポート有効をONにして、保存する。

有効化すると戻せないため、実行する場合は慎重に検討すること。

勘定割当オブジェクトの定義:ACSET

勘定割当オブジェクトでは、どの項目をFI伝票に反映させるかを定義している。先程の説明では、EHP4以前は原価センタ、EHP5以降は利益センタとセグメントをFI伝票へ反映させる設定をしている。

利益センタ、セグメントを後で誘導する方法

すでに有効化された資産に対して、利益センタ、セグメントを後で誘導するためのプログラム(FAGL_ASSET_MASTERDATA_UPD)が用意されている。

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カスタマイズ操作方法

事前準備

資産取得用に仕入先「Vendor_A01」を登録する。

  1. SAPメニュー>会計管理>財務会計>債務管理>マスタレコード>登録(Tr-Cd:FK01)を起動する。
  2. 以下のデータを入力し、保存する。
仕入先Vendor_A01
会社コード1000
参照
仕入先Vendor01
会社コード1000

資産取得:F-90

資産取得:F-90
  1. SAPメニュー>会計管理>財務会計>固定資産>転記>取得>外部取得>仕入先あり(Tr-Cd:F-90)を起動する。
  2. 以下のデータを入力し、Enterを押下する。
伝票日付2000/04/01
タイプ[KN]仕入先正味
転記日付2000/04/01
転記キー[31]請求書
勘定Vendor_A01
  1. 第一明細画面で以下のデータを入力し、Enterを押下する。
金額11,000
税コード(任意 ※本演習では10%とする)
税額計算ON
転記キー[70]借方資産
勘定(「切断機-001」の資産番号)
取引タイプ[100]取得: 外部からの資産取得
  1. 第二明細画面で金額に「*」を入力し、Enterを押下する。
  2. 伝票を保存(転記)する。

伝票照会:FB03
  1. 先程登録した伝票を伝票照会(Tr-Cd:FB03)などで照会する。
  2. 仕入先明細をダブルクリックし、買掛金勘定で計上されていることを確認する。
  3. 前画面に戻り、切断機-001の明細をダブルクリックする。
    勘定設定の「[A10010]機械」で計上されていることを確認する。

資産確認:AW01N

  1. SAPメニュー>会計管理>財務会計>固定資産管理>資産>資産エクスプローラ を起動する。
  2. 「切断機-001」の資産番号を入力し、Enterを押下する。

転記された会計伝票を確認する
  1. 画面下部の「取引」欄から取引タイプ「[100]取得: 外部からの資産取得」をダブルクリックする。
    →先程登録した資産取得の伝票に遷移する。

取得価額の確認
  1. 画面中央の「取得価額」が「10,000」となっていることを確認する。

「会計年度開始」列は期首時点の残高、「変更」列に当年度の金額が表示される。
上図では、2000/04/01に取得しているため、2000年度期首データはなし、期中の取得金額と、予定償却額が表示されている。

償却情報の確認
  1. 画面中央の「パラメータ」をクリックし、償却キー、耐用年数、通常償却開始日(転記月の初日)を確認する。
  2. 画面中央の「比較」をクリックし、「15」をクリックする。
    →「01」と「15」が選択され、「<01>」「<15>」の表記になる。
    償却費が償却領域ごとに異なっていることを確認する。

資産マスタの照会
  1. メニューバー>ジャンプ>マスタデータ照会 をクリックする。
    →資産マスタ画面に遷移する。
  2. 資本化日付、初回取得日、取得年度が更新されていることを確認する。
  3. 「元」(もしくは「発生源」)タブをクリックする。
    仕入先が更新されていることを確認する。
  4. 「償却領域」タブをクリックする。
    通常償却開始日が更新されていることを確認する。

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テーブル

テーブルID内容説明備考

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演習問題

コメント

  1. minn より:

    すごく分かりやすかったです。
    ありがとうございます。

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