【認定試験対策】財務会計(FI)2-4.セグメント、利益センタ、原価センタ

概要

セグメント、利益センタ、原価センタについて解説する。いずれも組織型のユニットであり、特に利益センタについては他の領域でも使われる項目のため、影響する範囲が広い。試験的にも実務的にも押さえておきたいポイント。

カスタマイズ、トランザクションコード

• KE51 – 利益センタの登録
• KS01 – 原価センタの登録

セグメント、利益センタ、原価センタ

セグメント、利益センタ、原価センタは、いずれも組織のマスタである。主な役割は次のとおり。

セグメント	会社コード以外の切り口でレポートを出力したい際に使用する。 New GL以降、新たに使えるようになった組織。
利益センタ	利益（収益と費用）を管理するマスタ。 New GL以降、FIで使用できる組織となった。
原価センタ	費用を管理するマスタ。管理会計（CO）で使用する組織。

※より詳しく知りたい人はこちらを参考：利益センタや原価センタを使った管理会計とは？┃橘 隆行 税理士事務所

マスタの構想

マスタの誘導

誘導とは

誘導とは、伝票入力時などにマスタ情報を自動入力する仕組みである。たとえば、伝票入力時、原価センタを入力すると原価センタが属している利益センタを自動入力する、ということができる。

注意点として、誘導はあくまで初期値の自動入力であり、伝票入力時に手入力で上書きできる。上書きできないようにするには、項目ステータスで入力不可にするなどの対応が必要。データの入力ミスを防ぐため、誘導できるマスタは手入力不可にして誘導のみでデータ入力する方が望ましい。

セグメント、利益センタの誘導

前述の図のとおり、セグメント、利益センタ、原価センタはマスタの紐付きを設定できるため、この紐付きを利用してマスタの誘導ができる。原価センタから利益センタが誘導でき、利益センタからセグメントが誘導できる。

カスタマイズ操作方法

各組織マスタを登録し、伝票登録時に原価センタ→利益センタ→セグメントと誘導されることを確認する。

1. セグメントの登録
2. 利益センタの登録、セグメントを割り当てる
3. 原価センタの登録、利益センタを割り当てる
4. 利益センタの誘導、セグメントの誘導確認

セグメントの登録

1. SPRO＞企業構造＞定義＞財務会計＞定義: セグメント を起動する。
2. 「新規エントリ」を押下し、セグメント情報（セグメントコード：SE01）を入力して保存する。

利益センタの登録、セグメントを割り当てる：KE51

1. SAPメニュー＞会計管理＞財務会計＞総勘定元帳＞マスタレコード＞利益センタ＞個別処理＞登録 を選択する。
2. 「利益センタ」「管理領域」を入力し、Enterを押下する。
3. 利益センタの情報を入力する。

利益センタ	PR01
セグメント	SE01（これにより利益センタとセグメントが紐づく）
※その他の項目	任意

4. 保存し、有効化する。
   ※有効化しないと、利益センタを利用できない。

原価センタの登録、利益センタを割り当てる：KS01

1. SAPメニュー＞会計管理＞管理会計＞原価センタ会計＞マスタデータ＞原価センタ＞個別処理＞登録 を選択する。
2. 原価センタの情報を入力し、保存する。

原価センタ	CO01
利益センタ	PR01（これにより原価センタと利益センタが紐づく）
※その他の項目	任意

利益センタの誘導、セグメントの誘導確認：FB50

1. SAPメニュー＞会計管理＞財務会計＞総勘定元帳＞伝票入力＞G/L勘定伝票入力(Enjoy) を選択する。
2. 伝票ヘッダ情報を入力する。
3. 伝票明細情報を入力する。
4. 原価センタに「CO01」を入力し、Enterを押下する。
5. 利益センタ「PR01」、セグメント「SE01」が誘導されることを確認する。

テーブル

テーブルID	内容説明	備考
FAGL_SEGM	セグメントのマスタデータ
CEPC	利益センタマスタ
CSKS	原価センタマスタ

演習問題

※複数回答の設問あり。
※答えはドラッグすると見れる。

正解：B

セグメントを直接誘導できるのは、利益センタのみ。他のマスタは一度利益センタを誘導し、利益センタからセグメントが誘導される仕組みであり、直接誘導するものではない。そのため、Bのみが正解。

出題の仕方がイマイチではるが、実際のテストはこんな形で出るので、ある程度問題を解釈する力が求められる。慣れるしかない。

正解：ACD