「まずは、転職のきっかけをお聞かせください」
「志望動機をお聞かせください」
転職面接において、転職理由は必ず聞かれる質問ですよね。
私は面接官をやっていますが、その人となりを知るためにも必ず聞きます。
ただし、転職理由を聞いていると「あんまり考えてこなかったのかな?」と思うことも少なくありません。
転職理由に絶対的な正解があるわけではありませんが、できるなら好印象を与えたいですよね。
転職理由の回答について押さえるべきポイントを見ていきましょう!
■対象者 ・SAP業界(IT業界)に従事する業界歴1~3年の人 ・IT業界への転職を検討している人 ■この記事で理解できること ・自分なりの転職理由、志望動機の答え方
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結論:転職理由はストーリーで語れ!
結論ですが、転職理由は相手が「なるほど!それでこの転職なんですね」と納得できる一連のストーリーで話してください。
一連のストーリーであるとは、話の流れに一貫性があるということです。
たとえば、「1回目の転職は、保育士になるため。2回目の転職は、SEになるため。」だと一貫性がないですよね。
聞き手に「行き当たりばったりなのかな」という印象を与えるかも知れません。
これが、「1回目の転職は、SEになるため。2回目は、SEからコンサルになるため。ゆくゆくはPMOを目指しています。」だと一貫性がありますよね。
聞き手に「キャリアアップのために転職をしている」という印象を与えられそうです。
ストーリーで語るメリットについて、具体的に見ていきましょう。
①納得感が圧倒的に高い
ストーリーで語る一番のメリットは、転職理由の納得度が圧倒的に高いことです。
そもそも、転職理由に絶対的な正解はありません。
つまり、聞いた人が「そうだね」と納得できるものであれば良いのです。
ストーリーで語ることで、「そうだね」と言わせる確率が飛躍的に上がります。
具体的に以下の問いに答えられるようにしましょう。
そもそも、なぜ転職しようと思ったのか
まずは、そもそも転職しようと思ったきっかけを簡潔に答えましょう。
ポイントは、「給与が上がらないから」といったネガティブな理由よりも「○○に挑戦するため」といったポジティブな理由を全面に押し出しましょう。
もちろん「給与が上がらないから」も理由としてあって当然ですが、簡潔に述べる場合は、ポジティブな意見を押し出した方が好印象です。
将来のキャリアをどのように考えているか
今回の転職だけでなく、もっと先の10年後、20年後の将来設計を伝えましょう。
ストーリーで話すとは、過去→現在→未来という流れが必要です。
この未来がなければただの行き当たりばったり、後付けと思われてしまいます。
将来のこと “も” 考えたうえで転職活動している、という点が重要なのです。
将来のキャリアに対して、今回の転職がどういう意味を持つか
先ほど回答した未来に対して、今回の転職が何の意味になるかを伝えましょう。
「ゆくゆくはPMOになりたいと思っている。そのために今はコンサルとして力をつけたい。」といった具合です。
将来から逆算した現在、を語りましょう。
ここまでくれば「それで転職したいのね。」と思ってもらえるはずです。
転職理由と志望する企業が合っているか
転職理由と志望する企業(面接を受ける企業)がマッチしている、ことを伝えましょう。
ここまでは転職理由を話しました。
面接官として次に気になるのは、「なぜ弊社なのか」ですよね。
「プライム案件を数多く手掛け、かつコンサル育成にも力を注いでいるという御社が、マッチすると考えました。」
こう聞くとなるほど、と思いますよね。
他の企業ではなく、志望する企業である必要性があるか
この質問、聞かれたことあるのではないでしょうか。
回答に困りますよね。
転職理由・志望動機と、志望する企業の経営理念やビジョンが結びついていることを回答しましょう。
、、、とは言っても経営理念やビジョンは抽象的ですので、志望動機と結びつけるのは難しいかもしれません。
その場合は、志望理由が企業独特・企業固有のものと結びついていることを回答しましょう。
たとえば、「御社のインターンを受けた際に、優秀な社員さんとたくさん会いました。彼らと一緒に働きたいと考えました。」といった具合ですね。
企業の商品やサービスを使ってもいいと思います。
コアな質問だけに、しっかり考えていないと答えられないわけです。
逆に答えられるとかなり好印象ですし、他の人との差別化もできます。
面接官としても、ここまで答えてもらえると嬉しいですよね。
以上をまとめると、こんな感じの例ができあがります。
細かいところは省略していますが、骨子として一貫したストーリーがありますね。
1社目はABAPエンジニアとして、設計書をもとに開発、テストに従事しました。 SAPコンサルにチャレンジしたいと考えていますが、今の会社だと上流工程に関われる可能性が低そうですので、転職を考えました。 御社は、プライム案件を数多く手掛け、かつコンサル育成にも力を注いでいると伺っていますので、私の希望とマッチしそうということで応募しました。 また、ゆくゆくはPMOになりたいと思っています。その点においても御社が合うと考えております。
あくまで例なので、細かいところは省いています。
参考程度にして、あとはご自身で考えましょう。
②企業が求める人物像と合っているか判断できる
転職理由・志望動機をしっかり伝えられると、面接官は企業の求める人物像とマッチしているかが判断できます。
当たり前ですが、企業によって求める人物像が異なります。
三次請け企業、四次請け企業は、手を動かせるエンジニアをより求めるかもしれませんし、プライマリベンダであれば、ゆくゆくはPMOをなれる人材を欲しがるでしょう。
たとえば、あなたが「開発として4年の経験があり、設計、開発、テストと一通りこなせる。今は開発だが、ゆくゆくはコンサルとして上流工程に携わりたい。」として、企業が「即戦力で働ける人物、できればコンサルとして高単価の案件を任せたい。」と考えていれば、マッチしていそうです。
これは、相性の話ですので、マッチしていないからといって落ち込む必要はありません。
マッチしてない状態で入社すると、入社後のギャップに苦しむことになるので、求職者としても企業としても不幸です。これを回避できるのが大きいのです。
③【Advanced】エピソードトークがあると納得できる
これまでの内容に加え、さらに納得感を上げる方法がエピソードトークを加えること。
先ほどの例のように「御社のインターンを受けた際に、優秀な社員さんとたくさん会いました。彼らと一緒に働きたいと考えました。」など。
エピソードには、その人となりがにじみ出るし、しっかり用意していないと答えられません。
付け焼き刃ではない印象を与えられます。
なお、エピソードトークは話の尺が膨らむので、冒頭の志望理由では伏せておき「求められたら答える」という形でもいいでしょう。
まとめ:転職ストーリーは自身の振り返りにもなる
いかがでしたか。
意外と考えるポイントが多いと思われたかもしれません。
当たり前ですが、転職理由・志望動機には自己分析と企業分析の集大成が盛り込まれています。
なので、ここがスラスラ出てこないと自身の振り返り、まとめが甘いといえるでしょう。
逆に転職理由・志望動機を書くのに困らなかった人は、自身の振り返りがある程度できていそうです。
転職理由・志望動機は内定を大きく左右するものではないかもしれません。
しかし、冒頭で必ず述べる第一声になりますので、第一印象が決まります。
転職をストーリーで語り、面接官に好印象を与えて、快調なすべりだしにしましょう。
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