【認定試験対策】管理会計(CO)6-7.作業区

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概要

作業区について解説する。作業区は作業手順に紐づくマスタであり、作業区の項目が作業手順の初期値となっているものも多いので、その点を意識しながら理解するとよい。

また、作業区は作業手順に紐づいているだけでなく、様々なマスタと紐づく。本記事では、原価計算に関連する話を中心に解説する。

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カスタマイズ、トランザクションコード

  • CR01 – 作業区 登録
  • CR02 – 作業区 変更
  • CR03 – 作業区 照会
  • OP40 – 定義: 作業区カテゴリ
  • OP45 – 定義: タスクリスト用途
  • OP7B – 定義: パラメータ
  • OP19 – 定義: 標準値キー
  • OP42 – 定義:作業区の初期値
  • OP35 – 定義: 作業効率キー
  • OP51 – 定義: 計算式パラメータ
  • OP54 – 定義: 作業区の計算式
  • OP67 – 定義: 管理キー

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作業区

作業区とは

実際に作業をする物理的な場所。生産ラインなど。作業員そのものを作業区で管理することもある。前述のとおり、作業区は作業手順に紐づくだけでなく、ネットワーク、品質検査計画、保全タスクリスト、概略計画プロファイルなどで使用する。

6-1.製品原価計画(PCP)の概要に引き続き、車の原価計算を例にBOMイメージを提示する。

上図の例に、車の作業手順を見ると、塗装作業をする場所としてラインA、組立作業をする場所としてラインBが紐づいている。原価計算においては、原価センタ、活動タイプ、標準値を決める項目となる。

  • 原価センタ
  • 活動タイプ
  • 標準値
    • 作業における費用計上の種類を指定する。組立における作業員の労働時間(労務費)、機械の稼働時間(経費)といった具合である。この費用計上の種類が作業手順の明細にセットされる。

作業区は、プラントと作業区コードをキーとする。以降で各画面で設定する項目について解説するが、マスタの紐付きイメージを貼っておくので、こちらを頭に入れながら読み進めると理解しやすい。

作業区ヘッダ

作業区ヘッダで設定する項目は、作業区のコード値と名称くらいである。

項目備考
プラント生産を行うプラント。作業区のキーになる。
作業区作業区のコード値。最大8桁で入力する。
名称作業区の名称。

「基本データ」タブ

作業区カテゴリ

作業区のマスタ画面を制御している項目。作業区の分類ごとに作るイメージ。機械、生産ライン、作業者、など。マスタ画面にどの項目を並べるか、を制御している。

用途(タスクリスト用途)

作業区を利用できるタスクリストを制御している。タスクリストとは、[A]プラント保全、[N]作業手順、[Q]品質検査、など作業区を使うマスタの種類を表している。

特に制御しない場合、「[009]全タスクリストタイプ」をセットする。

標準値

作業における費用計上の種類を指定する。標準値は直接入力するのではなく、標準値キーを指定することで誘導される。

標準値キー

標準値キーは、作業における費用計上のグルーピングである。

例えば、塗装工程では人が機械を操作して行うと仮定する。作業員の労働時間は労務費、機械の稼働時間は経費として費用計上したい。このとき、標準値として、労働時間、機械時間、を設定し、労働時間は労務費、機械時間は経費と紐づけすることで、それぞれの計上科目を分けるのである。

つまり、別々の原価要素に費用を計上するための機能と言える。

標準値のキーワード(パラメータ)ごとに、更新規則と効率キーを設定する。

更新規則

作業時間を計上する際、入力必須のチェックをかけるかどうか制御する。以下の選択肢から指定する。

  • チェックなし
  • 入力不可
  • 入力任意(入力した場合に警告を表示)
  • 入力任意(入力しない場合に警告を表示)
  • 入力必須

効率キー(作業効率キー)

目標時間に対する実積時間の割合。割合自体は直接入力ではなく、事前にカスタマイズで定義しておく。効率キーを入力すると、標準時間に割合をかけた時間が実積時間となる(はず)。

効率キーを作業区にセットしておくと、作業手順の初期値にセットされる。

「初期値」タブ

作業手順にセットする初期値を作業区で決めておく機能。ここで設定した項目は作業手順に自動誘導される。いくつか項目があるが、一番重要なのは次に説明する管理キーである。

管理キー

管理キーは、利用できるトランザクションをまとめたもの。日程計画に使う場合は、日程計画のフラグをONにする。同様に能力所要量、自動入庫、検査工程、など各種フラグがあり、それぞれのトランザクションで利用する場合はフラグをONにする。原価計算に含める工程には、原価計算フラグをONにする

管理キーは、予めカスタマイズで設定しておき、作業手順の明細(作業)に割当する形で利用する。作業登録の度に、ON/OFFを設定するわけではない。

「原価計算」タブ

原価計算タブには、原価計算に関する項目が設定されている。特に重要な項目は原価センタ、活動タイプ、計算式である。

原価センタ

作業場所を表す原価センタを指定する。費用計上する原価センタであり、原価計算時に活動価格(賃率)を取得する条件になる。※参考:1-2.原価センタ、原価センタグループ、標準階層

活動概要

活動概要には、以下の項目を設定する。

  • 活動タイプ
  • 活動単位
    • 活動の単位。[H]時間、など。
  • 計算式
    • 原価計算に必要な計算式を入力する。例えば、組立の労務費を「作業数量(作業時間)×ロットサイズ/基本数量」というように入力する。入力はパラメータ(コード値)を用いて入力するため、実際には「[SAP_09]作業数量 × [Z01]ロットサイズ / [SAP_08]基本数量」といった具合になる。
    • パラメータ、および計算式はそれぞれカスタマイズで設定する。SAP標準で用意されているものもあるし、ユーザ独自での追加も可能。なお、計算式では「原価計算で使用可能」フラグをONにすること。
    • 原価積上時は先程の計算式に作業効率、活動単価を加味して金額を求める。
      例:計算式(20h×1/1=20h) / 作業効率(50%) × 活動単価(1500円/h) ⇒ 6万円

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カスタマイズ操作方法

トランザクション

  • SAPメニュー>ロジスティクス>生産>マスタデータ>作業区>作業区>
    • 登録(Tr-Cd:CR01)
    • 変更(Tr-Cd:CR02)
    • 照会(Tr-Cd:CR03)

カスタマイズ

  • SPRO>ロジスティクス – 一般>プロダクトライフサイクルマネジメント (PLM)>基本データ>作業区>
    • 一般データ>
      • 定義: 作業区カテゴリ(Tr-Cd:OP40)
      • 定義: タスクリスト用途(Tr-Cd:OP45)
      • 標準値>
        • 定義: パラメータ(Tr-Cd:OP7B)※各パラメータの名称、次元、単位を設定
        • 定義: 標準値キー(Tr-Cd:OP19)※標準値キーにパラメータを割当
      • 設定:責任者
      • 定義:作業区の初期値(Tr-Cd:OP42)※作業区マスタの初期値を設定(マスタ内の初期値タブとは異なるので注意)
    • 原価計算>
      • 定義: 作業効率キー(Tr-Cd:OP35)
      • 作業区の計算式>
        • 定義: 計算式パラメータ(Tr-Cd:OP51)
        • 定義: 作業区の計算式(Tr-Cd:OP54)
    • 作業手順>作業データ>定義: 管理キー(Tr-Cd:OP67)

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テーブル

テーブルID内容説明備考
CRHD作業区ヘッダ
CRTX作業区、生産資源/治工具のテキスト
CRCO作業区を原価センタに割当
CRCA作業区能力割当

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