【認定試験対策】管理会計(CO)4-2.内部指図マスタ

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概要

内部指図会計における最重要マスタ「内部指図マスタ」について解説する。

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カスタマイズ、トランザクションコード

  • KOT2_OPA – 定義: 指図タイプ
  • KONK – 更新: 指図の番号範囲
  • OK02 – 定義: ステータスプロファイル
  • KOT2_OPA_STSMA – 定義: 指図タイプのステータス管理
  • OKOV – 定義: 選択バリアント
  • BS22 – 更新: システムステータス
  • KO01 – 内部指図 登録
  • KO02 – 内部指図 変更
  • KO03 – 内部指図 照会
  • KOK2 – 内部指図一括処理
  • KOK3 – 内部指図一括照会
  • KOH1 – 指図グループ 登録
  • KOH2 – 指図グループ 変更
  • KOH3 – 指図グループ 照会

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内部指図マスタ

内部指図マスタの設定項目

ヘッダ

内部指図マスタの登録は、最初に指図タイプ後述)と管理領域を指定する。指図タイプは内部指図における重要項目であり、指図を制御するパラメータが設定されている。

「割当」タブ

割当タブでは、内部指図の属性を設定する。必要に応じて以下を入力する。例えば、ここで利益センタを入力すると内部指図に溜まった費用を利益センタ会計からも参照できる。

  • 管理領域
  • 会社コード
  • 事業領域
  • プラント
  • 機能領域
  • 対象クラス(投資、間接費、利益/販売、生産計画/管理、から選択)
  • 利益センタ
  • 責任原価センタ ※内部指図に対して責任を負う原価センタ。後述の実積転記原価センタと異なっていてもよい
  • 責任ユーザ
  • WBS要素
  • 受注明細

「制御データ」タブ

制御データタブでは、指図のステータスや実績転記or統計転記などを制御する。

項目名備考
<ステータス>
システムステータス
後述
SAP標準で用意されている指図のステータス。
以下の4区分があり、内部指図マスタ登録時は登録済orリリース済がセットされる。
CRTD:登録済
REL:リリース済
TECO:技術的完了
CMPL:終了
ユーザステータス
(ステータスプロファイル)
後述
SAP標準のステータスよりも詳細に管理したい場合に使う項目。
ユーザ独自のステータスをセットする。
<制御データ>
通貨
指図カテゴリ内部指図の場合は「[01]内部指図」
※参照:指図カテゴリについて
統計指図(ON/OFF)内部指図を統計転記とする場合はONにする。
統計転記については、2-2.管理会計伝票-一次転記参照。
実積転記原価センタ統計指図がONの場合に入力する項目。実積転記する原価センタを入力する。
計画統合指図(ON/OFF)内部指図に対する計画値を原価センタ会計や利益センタ会計に連携する場合は、ONにする。
収益転記(ON/OFF)収益勘定を内部指図に転記する場合はONにする。
未確定債務更新(ON/OFF)

「期末処理」タブ

結果分析など、期末処理に関するパラメータを設定する。

項目名備考
<期末処理>
結果分析キー
原価計算表
間接費キー
金利プロファイル
<1つのレシーバに対する決済>
決済原価要素
原価センタ
勘定コード

指図タイプ

指図タイプとは、指図の種類・分類を表す。指図の目的ごとに作成する。指図タイプによって指図に対してできる処理が制御されている。指図における最重要項目である。

指図タイプでは、次の内容を制御している。

  • 未確定債務管理を利用するか
  • 収益転記を許可するか
  • 指図のステータスプロファイル
  • 内部指図マスタの項目ステータス(必須、任意、など)
  • 指図の番号範囲、および内部採番外部採番のいずれであるか
  • 決済、計画、予算に関するパラメータ
  • 内部指図マスタ照会時の画面レイアウト

なお、指図タイプはクライントレベルで登録する。そのため、すべての管理領域で同じ指図タイプを利用する。

指図ステータス

指図ステータスにはSAP標準で用意されているシステムステータスと、ユーザが独自で設定するユーザステータスがある。

システムステータス

システムステータスは指図の進捗状況を表す。SAP標準で、登録済、発行済(リリース済)、技術的完了、終了の4つが用意されている。

システムステータスは、ステータスに応じてできる処理(トランザクション)が制御されている。例えば、終了ステータスの指図に対して費用計上したり、決済することは出来ない。これによりオペミス防止などの効果をもつ。

上記は、システムステータス(Tr-Cd:BS22)で確認できる。

ユーザステータス(ステータスプロファイル)

システムステータスよりも詳細に管理したい場合に利用する。ユーザステータスもシステムステータスと同様、ステータスに応じてできる処理(トランザクション)が制御されている。

予めユーザステータスとステータスごとにできるトランザクションを定義しておき、内部指図に応じたステータスを割当して利用する。

システムステータス、ユーザステータスの両方が割当されている場合、両方のステータスで内部指図に対して行えるトランザクションが制御される。つまり、両方とも許可されているトランザクションしか処理できない

内部指図グループ

原価センタグループや活動タイプグループと同じく、内部指図にもグルーピング機能がある。内部指図の費用を集計して見たり、決済処理の対象指図を一括指定するために利用する。

こちらも原価センタグループと同様、内部指図グループの中に内部指図グループを持てる。つまり、階層構造を持っている。ただし、原価センタグループと異なり、内部指図グループはクライアント依存であり、標準階層はない。

また、内部指図グループのテーブルも原価センタグループと同じ構造をしている。詳細は原価センタグループ、利益センタグループ、原価要素グループのテーブルを教えて下さいを参照。

【起動経路】
管理会計>内部指図>マスタデータ>指図グループ>登録(Tr-Cd:KOH1)

内部指図グループのバックアップ

内部指図グループには時間依存性がない。その代わり、接尾語という方法が用意されている。接尾語は、既存の内部指図グループに 「.」+Max4文字 を付与して階層ごとコピーする手法である。これによりグループのバックアップ機能としている。

※参考:原価センタグループのバックアップ

内部指図の一括処理

複数の内部指図を一括で更新・照会する機能がいくつか用意されている。

マニュアル一括処理

マニュアル一括処理は、更新対象の内部指図マスタを複数選択して一括更新をかけるシンプルな方法。マスタの項目を変更するだけでなく、ステータスの一括更新にも利用される。処理対象の指図を選択バリアントで指定しておけば、月末にバッチ処理するなどして自動化もできる。

【起動経路】

  • 一括更新(Tr-Cd:KOK2)
    管理会計>内部指図>マスタデータ>特殊機能>一括処理>マニュアル
  • 一括照会(Tr-Cd:KOK3)
    管理会計>内部指図>マスタデータ>特殊機能>一括処理>一括照会>マスタデータ

代入

代入は、内部指図マスタの登録・更新時、指図マスタに入力した内容に応じて、特定の項目を上書きする機能。例えば、「内部指図の責任原価センタが東京工場のとき、責任者をAさんで上書きする」といったことができる。

代入については、財務会計(FI)11-2.チェック、代入にてカスタマイズ方法を記載しているため、こちらも参照すること。リンク先では会計伝票に対する代入が説明されているが、指図マスタについても同様の処理ができる。読み替えて理解してほしい。

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カスタマイズ操作方法

カスタマイズの起動経路を示す。

  • SPRO>管理会計>内部指図>指図マスタデータ>
    • 定義: 指図タイプ(Tr-Cd:KOT2_OPA)
    • 更新: 指図の番号範囲(Tr-Cd:KONK)
    • ステータス管理>
      • 定義: ステータスプロファイル(Tr-Cd:OK02)
      • 定義: 指図タイプのステータス管理(Tr-Cd:KOT2_OPA_STSMA)
    • 画面レイアウト>定義: 指図レイアウト
    • 選択と一括処理>定義: 選択バリアント(Tr-Cd:OKOV)

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テーブル

テーブルID内容説明備考
T003O指図タイプ
T003P指図タイプテキスト
T003N指図タイプの番号範囲
TKO03指図ステータス
TKO04指図ステータステキスト
AUFK指図マスタデータ
COBRA指図決済の決済規則
COBK配賦規則 決済規則 指図決済

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