【認定試験対策】財務会計(FI)9-10.見越、繰延

スポンサーリンク

概要

決算期における処理のひとつ、見越、繰延について解説する。

スポンサーリンク

カスタマイズ、トランザクションコード

  • FBS1 – 見越/繰延伝票入力
  • F.81 – 見越/繰延伝票の反対仕訳
  • FBD1 – 繰返伝票登録
  • F.14 – 繰返伝票からの転記伝票作成
  • SM35 – バッチインプット: セッション

スポンサーリンク

見越、繰延

見越、繰延

見越、繰延は、費用や収益を正しい会計期間に転記するための処理である。まずは、どのような仕訳を登録するかを見ておく。

見越

計上されていないものを見込みで計上する処理。

【例】3月分の保険料1000円を4月15日に支払の場合
   ※SAPで登録するのは太文字の仕訳

日付処理仕訳
3/31決算 保険料  1,000 / 未払保険料 1,000
4/1期首未払保険料 1,000 /  保険料  1,000
4/15支払 保険料  1,000 /  現預金  1,000

繰延

計上済みの費用や収益を翌期首などに振り返るための処理。

【例】3月15日に保険料2,000円を支払、うち1,000円は4月分の場合
   ※SAPで登録するのは太文字の仕訳

日付処理仕訳
3/15支払 保険料  2,000 /  現預金  2,000
3/31決算前払保険料 1,000 /  保険料  1,000
4/1期首 保険料  1,000 / 前払保険料 1,000

見越、繰延伝票の入力

見越、繰延伝票の入力におけるポイントは、以下のとおり。

  • 見越、繰延伝票の転記日は期末、反対仕訳伝票は翌期首に登録する。
  • 見越、繰延伝票を入力時に、反対仕訳理由を入力する。
  • 見越、繰延伝票と反対仕訳では会計期間が異なるため、反対仕訳理由の代替転記日フラグは必須
    ※カスタマイズ:SPRO>財務会計>総勘定元帳>取引>調整転記/反対仕訳>定義: 反対仕訳理由 で「代替転記日」欄をONにする。
  • 見越、繰延の反対仕訳は一括登録できる。

繰返入力プログラム

繰返入力プログラムは、決まった仕訳を定期的に登録する機能。毎月発生する定期仕訳を入力するために利用する。各期間において同じ金額が同じG/L勘定に転記されるため、見越、繰延には繰返入力プログラムが適している。

利用手順は、以下の通り。

  1. テンプレートを登録
  2. 繰返入力プログラム実行(テンプレートを集めるだけ、転記はしない)
  3. バッチインプットセッション登録(※セッション:伝票登録用の情報)
  4. 伝票転記

スポンサーリンク

カスタマイズ操作方法

前払保険料の決算整理(繰延)を想定して演習を行う。

  1. 繰延伝票の入力:FBS1
  2. 繰延伝票の反対仕訳入力:F.81

また、毎月末(3ヶ月分)に保険料の支払を想定して、繰返伝票の登録を実施する。

  1. 繰延伝票の自動入力

演習で使用するG/L勘定コード「保険料」、「前払保険料」が登録されていない場合は、事前に登録しておく。
※G/L勘定コード登録の参考:2-1.G/L勘定(総勘定元帳勘定)

繰延伝票の入力:FBS1

  1. SAPメニュー>会計管理>財務会計>総勘定元帳>定期処理>決算処理>評価>見越/繰延伝票入力 を選択する。
  2. 以下のデータを入力し、Enterを押下する。
伝票ヘッダ
伝票タイプ[SA]総勘定元帳
転記日付2001/03/31
転記取消
反対仕訳理由[05]見越/繰延転記
反対仕訳日付2001/04/01
第一明細
転記KEY40
勘定(前払保険料のG/L勘定コード)
  1. 第一明細の入力画面で、以下のデータを入力する。
第一明細
金額(任意の金額)
第二明細
転記KEY50
勘定(保険料のG/L勘定コード)
  1. 第二明細の入力画面で、金額(第一明細と同額)を入力して保存(転記)する。
  2. 伝票照会(Tr-Cd:FB03)で登録した伝票を照会する。
    反対仕訳理由に「[05]見越/繰延転記」がセットされていることを確認する。

繰延伝票の反対仕訳入力:F.81

  1. SAPメニュー>会計管理>財務会計>総勘定元帳>定期処理>決算処理>評価>見越/繰延伝票の反対仕訳 を選択する。
  2. 以下のデータを入力し、実行する。
    →実行後のログ画面で、反対仕訳伝票の伝票番号が表示されるので、メモしておく。
  3. 伝票照会(Tr-Cd:FB03)で登録された反対仕訳伝票を照会する。
    反対仕訳理由に「[05]見越/繰延転記」がセットされていることを確認する。
     転記日付が翌年度期首「2001/04/01」となっていることを確認する。
  4. 「反対仕訳伝票」をクリックする。
    →繰延伝票にジャンプすることを確認する。

繰延伝票の自動入力

繰返伝票登録(テンプレート登録):FBD1

まず、繰返伝票のテンプレートを登録する。

  1. SAPメニュー>会計管理>財務会計>総勘定元帳>伝票入力>参照伝票>繰返伝票(Tr-Cd:FBD1)を選択する。
  2. 以下のデータを入力し、Enterを押下する。
会社コード1000
繰返入力実行
実行開始日2001/03/31
実行終了日2001/05/31
実行周期(月間隔)1
実行日31
伝票ヘッダ
伝票タイプ[SA]総勘定元帳
転記日付2001/03/31
第一明細
転記KEY40
勘定保険料のG/L勘定コード)
  1. 第一明細の入力画面で、以下のデータを入力する。
第一明細
金額(任意の金額)
第二明細
転記KEY50
勘定現預金のG/L勘定コード)
  1. 第二明細の入力画面で、金額(第一明細と同額)を入力して保存(転記)する。
  2. 転記時の伝票番号をメモする。

繰返伝票からの転記伝票作成:F.14

実際の伝票を登録する。繰返入力プログラムの実行→バッチインプットセッション登録→伝票転記まで実施する。

  1. SAPメニュー>会計管理>財務会計>総勘定元帳>定期処理>繰返伝票>実行(Tr-Cd:F.14)を選択する。
  2. 以下のデータを入力する。
会社コード1000
伝票番号(先程メモした伝票番号)
決済期間2001/03/31
※他の期間を選択するとうまくいかないので注意
  1. 実行する。
    →メッセージ「セッション 【セッション名】 が登録されました」と表示されるので、セッション名をメモしておく。
  2. メニューバー>システム>サービス>バッチインプット>セッション(Tr-Cd:SM35)を選択する。
    →バッチインプット画面が起動する。
  3. メモしたセッションを選択し、「処理」ボタンをクリックする。
  4. ポップアップで「エラーのみ表示」を選択し、Enterを押下する。
  5. 伝票が登録されるので、伝票照会(Tr-Cd:FB03)で照会する。

2回目以降の伝票は、繰返伝票入力(Tr-Cd:F.14)から実施する。

  1. SAPメニュー>会計管理>財務会計>総勘定元帳>定期処理>繰返伝票>実行(Tr-Cd:F.14)を選択する。
  2. 以下のデータを入力する。
会社コード1000
伝票番号(先程メモした伝票番号)
決済期間2001/4/30
※他の期間を選択するとうまくいかないので注意

スポンサーリンク

テーブル

テーブルID内容説明備考

スポンサーリンク

演習問題

※複数回答の設問あり。
※答えはドラッグすると見れる。

マニュアルでの見越、繰延伝票を登録する際、入力が必要な項目は次のどれか。

A. 転記日付
B. 反対仕訳理由
C. 反対仕訳日付
D. 反対仕訳登録者

正解:ABC

コメント

タイトルとURLをコピーしました