【認定試験対策】財務会計(FI)1-1.会社コード、組織ユニット

スポンサーリンク

概要

財務会計の基本となるマスタ、特に組織系のマスタについて解説する。

スポンサーリンク

カスタマイズ、トランザクションコード

  • OX15 – 会社の定義
  • OX02 – 編集/コピー/削除/チェック: 会社コード
  • OX16 – 割当: 会社コード -> 会社
  • OX10 – プラントの定義、コピー、削除、チェック
  • OX18 – 会社コードに対するプラントの割当
  • OBY6 – 会社コードグローバルパラメータ登録
  • OX19 – 管理領域のメンテ、会社コード割当

スポンサーリンク

組織系のマスタについて

クライアント、会社コード

財務会計において、まず押さえておくべき組織が以下2つ。

  • クライアント
    • SAPシステム内で一番大きな組織軸。クライアントは、企業グループまたは関連会社のグループのレベルに相当する。
  • 会社コード
    • いわゆる「会社」という単位。子会社をもつ企業であれば会社単位で会社コードを設定する。
    • 最低限必要となる構造、つまり必須の設定。
    • 会社コードで定義する内容
      • 会社コードの定義
        4桁の会社コード
        ・会社名
        ・国や住所など
        通貨
        ・言語
      • グローバルパラメータ
        勘定コード表
        ・会計年度バリアント
「依存」「非依存」について

SAPでは「依存」「非依存」という言葉が登場する。「どのレベルで設定しているか」という話と理解してもらえればいい。

例えば、「クライアント依存」は「クライアントごとに設定している」という意味合い。逆に「クライアント非依存」は「全クライアントで共通の設定」という意味合い。

他にも「会社依存」「年度依存」という言葉が登場するが、すべて同じ使い回し。

その他の組織ユニット

前述の組織系のマスタを組織ユニットと呼ぶ。

会社コード以外にも、財務会計では組織ユニットが使用できるが、これらはオプションになる。つまり、使用するかどうかは要件に応じて決めれば良い。

使用できる組織ユニットは、以下のとおり。

  • 事業領域(参考:事業領域とは
    • 組織内の個別の事業分野を表し、複数の会社コードにまたがって使用することができる。 事業領域は決算の単位となる事業体であり、この事業体ごとに内部または外部で使用する財務諸表のセットを作成することができる。事業領域ごとに取引金額を保存して評価することができる。
    • 会社コード:事業領域は、N:M
  • 利益センタ
    • 会社内の原価と収益に関与する。利益を内部的に分析することができる。主に管理会計で利用する。
  • セグメント
    • 外部レポート用に財務諸表を登録することができる会社の部門。 国際会計原則(USGAAP(SFAS131)およびIFRS(IFRS8))により、企業はセグメントレポートの実行を義務付けられている。
  • 会社ID
    • 法的組織を表している(イメージ:法人)。会社コードとは異なる組織であるため、注意すること。複数の会社コードを割り当てて使用し、それらの会社コードは連結を準備するために使用される。指定すると、業務処理、マッピング、およびグループ内の関係の照会を行う場合に役立つ。例)連結→SAPFC
    • 会社コード:会社IDは、N:1
  • 機能領域
    • 売上原価会計では、発生した機能領域に基づいて間接費がレポートされる。「勘定コード+機能領域」を使用して、財務諸表(P/L)状の異なる場所に金額を表示することができる。勘定コードを増やしたくないときに利用する。

管理領域について

管理会計におけるもっとも重要な組織ユニット。財務会計で使われる組織ユニットではないが、密接に関係するためここで紹介する。

管理領域は、原価と収益の管理や割当可能な独立した組織構造。原価計算の単位を表す。また、1つの管理領域に複数の会社コードを割り当てることができる。これにより、割り当てられた複数の会社コード間の原価計算が可能になる。ただし、同じ管理領域に複数の会社コードを割り当てる場合は、割り当てるすべての会社コードで、同じ勘定コード表および同じ会計年度バリアントを使用している必要がある。

※管理領域については、管理会計(CO)1-1.管理領域、組織ユニット参照。

スポンサーリンク

カスタマイズ操作方法

会社コードの登録

【起動経路:SPRO>企業構造>定義>財務会計>編集/コピー/削除/チェック:会社コード】

会社コード0001がSAP標準で用意されている会社コード。テンプレートとなる値が設定済みである。これを会社コードコピーによってコピーし、各社の要件に応じて個別の設定を行う。

  1. SPRO>企業構造>定義>財務会計>編集/コピー/削除/チェック:会社コードを選択する。
  2. コピー/削除/チェック:会社コードをダブルクリックする。
  3. 「組織オブジェクト 会社コード」画面で、組織オブジェクト>組織オブジェクトコピーを選択する。
  4. コピー元の会社コードとコピー先の会社コードを入力し、実行する。

コピーされるデータ

  • 定義
  • グローバルパラメータ
  • カスタマイジングテーブル
  • G/L勘定(必要な場合)
  • 勘定設定

会社コードの設定

会社コードを会社IDに割り当てる。
※会社IDは登録済みとする。

  1. SPRO>財務会計(新規)>財務会計共通設定(新)>会社コードのグローバルパラメータ>登録グローバルパラメータを選択する。
  2. 登録した会社コードをダブルクリックする。
  3. 会計組織画面領域に、会社項目が表示される。「会社」項目に紐付けする会社IDを入力する。

※SPRO>企業構造>割当>財務会計>割当: 会社コード→会社 からでも設定が可能。

管理領域への会社コード割当

管理領域に登録した会社コードを割り当てる。
※管理領域はすでに登録済みとする。

  1. SPRO>企業構造>割当>管理会計>管理領域に対する会社コードの割当 を選択する。
  2. 画面の右ペインで、割当する管理領域のチェックボックスをONにする。
  3. 画面の左ペインで、「会社コードの割当」をダブルクリックする。「割り当てられた会社コード」が画面の右ペインに表示される。
  4. アプリケーションツールパーで「新規エントリ」を押下する。
  5. 会社コードを入力して「保存」を押下する。

スポンサーリンク

テーブル

テーブルID内容説明備考
T001会社コード
T001Wプラント/視点
TGSB事業領域
TKA01管理領域
TKA02管理領域割当

スポンサーリンク

Q&A

スポンサーリンク

演習問題

※複数回答の設問あり。
※答えはドラッグすると見れる。

会社コードに事業領域を割り当てることが可能か。

A. 可能
B. 不可能

正解:B

会社コードのコード体系は次のどれか。

A. 4桁の英数字
B. 8桁の英数字
C. 4桁の数字
D. 8桁の数字

正解:A

国際会計原則IFRSで定義されている組織ユニットは、次のどれか。

A. 利益センタ
B. 事業領域
C. 会社ID
D. セグメント

正解:D

コメント

  1. 大塚健市 より:

    演習問題

    会社コードに事業領域を割り当てることが可能か。

    A. 可能
    B. 不可能

    の回答が、

    B. 不可能

    となっており、明らかに間違いですよね。

    早急に確認願います。

    【根拠】
    https://it-biz.online/sap/business-area/

    • ブログをご覧いただきありがとうございます。
      事業領域ですが、クライアントに紐づく組織マスタで、会社コードとは区切りが異なります。そのため、会社コードに事業領域を割当することはできません。

      提示いただいたリンクを確認しましたが、「会社コードに事業領域を割当できる」という記載は見当たりませんでした。
      会社コードに事業領域を割当できるトランザクションがあれば確認しますので、トランザクションコードか起動経路をご教示お願いいたします。

タイトルとURLをコピーしました