【認定試験対策】財務会計(FI)3-5.会計伝票の登録

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概要

いよいよ伝票登録を行う。ここは習うより慣れろなので、カスタマイズ操作を多めに理解を深めていく。伝票の照会については、次回詳しく解説する。

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カスタマイズ、トランザクションコード

  • FB50 – G/L勘定伝票入力
  • FB60 – 仕入先請求書入力
  • FB65 – 仕入先クレジットメモ入力
  • FB70 – 得意先請求書入力
  • FB75 – 得意先クレジットメモ入力
  • FB03 – 伝票照会

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会計伝票の登録

会計伝票について:2種類の入力画面とトランザクション

会計伝票を入力する画面は大きく分けて2種類ある。

複合転記画面柔軟性のある伝票登録画面
色々な仕訳が登録できる代わりに入力する項目は多い。FB01など。
Enjoy画面簡単に伝票登録ができる画面
入力する項目が少ないが、登録できる仕訳は限られている。
転記キーを意識しなくても登録できるようになっている。FB50など。

今回は、Enjoy画面を中心に解説していく。また、各トランザクションコードは以下のとおり。

Tr-Cd名称備考
FB50G/L勘定伝票入力G/L勘定のみ使用して伝票登録を行う
FB60仕入先請求書入力債務(買掛金)を計上するための処理
FB65仕入先クレジットメモ入力債務を減らすための処理(例:返品伝票)
FB70得意先請求書入力債権(売掛金)を計上するための処理
FB75得意先クレジットメモ入力債権を減らすための処理(例:返品伝票)

会計伝票の入力画面(G/L勘定伝票入力:FB50)

大きくヘッダ情報を入力するエリアと、明細情報を入力するエリアに分かれている。

伝票ヘッダ仕訳の中身以外の情報を入力する。
・伝票日付:伝票を登録する日付
・転記日付:伝票を登録する会計期間を入力する
・伝票ヘッダテキスト:伝票のメモなど
・会社コード
・伝票タイプ
・取引通貨:海外との取引でドル建ての取引をする際などに利用
・換算レート:取引通貨を会社で扱う通貨に換算するレート、
       換算日付から自動入力される
・税額計算:税額を計算する場合、フラグをONにする
伝票明細仕訳の中身に関する情報を入力する。
・G/L勘定
・D/C:借方or貸方
・伝票通貨額:明細の金額を入力
・税:税額を計算する場合、税コードを入力する
・各組織マスタ(原価センタ、利益センタ、セグメント、事業領域など)

借方/貸方の表示について

仕訳の中身となる明細は、SAP画面上で見ると一覧形式になっている。仕訳のように左右に表示されていないため、最初は戸惑うかもしれない。

貸借の見分け方は、明細行ごとに「借方」or「貸方」が列として設けられているので、そこで判断する。もしくは、明細の金額がプラスであれば借方、マイナスであれば貸方、と判断することもできる。この貸方をマイナス金額で表示する方法は、SAP独特である。

DB上では、この借方or貸方を「D/C」という項目で管理しており、「S:借方」「H:貸方」となっている。DBによるが、金額は絶対値(プラス・マイナスの符号がない金額)で登録されていることが多いため、手元で計算する場合は注意すること。

会計伝票の入力画面(仕入先請求書入力:FB60)

ヘッダ情報と明細情報を入力することは、FB50:G/L勘定伝票入力と変わらない。ポイントは、仕入先コードを入力すると、自動で買掛金に変換して伝票登録してくれるということ。これにより貸方の買掛金情報が自動的に決まる。そのため、明細エリアには買掛金の相手勘定の情報のみ入力すれば済む

また、仕入れに関する情報(支払先や支払期日、支払方法など)を伝票ヘッダに入力する点が、FB50:G/L勘定伝票入力と異なる。

本ページでは、FB60:仕入先請求書入力を紹介したが、その他のFB70:仕入先請求書入力なども実際の画面を見てほしい。基本的な構造は同じであるが、伝票登録の用途が異なるため、入力する項目が異なっている点に気付ける。

消費税について

消費税明細は税コードから自動登録される。必要に応じて伝票ヘッダの「税額計算」フラグを設定することで、自動で税額を計算してくれる。

  • 税額計算フラグ:オン
    • 明細に税込み金額を入力する
      →税コードを使用すると、消費税の金額が自動計算される
  • 税額計算フラグ:オフ
    • 明細に税抜き金額を入力する
      →ヘッダの「税額」項目に消費税の金額を入力する

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カスタマイズ操作方法

今回は、経費の支払、商品の仕入(買掛金の計上)、得意先への商品販売(売掛金の計上)を想定した計3パターンの伝票を登録する。

※各G/L勘定コードが登録されていない場合は、財務会計(FI)2-1.G/L勘定(総勘定元帳勘定)を参照して勘定コードを登録すること。

※伝票タイプが入力可能になっていない場合は、「編集オプション」ボタンを押下し、伝票タイプオプションを「省略名で入力」にする。

G/L勘定の会計伝票を登録する:FB50

経費の支払を想定し、会計伝票を登録する。

  1. 会計管理>財務会計>総勘定元帳>伝票入力>G/L勘定伝票入力(Enjoy) を選択 を選択する。
  2. 伝票情報を入力する。
伝票ヘッダ
転記日付2020/4/1
第1明細
G/L勘定[C00001]経費
D/C借方
伝票通貨額1,000
原価センタCO01
第2明細
G/L勘定[A00001]現金
貸方貸方
伝票通貨額1,000
  1. メニューバー>シミュレート(F9) で伝票を確認する。
  2. 転記(保存)する。

仕入先からの請求書を登録する:FB60

次は商品の仕入れを想定し、仕入先からの請求に伴う会計伝票を登録する。

  1. 会計管理>財務会計>債務>伝票入力>請求書(Enjoy) を選択する。
  2. 伝票情報を入力する。
    仕入先からの請求書の登録は、仕入先「Vendor01」より買掛金が決まるため、明細には買掛金の相手勘定の入力のみ行う
伝票ヘッダ
仕入先Vendor01
請求書日付2020/4/1
転記日付2020/4/1
伝票タイプ[KR]仕入先請求
金額110,000
通貨会社コード通貨
税額計算ON
税コード[X5]消費税8% – 仕入
明細
G/L勘定[A00011]商品
D/C借方
伝票通貨額110,000
税コードX5
原価センタCO01
  1. メニューバー>シミュレート(F9) で伝票を確認する。
  2. 転記(保存)する。

得意先への請求書を登録する:FB70

次は得意先へ商品の販売を想定し、売掛金/売上の伝票を転記する。

  1. 会計管理>財務会計>債権>伝票入力>請求書(Enjoy) を選択する。
  2. 伝票情報を入力する。
    得意先への請求書の登録は、仕入先と同様、得意先「Customer01」より売掛金が決まるため、明細には売掛金の相手勘定の入力のみ行う
伝票ヘッダ
得意先Customer01
請求書日付2020/4/1
転記日付2020/4/1
伝票タイプ[DR]得意先請求
金額22,000
通貨会社コード通貨
税額計算ON
税コード[C5]課税売上8%
明細
G/L勘定[P00001]売上
D/C貸方
伝票通貨額22,000
税コードC5
利益センタPR01
  1. メニューバー>シミュレート(F9) で伝票を確認する。
  2. 転記(保存)する。

会計伝票の確認:FB03

最後に転記した伝票を照会する。

  1. 会計管理>財務会計>総勘定元帳>伝票>照会 を選択する。
  2. 伝票転記時に表示される伝票番号、会社コードを入力し、Enterを押下する。
  3. 転記済みの伝票が表示されることを確認する。

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テーブル

テーブルID内容説明備考
BKPF会計伝票ヘッダ会計伝票のメインテーブル。ヘッダ情報を保持。
S/4以降は、ACDOCAテーブルに統合されている。
BSEG会計伝票明細会計伝票のメインテーブル。明細情報を保持。
S/4以降は、ACDOCAテーブルに統合されている。
ACDOCAユニバーサルジャーナル従来のヘッダと明細(BKPFとBSEG)が合体した形のテーブル。
明細単位でレコードを保持する。
BSET税データ
BSAD得意先別決済明細データ
BSAK仕入先別決済明細データ

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演習問題

※複数回答の設問あり。
※答えはドラッグすると見れる。

会計伝票を登録する際、貸借の金額が一致していない場合の挙動を選べ。

A. 転記を実行するとエラーになる。
B. 転記を実行するとワーニングになる。
C. 未転記伝票として保存できる。
D. 仮保存として保存できる。

正解:AD

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